平成15年度(財)日本野鳥の会事業報告概要

野鳥や自然を守る事業 保護事業

IBA基準生息地の保全
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オオジシギに標識装着(北海道苫小牧市)
・ 国内167カ所を国際基準により重要な野鳥の生息地(IBA基準生息地)として選定しました。
・ この167カ所のIBA基準生息地をホームページ上で公開、またIBA基準生息地の概念を普及するためにシンポジウムを開催しました。
IBA基準生息地保全活動のモデルケースとして、北海道苫小牧の勇払原野で保全活動を行い、希少種のシマアオジの新たな生息地を1カ所確認しました。またオオジシギ382羽に標識を装着しました。

野鳥保護区の拡大
・ 寄付を財源に北海道根室市内のタンチョウ生息地22.1haを買い上げ、「藤田野鳥保護区酪陽」として設置しました。これにより当会の野鳥保護区は、北海道東部を中心に13カ所、総面積約1,100haとなりました。
・ 新たな候補地の情報収集や買い取り交渉などのため、根室市に野鳥保護区事業所を開設しました。
(地図画像をクリックすると、別ウインドで拡大した地図を表示します)

野鳥保護区及びサンクチュアリ一覧図


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藤田野鳥保護区酪陽
(北海道根室市 22.1ha)
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藤田野鳥保護区酪陽で繁殖したタンチョウの親子


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渡邊野鳥保護区大別川の巡視
(北海道厚岸町)
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早瀬野鳥保護区温根内での植生調査
(北海道鶴居村)

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鶴居サンクチュアリでのタンチョウへの給餌
(北海道鶴居村)
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渡邊野鳥保護区ソウサンベツに設置した石碑
(北海道根室市)

そのほかの保護活動
ナベヅル、マナヅルの新たな越冬地創出のため、佐賀県伊万里市に誘致を行い、5羽のマナヅルの定着に成功しました。
全国のペットショップなど482店を調査し、356種類5,261羽の野鳥が販売されていることを把握しました。この結果に基づき、業界団体に野鳥販売の自粛を申し入れました。
・ 風力発電設備の設置基準について野鳥保護の観点から意見をまとめ環境省に申し入れ、野鳥に与える影響を資料集にまとめ発行しました。
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野鳥販売調査の報告書(左)
風力発電の資料集(右)
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ツル誘致のためのデコイ設置
(佐賀県伊万里市)


野鳥や自然を大切に思う心を伝える事業 普及事業

自然解説、自然体験の場の提供
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根室市春国岱原生野鳥公園での自然解説
(北海道根室市)
・ 全国11ヵ所のサンクチュアリで、来訪者延べ約33万人に自然解説を行いました。
・ 同じく全国のサンクチュアリで、観察会を約1,300回行い、延べ約2万人の参加がありました。
・ 初台事務所に2月からバードプラザを開設し、バードウォッチングなどの情報発信を開始しました。
・ ジャパンバードフェスティバル(11月開催)にブース参加し、約5万人の来場者がありました。

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勇払原野での冬の観察会
(北海道苫小牧市)
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ウトナイ湖サンクチュアリでの観察会
(北海道苫小牧市)

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ジャパンバードフェスティバル出展
(千葉県我孫子市)
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バードプラザでの自然解説

人材育成など
「バードウォッチング検定」を11月16日に開催し、約1,100人の受検者がありました。
サンクチュアリにおいて、延べ2,700名におよぶボランティア活動を受け入れ、コーディネートを行いました。また、新たにボランティアを始める人向けの講座を27回開催し、約200名の参加がありました。
・ プロのレンジャーを育成するために、レンジャー養成講座を3回実施し、57人の受講者がありました。
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レンジャー養成講座(横浜自然観察の森)
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バードウォッチング検定

パンフレットなどの発行
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初心者向け小冊子、
ヒナを拾わないでポスター
・ バードウォッチングの手引き書となる、初心者向け小冊子「鳥をみつけに」を作成し、約2万2,000部配布しました。
「ヒナを拾わないで」キャンペーンを実施し、ポスター5万枚を作成して配布しました。

決算 円グラフ