※【 】内は寄附行為第4条の事業項目の番号
はじめに
 世界の各地で地球規模の環境保全への取り組みが進められる中、当会は日本を代表する環境NGOの一つとして、今年度も引き続き国内外の諸活動と連携しつつ、自然と人間が共存する豊かな社会の実現を目指した活動を積極的に進めた。
 今年度は、野鳥保護区事業、IBA基準生息地の保全事業、サンクチュアリ施設運営支援事業、野鳥ファンを増やす事業、70周年記念事業の5事業について特に力を入れて取り組んだ。
 野鳥保護区事業については、従来から取り組み大きな成果を上げてきたタンチョウ保護区についてさらに2カ所増設するとともに、初めてシマフクロウ保護区の買い取りを実現し、保護区事業の新たな展開への道筋をつけた。
 IBA基準生息地の保全事業については、対象地167カ所に関する広報とネットワーク化を本格的にスタートさせ、またモデルケースづくりとして取り組んできた勇払原野について保全基本構想をまとめた。
 サンクチュアリ施設運営支援事業については、既存類似施設の運営水準向上や新規施設の設置による生息地保全を目指して今年度から新たに取り組み、まずは、各地の既存類似施設等へのアンケートや聞き取り調査による基本データの収集を行った。
 同様に今年度から新たに取り組んだ野鳥ファンを増やす事業については、バードウォッチングの楽しさを一般へ広めることを目標に、都市における情報発信拠点バードプラザの運営、各種イベント参加や冊子、出版物の作成などを積極的に行った。
 70周年記念事業では、創設の精神と探鳥会の意義を振り返り、改めて社会に向け発信した。
 これらのほか数々の活動を一丸となって進めた結果、ここ数年来減少傾向が続いてきた会員について、6年ぶりに年間の新入会者総数が増加に転じた。
I.特に力をいれて取り組んだ事業
1.自然保護事業
1)野鳥保護区事業
 これまでに、タンチョウ保護を中心にした土地買い取りによる保護区事業を展開し、国内の自然保護団体としては最大規模の保護区設置となった実績をふまえ、保護区の拡大を目指して、今年度は次の事業を実施した。
(1)保護区3カ所の設置【5】
  北海道東部のIBA基準生息地「風蓮湖・温根沼」(根室市)においてシマフクロウ生息地(13.0ha)とタンチョウ生息地(203.7ha)を買い取 り、保護区を設置した。また同じくIBA基準生息地である「厚岸湖・別寒辺牛湿原」(標茶町)内のタンチョウ生息地(216.3ha)を買い取り、保護区 を設置した。
(2)保護区の管理【3、5】
  保護区を保護対象種の生息地として適切な状態に管理するため、既存のタンチョウ保護区6カ所において、タンチョウの繁殖状況および環境のモニタリングのた めの鳥類生息状況に関する調査をのべ26日実施し、その結果をホームページの鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリのページで公開した。また環境管理の一貫 として、不法投棄されたゴミの回収を渡邊野鳥保護区ソウサンベツで行うとともに、当会の野鳥保護区であることを明示する標識を作成し、保護区境界に設置し た。
(3)野鳥保護区基金の設置【8】
 保護区の設置および管理事業に充てる財源を一般からも広く集めるために、「野鳥保護区基金」を設置し、会の寄付パンフレットに掲載して募集をスタートし、190万円の寄付をいただいた。
2)IBA基準生息地の保全事業
 これまでに、鳥類の生息地として全国的に重要な場所の保全のために支部をはじめとする様々な団体と協力しながら取り組み、保全が急がれる場所を明確にす るため、国際的に重要な鳥類等を指標にした重要度の基準(IBA基準)を満たした野鳥の重要な生息地の選定を進め、IBA基準生息地リストを前年度に公表 した。またIBA基準生息地の保全モデルケースづくりとして、勇払原野の保全に取り組んできた。これらの実績をふまえ、各IBA基準生息地の保全レベルの 引き上げおよびネットワーク化を目指して、今年度は次の事業を実施した。
(1)IBA基準生息地全体の保全【3、5、7】
1Pro-Naturaファンドから80万円の助成を受け、新たなパンフレットの作成準備を行った。(完成は次年度5月上旬の予定)
 また、ホームページ内にIBA基準生息地のページを5月初旬に開設し、IBA基準生息地の重要性とリストを広報した。
 会員への広報として、野鳥誌7月号としてIBA基準生息地の特集号を発行した。この掲載記事を活用して各都道府県やマスコミへの広報を行った。
 支部や地域活動団体への広報としては、中国・四国ブロック交流会、九州・沖縄ブロック大会、伊良湖フォーラム等で、資料配布や講演を通じIBA基準生息地の紹介を行った。
 以上により、IBA基準生息地の重要性の普及と、IBA基準生息地リストの周知をはかった。
2各 IBA基準生息地に対する開発等の危険度の状況について、支部、サンクチュアリ等からの情報をもとに調査した。また各IBA基準生息地の都道府県における 法令指定(鳥獣保護区、都道府県立自然公園、自然環境保全地域等)の状況について各都道府県にアンケート調査を実施した。以上の調査の結果をホームページ に掲載する準備を進めた。(次年度上半期に掲載予定)
3ホームページ上に支部等が地元のIBA基準生息地において行っている活動状況を紹介するため、支部に対し、平成16年1月から引き続いてアンケートを実施し、167地点中62地点分の回答を得た。
 このうち7地点について、ホームページ上で、位置情報、地図、環境構成、保護指定、生息する鳥類、活動団体、活動内容、施設、関連ホームページについて紹介した。(他の地点については次年度上半期に掲載予定)
4上記23の結果をまとめる「IBA基準生息地白書(仮称)」については、イオン環境財団より90万円の助成金の交付が決定したので編集に着手した。(次年度11月までに発行予定)
5こ れまでの生息地保全活動の経験や事例をもとに、支部等の地域活動団体等が、地元のIBA基準生息地に関し、モニタリング調査、保全計画の策定、行政機関等 へ保全レベル引き上げを働きかける等の際に役立つ、総合的なハンドブック発行のため、鳥の生息地モニタリングガイドや、ティーチャーズガイド等の情報を整 理した。
(2)個別のIBA基準生息地の保全【3、5】
1IBA 基準生息地の保全モデルケースとするため、勇払原野保全プロジェクトとして、勇払原野内の弁天沼において、引き続き繁殖期のラインセンサスを実施した。ま た366羽のオオジシギにフラグによる標識調査を実施し、3年連続して東アジア・オーストラリアフライウェイにおける推定個体数の1%以上が弁天沼を利用 していることを確認した。
 また、勇払原野において市民向けの野鳥観察会を4回実施した。
 IBA基準生息地の保全モデルとしての勇払保全計画については基本構想案をまとめた。(次年度初頭に発行予定。今後、ウトナイ湖サンクチュアリを中心として北海道庁等の行政機関等に保全計画の策定、実現を働きかけていく予定である)
2ウ トナイ湖サンクチュアリ賛助会「ウトナイ湖ファンクラブ」は104名(前年度比7名増)の会員の方から計約143万円(前年度比約17万円増)のご支援を いただき、IBA基準生息地であるウトナイ湖周辺の勇払原野の保全活動の拠点としての同サンクチュアリの活動の充実をはかった。
3鶴 居・伊藤タンチョウサンクチュアリ賛助会「タンチョウふぁんクラブ」は149名(前年度比1名減)の会員の方から計251万円(前年度比約15万円増)の ご支援をいただき、IBA基準生息地であるタンチョウ生息地の保全活動を行う拠点としての同サンクチュアリの活動の充実をはかった。
4IBA 基準生息地である三宅島について、鳥類を中心とした噴火の影響調査を13コースについて4回実施した。また、5月の調査時には土木工学の専門家を招いて、 砂防ダム工事の現状を検討した。また、環境省に対して、国立公園内の砂防ダム建設について、慎重に行われるように働きかけを行った。
5支部や地域の自然保護団体と協力して、IBA基準生息地の保全レベルの引き上げに、次のとおり取り組んだ。
*青森県仏沼:青森県支部、NPO法人おおせっからんどによる国指定鳥獣保護区化、ラムサール条約登録湿地指定への動きを支援するための情報提供を行った。また7月におおせっからんど主催のオオセッカ一斉カウントやシンポジウムに参加した。
* 沖縄県泡瀬干潟:埋立て事業の準備工が着手されたため、環境影響を監視するために日本自然保護協会主催の調査プロジェクトに参加、地元団体と共にシギ・チ ドリ類の渡来状況を調べた。また11月、事業者に、環境影響緩和の履行を求める要望書を日本自然保護協会、WWFジャパンと連名で提出した。
*長崎県諫早湾:有明海沿岸4支部合同の有明海水鳥調査のデータまとめと報告書作成を支援した。(次年度6月頃までの完成を目指している) 9月の九州・沖縄ブロック大会のシンポジウムでは、諫早湾干拓事業の環境影響評価の経緯と概要について講演した。
*沖縄県やんばる:11月の世界自然保護連合の第3回世界自然保護会議において、他自然保護団体と共同で日米両政府への勧告「日本のジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全」を提案し、採択された。
*東京都と神奈川県にまたがる東京湾奥部多摩川河口:羽田空港拡張事業の環境影響評価方法書に対し意見を提出した。
6愛知県渥美半島、福井県中池見湿地、三重県と愛知県にまたがる木曽岬干拓地(伊勢湾奥部)など、支部の関わるIBA基準生息地に準ずる生息地について、IBA基準生息地登録のためのデータ整備、保全活動を支援した。
3)サンクチュアリ施設運営支援事業【2、5】
 これまでに、全国に直営、受託を併せて11カ所12施設のサンクチュアリを展開し、年間30万名の利用者を得るなど、自然環境を対象としている施設の運 営について国内最大規模となった実績をふまえ、既存類似施設の運営水準向上や新規施設の増加によるIBA基準生息地保全レベルの引き上げを目指して、今年 度は次の事業を実施した。
(1)施設情報の収集と分析
 全国のIBA基準生息地にある既存類似施設134カ所に対して行ったアンケート調査を行い、89カ所から回答を得て報告書を作成した。
(2)既存類似施設の運営水準向上の働きかけ
 (1)の結果を利用して、北海道、東北、関東甲信越地方のIBA基準生息地を中心に既存類似施設47カ所を訪問して、IBA基準生息地の保全を進めるためより有効に機能するよう働きかけた。
(3)新規施設整備の働きかけ
 既存類似施設の存在しない北海道オホーツク海沿いおよび九州北部のIBA基準生息地について、行政担当者への新規施設の可能性の聞き取りなどを行った。
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2.普及事業
1)野鳥ファンを増やす事業
 これまでに行ってきた普及事業は会員を対象にしたものが中心で一般の方向けのものは少なかったが、全国11カ所のサンクチュアリでは一般向けの自然解説 事業を毎年約30万名に対し行い国内最大規模となっている実績をふまえ、広く一般の方を対象にバードウォッチングの楽しさを広め、野鳥ファンを増やすこと を目指して、今年度は次の事業を実施した。
(1)一般の野鳥ファンの拡大
1バードプラザの運営【1】
 首都圏において、情報発信機能を持ったスペースとして初台事務所内に設置したバードプラザについて、今年度は運営を軌道に乗せ、次の事業を行った。
・専門職員によって、来訪者数6,829名に対応した。
・バードウォッチング入門講座を17回実施し、参加者はのべ205名であった。
・「デジスコ入門講座」「野鳥工作教室」などのイベントを16回実施し、のべ275名が参加した。また、8月以降毎月1回ニュースレターを発行し、合計約4,000部を配布した他、ホームページ上でこれらのイベント結果などについて情報発信を行った。
・バードウォッチングの楽しさや当会の活動について紹介する常設展示の他、8月~12月にかけて、野鳥をテーマにした絵画展や写真展を計4回開催した。
2サンクチュアリにおける普及事業【1、2】
・今年度より豊田市との契約変更に伴い、新しく豊田市自然観察の森を加え、全国12カ所のサンクチュアリにおいて普及活動を実施した。なお、三宅島自然ふれあいセンターアカコッコ館は、今年度は引き続き噴火の影響で閉館であったため、東京都内で普及活動を行った。
・当会レンジャーを配置している全国12カ所のサンクチュアリにおいて、約32万名の利用者に対して、自然解説活動を行い、野鳥や自然全般などについて一般の方に普及した。
・全国12カ所のサンクチュアリを中心に探鳥会、自然観察会等のイベントを通じ、一般向けの自然解説事業を1,384回、のべ20,457名に対して行った。
・ タンチョウ保護活動の普及と支援を目的とした「コニカ・タンチョウチャリティーフォトコンテスト」の第4回を実施し、175点の応募があった。入選作品か らポストカードを作成するとともに、巡回写真展を14会場でのべ450日で実施した。またポストカードの頒布で約1,000名の方からの約100万円のご 支援をいただいた。
3ホームページを活用した普及事業【1】
・7月より支部探鳥会情報のページをリニューアルし、探鳥会情報の掲載件数を大幅に増やした。(前年度45件/月程度から、今年度105件/月程度に増加)
4ケータイ野鳥図鑑の充実【1】
・ケータイ野鳥図鑑(iモードおよびau)について、原則毎日のコンテンツ更新(前年度は週1回程度)を行い利用増を図ったが、登録者数は1,100名と横ばいであった。
5イベントの開催、出展【1】
 バードウォッチング普及のため、大規模イベントの開催またはブース出展を行い、野鳥誌やバードウォッチング普及用パンフレットを配布して一般の方に活動をPRするとともに、会の案内を送付するための名簿の収集、オリジナル商品の販売などを行った。
●東京バードフェスティバル(5月22~23日)
・実行委員会のメンバーとして東京港野鳥公園を会場に実施し、4,000名の参加を得、観察会やシンポジウムなどの普及事業を行った。
・当会の普及ブースでは活動をパネル展示したほか、野鳥誌5月号や小冊子「鳥を見つけに」の配布を行い、来訪者は1,581名、名簿獲得は642名であった。
・当会の販売ブースへの来訪者は749名、商品の販売売上は237,500円であった。
●ジャパンバードフェスティバル(11月6~7日)
・実行委員会のメンバーとして実施し、全体で52,000名の来場者を得た。
・当会のブースでは活動紹介やバードウォッチングの楽しみ方を紹介したパネルを展示し、合わせて商品の販売を行い、ブースへの来訪者は1,508名、名簿獲得は69名、商品の販売売上は294,000円であった。
●新宿御苑「みどりの日の集い」(4月29日、会場来場者12,890名)
・ブース出展し、当会のブースへの来訪者は745名、名簿獲得は72名、商品の販売売上は37,200円であった。
●東京アウトドアズフェスティバル(6月25~27日、会場来場者27,877名)
・ブース出展し、当会のブースへの来訪者は697名、名簿獲得は293名、商品の販売売上は115,000円であった。
●エコプロダクツ2004(12月9~11日、会場来場者124,829名)
・ブース出展し、当会のブースへの来訪者は1,643名、名簿獲得は208名、商品の売上は293,680円であった。
6パンフレットの作成【1】
 バードウォッチングに役立つ情報をテーマごとにまとめた普及用の新規パンフレットの企画を進めた。
 また、前年度から継続して配布しているパンフレット「鳥をみつけに」は、バードプラザ、各サンクチュアリおよびイベント会場等で11,540冊を配布した。
7その他【1、7、8】
 その他、一般の中に野鳥ファンを増やす事業として、次のものを行った。
・ バードウォッチングの入門的な内容として、健康とバードウォッチングを特集した野鳥誌5月号を10,000冊増刷し、バードウィークにあわせ配布するとと もに、環境省記者クラブでの記者発表、ホームページ、大型イベント等によるPRを通じて、一般に対し約9,900冊配布し会員外に広くPRした。また、 5,318件の名簿を獲得した。
・バードウォッチングの入門的な内容の書籍「旅のついでのバードウォッチング」を次年度4月より復刊(2,000部)することとし、制作準備を進めた。
・バードウォッチング検定を11月3日実施した。受験者数は801名(うち会員外が442名)であった。団体受験の積極的な誘致や、地方会場用プレスリリースの実施、検定雑誌への掲載などの広報に力を注いだが、受験者数の目標到達には至らなかった。
・NHKラジオ「季節の野鳥」等への出演50件、雑誌等への原稿執筆やその他取材18件に対応し、会員外に広くPRした。
・他団体等からの依頼を受け、講師依頼対応147件、企画監修21件、原稿執筆367件を行った。
・引き続き企業との協働により、自然情報の発信活動を展開した。
・ハンディ図鑑「新・山野の鳥」、「新・水辺の鳥」を合計35,000部増刷刊行し、通信販売、店舗販売、支部向け卸販売、一般書店を通じた販売等により、計22,200部販売し、また「全国野鳥保護のつどい」の記念品として「新・水辺の鳥」を4,000部一括販売した。
・前年度に引き続きバードウォッチング入門者を対象としたスターターセット(ハンディ図鑑、入門ビデオ、CD、双眼鏡のセット)を設定し、バードプラザのイベント等でも積極的に紹介し合計191セットを販売した。
・ バードショップカタログを中心媒体として通信販売を行い、受注やカタログ請求等、商品を通じて新たに1,842名のお客様登録を増やした。また、インター ネット経由での通販受注件数と売上は、それぞれ全体の13%(1,343件)、9%(9,903千円)となり、対前年度比約140%の伸び率となった。
・新たなオリジナル制作商品にシンボルマークを表示するとともに、法人3社との商標使用契約を継続した。
(2)子どもの野鳥ファンの拡大【4】
1学校対応についての現状調査
 学校への講師対応に関するサンクチュアリでの事例集を200部作成した。
2ティーチャーズガイドの作成
 小学校における総合学習の指導者がカリキュラムを作成する上で役立つプログラム集として以下のとおり作成または作成準備した。
・「ガンカモティーチャーズガイド」の原稿を作成した。(出版は次年度上半期を予定している)
・「タンチョウティーチャーズガイド」を作成、出版した。(300部)
・「身近な野鳥ティーチャーズガイド」の企画を進めた。(次年度以降作成、配布予定)
3指導者向けの研修会
 上記2の「タンチョウティーチャーズガイド」を教材に、指導者向けの研修会を4回、のべ60名を対象に実施した。
4総合学習の講師依頼への対応
 全国のサンクチュアリにおいて、総合学習の一環として308件、18,141名に対応を行った。(これを含め、幼稚園、小中学校および高等学校による578件の利用があり34,246名の子供を対象に対応を行った)
5当会ホームページに開設予定の子ども向けのページについて、企画を進めた。(次年度開設予定)
3.70周年記念事業
 当会は1934年、鳥と言えば飼い鳥や捕って食べることが一般的だった時代に、初代会長中西悟堂が「野の鳥は野に」を旗印に掲げて鳥の科学と芸術の交流 をめざした社会運動として創設し、以来70年の長きにわたり活動を続けてきた。中でも中心的な活動は、全国で開催される探鳥会であった。これをふまえ、次 の事業を実施した。
(1)記念探鳥会の実施【1】
 70 年の歴史を振り返り、創設の精神と、中心的な活動となってきた探鳥会の歴史や意義を確認するために、探鳥会発祥の地である静岡県須走にて、6月2~3日に 記念探鳥会を実施した。参加者として、日本初の探鳥会参加者ゆかりの方9名と芸術文化の分野に秀でた著名な方11名の計20名を招待した。全国紙に5回、 地方紙に10回、新聞掲載され、ラジオでは8回放送され、バードウォッチングの文化的な意義、教育的な意義を社会に向けて発信した。
(2)記念碑建立【1】
 個人102名と11団体から計1,028万円の寄付をいただき、探鳥会発祥の地に、探鳥会の意義および第1回探鳥会参集者を顕彰する記念石碑を建立した。
(3)70周年記念商品の発売【8】
 70周年を記念して、オリジナル腕時計を100台、Tシャツを2柄計300枚、双眼鏡を50台企画制作販売した。
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II.その他の事業
1.自然保護事業
 次の事業を実施した
(1)野鳥の生息状況モニタリング【3】
1全国255カ所において野鳥の生息状況モニタリングを行った
・鳥の生息環境モニタリング調査の3周期めとして、第3回の森林・草原の調査についてボランティア調査員の参加を得て、繁殖期調査を実施し、90地点、調査員198名の方々からデータを得た。越冬期には55地点において調査員45名の方々からデータを得た。
・モニタリングサイト1000(環境省受託事業)として、186名の参加者を得、70地点で越冬期の調査を実施した。実施にあたり全国5ヵ所において研修会を行った。
・サンクチュアリ11ヶ所において、ガンカモ類、タンチョウ、シギチドリ類等を対象にした飛来状況調査をのべ342回実施した。また、センサス調査を29コース、のべ40.5㎞で実施した。
2鳥類分布記録共有システムを運用した
・各種モニタリングの調査結果を迅速にまとめ公開する同システムについて、前年度開発した入力システムの改良を行った。
・同システムを利用して行った全国のツバメ繁殖状況調査で約250名から2,000ヵ所の報告を得た。また、各地の支部の探鳥会記録等のデータベース化について、秋田県支部と小樽支部でテストを行った。
(2)絶滅危惧種の保護【3、5、6】
1バードソン'93募金によりナベヅル、マナヅル越冬地の分散に取り組んだ
・ 佐賀県伊万里市において、伊万里市、佐賀県支部、伊万里鶴の会の共同による越冬地創出事業に支援を行い、環境整備を進めた。当会事業としては、8月29日 に地元の理解を深めるため、ボランティア向けの講演会を伊万里市にて実施し50名の参加者を得た。また11月には冬期湛水水田におけるねぐら整備作業を行 い、前年度作成したマナヅルのデコイ3体と共に新たに作成したナベヅルのデコイ3体を設置した。また、伊万里市の働きかけにより、銃猟禁止について猟友会 の同意を得ることができた。これらの結果、今期は、最大14羽が越冬した。
・越冬地分散 について多くの市民の理解を得るため、来訪者用のパンフレット3,000部を11月に伊万里市と共同で作成し、伊万里市内の越冬地観察地点等で配布した。 またツル観察用の観察用具を野鳥誌10月号にて会員から募り、19名の方から双眼鏡、望遠鏡、三脚等合計30点をご寄付いただき、伊万里市の越冬地におけ るの観察指導用に提供した。2月5日には、国際ツル誘致シンポジウム「日韓でツル類の越冬誘致を考える」を伊万里市と共催で開催した。
・各地の越冬情報及び渡来情報等の収集のため、関係機関ならびに、野鳥誌1月号で広く会員にも情報提供を呼びかけ、その結果をホームページで紹介した。
・新たな分散候補地を開拓するため、分散の必要性等についてまとめたパンフレット500部を作成し、西日本各県の当会支部、飛来の確認されている自治体等に配布した。
2ツル類の保護に取り組んだ
・ 北東アジア地域ツル類ネットワークのワーキンググループ会議を、ツル類の保全と農業をテーマに、鹿児島県出水市において11月23~27日、6カ国、約 50名の参加で開催した。また、11月28日には出水市と共催で、一般公開の国際シンポジウム「ツル類と人間(ひと)との共生を目指して」を開催した。
・ツル類の越冬地の分散に関連して、環境省からの受託調査によりツル類の傷病個体の保護に関する情報の整理を行った。
3クロツラヘラサギの保護に取り組んだ
・クロツラへラサギの国内主要越冬地15ヶ所における越冬状況を調査するため、日本クロツラヘラサギネットワークの総会に出席し、昨越冬期の生息地の情報を交換した。また日本クロツラヘラサギネットワークと共に国内および国外の越冬状況を調査し情報の整理を行った。
・ 渡りルートの解明のための調査事業を環境省から受託し、沖縄で10羽を捕獲し、内3羽に衛星発信機を取り付け、北帰行のルートを解明した。また国交省河川 局からクロツラ越冬地情報整理について受託し、日本クロツラヘラサギネットワークの提供情報を元に、九州を中心とした越冬地の詳細な情報を整理し、河川管 理上必要と思われる課題を抽出した。
(3)密猟・違法販売の防止【5】
・バードウィーク全国一斉野鳥販売実態調査として、約120名のボランティア調査員により、全国572軒の販売店における野鳥の販売状況のモニタリングを実施した。(ホームページへの公表は次年度上半期の予定)
・野鳥を販売する業界団体として5月に日本チェーンストア協会、日本DIY協会、日本小売業協会、全国ペット小売り業協会へそれぞれ野鳥や猟具の販売自粛を要望した。
・「第12回全国野鳥密猟問題シンポジウム」を全国野鳥密猟対策連絡会と共同で12月11~12日に、三重県伊勢市の伊勢青少年研修センターで開催し、90名の参加を得た。
・小鳥類の愛玩飼養を目的とした密猟の問題点を一般向けに訴えるパンフレットを、環境省からの受託により作成した。
・ 鳥獣保護法の抜本的改正の検討のため、環境省の野生鳥獣保護管理検討会に委員として参加し、野鳥の輸入規制、愛玩飼養、密猟対策等の問題について改善のた めの提言を行った。また、野鳥を含む野生生物全体の保護のための法律創設の検討のため、野生生物保護法制定をめざす全国ネットワークの一員として野生生物 保護基本法(仮称)の市民案の検討を行った。
(4)野鳥と人の共存の仕組みづくり【5】
1カワウ
・関東地方のカワウのねぐら調査については、予定していた助成金が得られなかったため今年度の調査は中止し、過去の結果のまとめを進めた。
・基本的生態と保護管理に関するパンフレットについては寄付金が得られなかったため中止し、代わりにホームページにカワウとの共存に役立つ基本生態と保護管理に関する記事を掲載した。
・ カワウの保護管理に関わる受託事業として、水産庁からカワウの被害対策に関する調査を受託し、栃木県内で放流方法の変更による被害軽減効果の調査を行い、 内水面水産関係者に配布する啓蒙用出版物について検討した。また国交省武蔵丘陵森林公園から営巣地の保護管理に関する調査を受託し、生息状況を調査、カワ ウのねぐらのある公園等における保護管理のための検討会を行った。
・環境省の関東カワウ広域協議会準備会に委員として協力した。
2都市のカラス
・11 月7日に我孫子市で東京支部と共に「カラスフォーラム2004」を開催し、110名の参加者を得た。また、「カラスフォーラム2003」の実施報告集を、 野鳥保護資料集第17集として、国際花と緑の博覧会記念協会の助成金により作成し、首都圏自治体のカラス担当(清掃関係含む)に180部配布した。
3その他
・ 外来生物被害対策法について、WWFジャパン、日本自然保護協会などNGOや研究者と共同で、4~6月は国会での成立に向けて働きかけを行い、成立後は同 法による特定外来生物の候補種リストを検討した上で鳥類49種/分類群、生物全体では354種/分類群を選定した提案リストを10月27日に環境省に提出 し、特定外来生物に対する世論を喚起した。また同法施行に向けての環境省のパブリックコメント募集に対し意見を述べた。
・ 鳥インフルエンザ問題について、環境省鳥インフルエンザ専門家グループ、農林水産省感染経路究明チーム、鳥学会鳥インフルエンザ問題対策委員会に参加し た。また、5月22日の中国・四国ブロック交流会、7月9日の京都支部主催の鳥獣保護の夕べ、8月29日の伊万里市でのツル勉強会においてそれぞれ講演、 9月20日日本鳥学会大会にて自由集会を実施した。また野鳥誌11月号において会員への報告と今後の啓発のための特集号を発行した。
(5)その他の自然保護事業【3、5、6、7】
1風 力発電機の設置による鳥類への影響が大きいと予測される場所のリスト作成については、11月にタカ渡り全国ネットワークとタカの渡りの中継地の要注意地点 リスト作成について準備を行った。また6月26日に足利工業大学主催の風力発電セミナーにおいて、10月10日に伊良湖フォーラムにおいて、11月21日 にタカの渡り全国シンポジウムにてそれぞれ風力発電の鳥類への影響について講演し、鳥類研究者、工学関係専門家や風力発電事業者等関係者と意見交換した。
2予定していた補助金が得られなかったため、渡り経路解明のためのレーダー利用の研究は中止した。
3野外鳥類学論文誌「Strix」第23巻を900部発行した。
4受託事業として次のものを実施した。
・アジア太平洋地域水鳥保全戦略について環境省の委託を受け、2回の国内連絡会と11月に韓国で行われた第9回アジア太平洋水鳥保全戦略会議の手配を行い、専門家として会議に参加した。
・渡り鳥等保護に関する二国間会議について環境省から委託を受け、10月29~30日にアラスカで行われた日米渡り鳥条約会議と、11月29日に出水市で開催された日韓渡り鳥保護会合の手配を行い、専門家として会議に参加した。
・モンゴルにおける野生生物保全管理方法の向上への支援として、モンゴルの一般市民の環境保全に対する理解を高めるための環境教育の教材の作成を進め、モンゴルのIBA基準生息地目録作成のための調査を実施した。
・アジア湿地保全事業について、環境省の委託を受け、東南アジア5カ国(ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー)の湿地管理者の研修会をタイにて開催した。
5その他以下の受託調査を実施した。
・淀川河川調査:7月27日、前年度の国土交通省委託調査結果の報告会を京都支部と共に実施した。
・渡良瀬遊水地猛禽類調査:利根川上流河川事務所の委託により、重要な鳥類生息地である渡良瀬遊水地におけるチュウヒ等の猛禽類の調査を実施した。現地調査およびまとめは栃木県支部の協力を得た。
・豊田市自然観察の森周辺地域基本計画策定:豊田市の委託により、里山環境の保全、市民参画をテーマに計画段階からのワークショップを実施、ニュースレターを発行し、報告書をまとめた。
6その他自然保護上必要な以下の各種委員会等に参加した。
【環境省関係】絶滅に瀕する種の選定委員会鳥類分科会、モニタリングサイト1000森林ワーキンググループ、モニタリングサイト1000里地ワーキンググループ
【国交省関係】河川水辺の国勢調査鳥類スクリーニング委員
【その他】「緑の循環」認証会議評議員、日本国際湿地保全連合理事、IUCN日本委員会、山階鳥類研究所鳥類標識調査検討会、日本環境災害情報センター、小笠原国立公園植生回復調査検討会
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2.普及事業
 次の事業を実施した。
(1)レンジャーの育成【4】
1プロのレンジャーを養成するレンジャー養成講座を9月にウトナイ湖、10月に姫路、1月と2月に横浜を会場として実施した。受講者は合計75名であった。
2サンクチュアリ類似施設で勤務する専門職員向けの教材について、次年度の発行を目指し準備を行った。
3大和市自然観察センターの運営指導を受託事業として行い、121回のコンサルティングを実施して、運営スタッフ等を育成した。
(2)その他の普及事業【1】
1サンクチュアリにおいて、のべ8,057名のボランティア活動を受け入れた。またボランティア育成のための講座を26回、のべ525名を対象に実施した。
2当会支部の探鳥会を支援するため探鳥会保険の一括加入として、年間2,594件、78,445名(1,161,165円)分を扱った。
3.その他の事業
 次の事業を実施した。
1)野鳥誌発行など広報事業【7、8】
(1)野鳥誌の発行
19・10月号を合併号として年間11回発行した。また発行経費削減のため、印刷方法、紙の納入方法、送付方法の見直しを進めた。このうち印刷方法と紙の納入方法については11月号から変更を実施し、経費を削減した。
2毎号アンケートを実施し、平成16年4月号~平成17年3月号で626件の回答があった。この結果をもとに、平成17年4月号からより充実感ある誌面に刷新するための準備を行った。
 また、前年度のアンケート結果概要を9・10月号で報告した。この前年度結果に基づき、平成16年4月号から「活動」ページを整理し、イベントへの参加 者募集などの記事は新設した「インフォメーション」ページに集約した。また、「支部の探鳥会」、「サンクチュアリ」のページを6月号からリニューアルし た。
38月号を「事業報告号」として平成15年度の事業と決算報告ならびに平成16年度の計画と予算を掲載し発行した。
43の「事業報告号」を支部型会員(赤い鳥会員)へ8月に送付するとともに、今年度の新入会者全員に送付した。
(2)ホームページの運営
1一般向け情報公開媒体として、事業報告の全文を掲載するとともに今年度は新たに写真入りの概要版も掲載し、分かりやすい情報公開につとめた。
 また、週1回の定期更新の他、2月にはサンクチュアリからのライブ映像配信(後述4)(3)5)を開始するなど適宜情報の追加を行い、タイムリーな情報提供につとめた。
2年間のアクセス件数累計は346,112件(前年度304,262件)で、月平均は28,842件であった。
2)会員・支援者事業【8】
(1)会員・支援者情報管理システムの導入
  会員・支援者の拡大と、名簿管理業務等の効率化のため、従来の会員管理用コンピュータシステムに代えて、会員だけでなく支援者の名簿管理や各種分析にも対 応する総合情報管理システムの運用を11月から開始した。これにより、会員等からの問い合わせに対しスムーズな応対を行えるようになるとともに、会員・支 援者の拡大の基礎となる種々の分析も行えるようになった。併せて、パスワードの設定やアクセス制限を設けるなどのセキュリティ対策を行った。
(2)会員の維持、拡大
1今年度の新入会者数は2,495名で目標の2,500名より5名少なかったが、前年度の2,398名より97名増加した。前年度より入会者数が増加したのは6年ぶりであった。
 一方、退会者数は3,862名で、前年度の4,200名より338名減少した。年度末の会員数は46,644名で、前年度の47,963名より1,319名減少となった。
 お試し入会キャンペーンは、12月にパンフレット20,000部を印刷して配布を開始した。今年度を通じての応募は661名と前年度の559名を上回ったが、同キャンペーンによる入会者は61名と前年度の76名より減少した。
 また、新入会促進のダイレクトメールは12月に8,326件、3月に530件を発送し、それぞれ52名、18名の入会があった。
 さらに、平成17年3月19日より、総合会員、支部型会員、個人特別会員および家族会員のオンライン入会を新たに開始し、ホームページからの入会者数増 加に努めた。3月19~31日までのオンライン入会者数17名のうち、総合会員、支部型会員への入会者数は11名と64.7%を占めた。
2新入会者を除く既存の会員の継続率は、全体平均91.9%で前年度の91.5%より0.4ポイント上昇したが、目標の92.0%には0.1ポイント少なかった。
 また、会員種別ごとの継続率は、総合会員92.3%(+0.7ポイント)、本部型会員90.7%(+2.2ポイント)、支部型会員91.6%(+0.4 ポイント)、家族会員91.2%(-0.9ポイント)、個人特別会員93.9%(-0.8ポイント)であった。※かっこ内の数値は対前年度差を示す。
 一方、入会者のうち会費自動引き落としの利用率は50.1%で前年度の55.2%を5.1ポイント下回った。一方、郵便振替利用率は39.2%で前年度 の37.9%を1.3ポイント上回り、利用率も10.7%と前年度の7.0%を3.7ポイント上回った。PAYWEB利用者には継続時に口座引き落としの 案内を送付して、次回の会費支払いに自動引き落としを選択するように案内を行ったが、前年度のPAYWEB継続会員の自動引き落とし利用率は19.5%で あった。
(3)一般寄付、募金の拡大
1各種寄付をわかりやすく解説した寄付パンフレットを226,700部作成し、野鳥誌4、8、12月号やバードショップカタログ春夏・秋冬号に同封するなどして配布した。
 この寄付パンフレットの振込用紙を利用した寄付は一般寄付8,004,580円、バードメイト寄付5,486,740円であった。
2バー ドメイト寄付は7,990,740円となり、前年度の9,823,430円より減少した。一方、一般寄付(生涯会員寄付含む)は20,101,081円 と、前年度の12,668,901円より増加し、バードメイトを含めた寄付全体としては5,599,490円の増加となった。
 このうち、今年度から開始したホームページから直接できるオンライン寄付は、131件、286,000円であった。
 また、募金箱設置箇所は今年度末現在215カ所となり、前年度末から30カ所増加した。
(4)会員等向けアンケート調査
  会員継続時アンケートは、平成16年1月から12月の間に家族会員などを除く36,890名にアンケート用紙を送付し、回答者数は1,613名、回答率は 4.37%であった。会の事業への満足度は、「満足」と「やや満足」が合わせて62.1%であった。一方、「不満」と「やや不満」は合わせて12.5%で あった。
 また、入会者全員を対象としたアンケート調査を1月より開始した。また、退会者全員を対象としたアンケート調査を3月より開始した。(いずれも、次年度も継続して実施予定)
 一方、インターネット調査会社に委託した一般アンケート調査は、2月に実施し、全国の20代から60代までの男女1,000名から回答を得た。その結果、バードウォッチングの経験がある人は17.1%、日本野鳥の会の名前を知っている人は97.5%であった。
3)当会支部との連携強化事業【8】
1支部との連携強化をより一層はかるため、「支部ネット通信」を4月より毎月発行した。理事会、評議員会、常務会等の議事録および、財団事務局からの連絡事項などを掲載。各支部およびブロック事務局と、理事、監事、評議員に送付。同時にメールでの配信も行った。
2NPO法人化を準備している支部についての情報収集と対応の検討を行った。
3引き続き、支部の活性化のため、支部で実施される事業のうち17事業20支部に対し、合計90万円の補助金を支出した。
4引き続き、88支部間の情報交換をサポートするため、各支部報を集約し、一括発送を6回行った。
4)その他
(1)事務所の移転統合【8】
 事務所の二極分散解消や業務の効率化等をはかるための本部事務所の移転統合については、適切な物件を探索したが見つからなかったため、実施しなかった。
(2)財政の改善【8】
1いっそうの経費節減と収入源の確保による財政の改善を行った。
2主要事業に資源を重点的に振り向けるため、間接業務の省力化等をはかり、間接部門の人員を約2割削減した。
3特定預金等の一部約9億円を高利率の長期大口定期預金に切替え財産運用収入の拡大をはかった。(前年度実績比で約350万円増加)
(3)情報システムの構築【8】
 業務の効率化、経費節減等をはかるため、次の整備等を行った。
1横浜自然観察の森においてLAN(ローカルエリアネットワーク)を構築した。
2初台事務所-横浜自然観察の森の間にWAN(ワイドエリアネットワーク)システムを構築した。(初台事務所-WING、初台事務所-東京港野鳥公園の間のWANシステム構築は、前年度中に実施済み)
3初台事務所、WINGにおいて情報セキュリティの強化としてウィルス対策を行った。
4以上の事業の財源に充てるため助成金を20万円獲得した。
5助 成金200万円を得て、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリの給餌場に定点WEBカメラを2月に設置し3月末までタンチョウのライブ映像を配信し、イン ターネットを活用した新たな情報発信を行った。この結果2ヶ月間の当会ホームページへのアクセス件数は前年同月と比較し約2倍となった。
(4)その他
1バードライフインターナショナルとの協調体制の継続【6】
 IBA基準生息地保全事業へのフォローアップや、その他事業を進める上での基礎的な情報交換等のため、11月に行われたアジア地区会議に出席し、引き続き、バードライフインターナショナルとの協調体制を維持した。
2固定資産(建物)の運営【8】
  当会所有施設である鳥と緑の国際センター(WING)、ウトナイ湖サンクチュアリ、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリにおける事業活動を円滑に行うた め、基本的な施設および什器設備等の維持管理、周辺地域対応等を引き続き行った。また、将来の大規模修繕に備えた修繕積立金を積み立てた。
3理事会、評議員会等の開催【8】
 改定された寄附行為に基づき、常務会規程の改訂、役員報酬規程の新設などを行い、また役員アンケートを実施し、役員の責務の明確化、役員間の役割分担による機動性の確保等をはかった。また、近年空席となっていた副会長を選任し執行体制の充実をはかった。
 また各々次のとおり開催した。
 ・理事会:5回(定例2回、臨時1回、文書による臨時2回)
 ・評議員会:2回(定例)
 ・評議員会幹事会:2回
 ・常務会:13回
4引き続き職員等の能力向上のため、4月に新人職員等に組織研修を実施したほか、外部講座の受講等の職員研修を行った。【8】
5引き続き、基本的な組織維持等のために必要なその他の業務等を行った。【8】
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平成16年度(第35期)収支計算書1
自 平成16年4月 1日
至 平成17年3月31日
科    目 平成16年度決算額
(円)
平成16年度予算額
(円)
H16決算-H16予算
(円)
備考
I 収入の部        
 1財産運用収入 (3,948,359) (1,851,000) (2,097,359)  
  (1)基本財産運用収入 43,999 49,000 △5,001  
  (2)その他の財産運用収入 3,904,360 1,802,000 2,102,360  
         
 2 会費収入 (177,844,450) (184,597,000) (△6,752,550)  
  (1)一般会費収入 139,389,950 141,185,000 △1,795,050  
  (2)個人特別会費収入 24,027,500 24,420,000 △392,500  
  (3)法人特別会費収入 13,520,000 18,000,000 △4,480,000  
  (4)入会金収入 907,000 992,000 △85,000  
         
 3 事業収入 (571,737,994) (613,700,000) (△ 41,962,006)  
  1)探鳥会等開催事業収入 2,767,600 6,850,000 △4,082,400  
  2)サンクチュアリ事業収入 1,193,450 3,000,000 △1,806,550  
  3)指導者育成事業収入 2,703,900 2,685,000 18,900  
  4)受託事業収入 (333,512,626) (343,671,000) (△ 10,158,374)  
   (1)サンクチュアリ
      施設運営受託収入
211,434,538 208,044,000 3,390,538  
   (2)調査研究受託収入 72,160,400 87,809,000 △15,648,600  
   (3)指導者育成受託収入 3,954,750 4,762,000 △807,250  
   (4)その他受託収入 45,962,938 43,056,000 2,906,938  
  5)出版物刊行事業収入 19,514,904 25,769,000 △6,254,096  
  6)物品販売事業収入 192,179,162 209,231,000 △17,051,838  
  7)広告収入 19,516,352 22,160,000 △2,643,648  
  8)その他事業収入 350,000 334,000 16,000  
         
 4 補助金等収入 11,000,000 16,250,000 △5,250,000  
         
 5 寄付金収入 (167,312,291) (64,870,000) (102,442,291)  
  (1)一般寄付金収入 28,091,821 32,048,000 △3,956,179  
  (2)個人指定寄付金収入 124,629,898 17,440,000 107,189,898  
  (3)法人指定寄付金収入 5,288,894 6,382,000 △1,093,106  
  (4)野鳥の会カード寄付金収入 9,301,678 9,000,000 301,678  
         
 6 雑収入 5,311,306 1,799,000 3,512,306  
         
 7 特定預金取崩収入 18,523,199 52,473,000 △33,949,801  
         
当期収入合計 955,677,599 935,540,000 20,137,599  
繰越収支差額 180,400,754 165,063,000 15,337,754  
収入合計 1,136,078,353 1,100,603,000 35,475,353  


平成16年度(第35期)収支計算書2
自 平成16年4月 1日
至 平成17年3月31日
科    目
平成16年度決算額
(円)
平成16年度予算額
(円)
H16決算-H16予算
(円)
備考
II 支出の部        
 1 事業費 (763,491,731) (817,348,000) (△ 53,856,269)  
  1)探鳥会等開催事業費 5,765,473 10,282,000 △4,516,527  
  2)サンクチュアリ事業費 17,969,912 20,386,000 △2,416,088  
  3)調査研究事業費 949,425 3,993,000 △3,043,575  
  4)指導者育成事業費 6,706,387 8,027,000 △1,320,613  
  5)自然保護事業費 77,486,475 69,320,000 8,166,475  
  6)国際協力事業費 665,915 1,700,000 △1,034,085  
  7)受託事業費 (91,823,840) (89,572,000) (2,251,840)  
   (1)サンクチュアリ施設運営受託事業費 20,697,306 24,805,000 △4,107,694  
   (2)調査研究受託事業費 47,197,847 41,204,000 5,993,847  
   (3)指導者育成受託事業費 585,514 1,066,000 △480,486  
   (4)その他受託事業費 23,343,173 22,497,000 846,173  
  8)出版物刊行事業費 (65,356,820) (70,370,000) (△5,013,180)  
   (1)野鳥誌発行費 53,143,892 55,792,000 △2,648,108  
   (2)その他出版物刊行事業費 12,212,928 14,578,000 △2,365,072  
  9)物品販売事業費 155,143,217 173,903,000 △18,759,783  
  10)その他事業費 53,181,834 57,303,000 △4,121,166  
  11)事業運営管理費 (288,442,433) (312,492,000) (△24,049,567)  
   1受託事業運営管理費 190,670,394 198,987,000 △8,316,606  
   2その他出版物刊行事業運営管理費 1,641,138 2,167,000 △525,862  
   3物品販売事業運営管理費 14,770,242 19,506,000 △4,735,758  
   4その他の事業運営管理費 81,360,659 91,832,000 △10,471,341  
         
 2 管理費 (119,491,220) (128,981,000) (△ 9,489,780)  
  1)役員報酬 3,735,000 3,735,000 0  
  2)給料手当 283,140,367 308,538,000 △25,397,633  
  3)退職金掛金 10,665,562 10,772,000 △106,438  
  4)法定福利費 40,405,114 43,897,000 △3,491,886  
  5)福利厚生費 780,874 940,000 △159,126  
  6)家賃等 23,065,740 23,066,000 △260  
  7)水道光熱費 1,148,338 1,150,000 △1,662  
  8)賃借料 775,740 776,000 △260  
  9)会議費 3,981,855 5,312,000 △1,330,145  
  10)通信運搬費 3,155,557 4,771,000 △1,615,443  
  11)消耗品費 2,464,747 2,753,000 △288,253  
  12)諸会費 156,000 156,000 0  
  13)租税公課 13,896,000 13,890,000 6,000  
  14)職員研修費 531,330 1,302,000 △770,670  
  15)支部関係費 824,622 1,430,000 △605,378  
  16)その他経費 19,206,807 18,985,000 221,807  
  17)振替経費 (△ 288,442,433) (△ 312,492,000) (24,049,567)  
   1 受託事業運営管理費振替経費 △190,670,394 △198,987,000 8,316,606  
   2 その他出版物刊行
      事業運営管理費振替経費
△1,641,138 △2,167,000 525,862  
   3 物品販売事業運営管理費振替経費 △14,770,242 △19,506,000 4,735,758  
   4 その他の事業運営管理費振替経費 △81,360,659 △91,832,000 10,471,341  
         
 3 固定資産取得支出 3,284,490 2,668,000 616,490  
         
 4 敷金・保証金支出 300,000 0 300,000  
         
 5 特定預金支出 71,123,648 13,121,000 58,002,648  
         
 6 予備費 0 500,000 △500,000  
         
当期支出合計 957,691,089 962,618,000 △4,926,911  
当期収支差額 △2,013,490 △27,078,000 25,064,510  
次期繰越収支差額 178,387,264 137,985,000 40,402,264  
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正味財産増減計算書
自 平成16年4月 1日
至 平成17年3月31日
(単位:円)
科    目 金    額
I 増加の部      
 1 資産増加額      
       
 1) 商品増加額 40,810,194    
 2) 土地増加額 53,294,618    
 3) 車両運搬具増加額 2,015,750    
 4) 什器備品増加額 4,725,752    
 5) 少額固定資産増加額 722,015    
 6) その他無形固定資産増加額 3,200,000    
 7) 保証金増加額 300,000    
 8) 特定預金増加額 71,123,648 176,191,977  
       
増加の部 合計     176,191,977
       
II 減少の部      
 1 資産減少額      
       
 1) 当期収支差額 2,013,490    
 2) 商品減少額 45,563,960    
 3) 什器備品等減少額 870,922    
 4) 建物減価償却額 14,361,541    
 5) 車両運搬具減価償却額 784,520    
 6) 什器備品減価償却額 5,519,712    
 7) 少額固定資産減価償却額 1,702,577    
 8) その他無形固定資産減価償却額 1,193,327    
 9) 特定預金取崩額 18,523,199 90,533,248  
       
減少の部 合計     90,533,248
       
当期正味財産増加額     85,658,729
       
前期繰越正味財産額     2,339,650,083
       
期末正味財産合計額     2,425,308,812


貸借対照表
平成17年3月31日現在
(単位:円)
科    目 金    額
I 資産の部      
 1 流動資産      
  1) 現預金 108,028,945    
  2) 売掛金 13,235,835    
  3) 商品 40,810,194    
  4) 未収入金 154,801,841    
  5)その他流動資産 1,362,450    
       
流動資産 合計   318,239,265  
 2 固定資産      
(1)基本財産      
  1) 基本財産定期預金 10,000,000    
(2)その他の固定資産      
  1) 土地 284,752,208    
  2) 建物 450,904,934    
     建物減価償却累計額 △184,437,436    
  3) 車両運搬具 9,554,625    
     車両運搬具減価償却累計額 △7,352,935    
  4) 什器備品 58,321,670    
     什器備品減価償却累計額 △42,339,117    
  5) 少額固定資産 12,658,474    
     少額固定資産減価償却累計額 △11,762,627    
  6) 電話加入権 2,460,622    
  7) 敷金・保証金 15,908,750    
  8) その他無形固定資産 4,274,927    
  9)長期定期預金 19,280,000    
  10)特定預金 1,583,887,259    
その他の固定資産合計 2,196,111,354    
       
固定資産 合計   2,206,111,354  
資産合計     2,524,350,619
       
II 負債の部      
 1 流動負債      
  1) 買掛金 4,894,226    
  2) 短期借入金 20,000,000    
  3) 未払金 60,134,261    
  4) その他流動負債 14,013,320    
       
流動負債 合計   99,041,807  
負債合計     99,041,807
       
III 正味財産の部      
正味財産     2,425,308,812
(うち基本金)     (10,000,000)
(うち当期正味財産増加額)     (85,658,729)
       
負債及び正味財産合計     2,524,350,619
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財産目録
平成17年3月31日現在
科    目 金    額
I 資産の部
(円)
(円)
(円)
 1.流動資産          
 1)現預金          
  1現金          
   
手許現金
873,956    
   
     
  2普通預金      
   三井住友銀行 新宿西口支店 (財)日本野鳥の会 75,806,084    
   みずほ銀行 初台支店 (財)日本野鳥の会 12,368,276    
   東京三菱銀行 新宿新都心支店 (財)日本野鳥の会 108,507    
   東京三菱銀行 荻窪支店 (財)日本野鳥の会 114,362    
   UFJ銀行 西新宿支店 (財)日本野鳥の会 262,761    
   三菱信託銀行 渋谷支店 (財)日本野鳥の会 83,645    
   郵便局 東京オペラシティ郵便局 (財)日本野鳥の会 501,491    
   北洋銀行 苫小牧中央支店 (財)日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ 687,478    
   鶴居村農協 本所支店 (財)日本野鳥の会鶴居サンクチュアリ 672,395    
   福島銀行 岡部支店 (財)日本野鳥の会 (福島市小鳥の森) 505,869    
   みずほ銀行 大森支店 (財)日本野鳥の会東京港野鳥公園 548,793    
   福井銀行 大聖寺支店 (財)日本野鳥の会 (鴨池自然観察館) 252,889    
   但馬銀行 青山支店 (財)日本野鳥の会 (姫路市自然観察の森) 217,926    
   西日本シティ銀行 堤支店 日本野鳥の会福岡市油山自然観察の森 64,111    
   北洋銀行 根室支店 (財)日本野鳥の会 (春国岱原生野鳥公園) 256,402    
   豊田信用金庫 神池支店 (財)日本野鳥の会 (豊田市自然観察の森) 157,505    
   千葉銀行 習志野袖ヶ浦支店 (財)日本野鳥の会谷津干潟サンクチュアリ 25,020    
           
    普通預金 合計 (92,633,514)    
           
  3郵便振替      
   (財)日本野鳥の会 13,099,260    
   (財)日本野鳥の会寄付 1,374,715  
   (財)日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ 500  
   ウトナイ湖ファンクラブ  20,500  
   鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ 26,500  
郵便振替 合計 (14,521,475)  
     
現預金 合計 108,028,945  
     
 2)売掛金    
   (株)地方小出版流通センター他 13,235,835  
     
 3)商品  
   「新・山野の鳥」他 40,810,194
   
 4)未収入金  
   環境省等42件 154,801,841
   
 5)その他の流動資産  
  1前払金  
   会計システム年間保守料等2件 101,400
  2仮払金  
ウトナイ湖サンクチュアリバードショップ釣り銭等11件
321,050
  3立替金  
   職員貸付金1件 940,000
   
その他の流動資産 合計 1,362,450
   
流動資産 合計   318,239,265
     
 2.固定資産    
 (1)基本財産    
  1)基本財産定期預金  
   三井住友銀行 新宿西口支店   10,000,000
   
 (2)その他の固定資産  
  1)土地 平方メートル    
   持田野鳥保護区(根室市) 76,135   16,838,520
   温根内早瀬野鳥保護区(鶴居村) 194,998   8,947,538  
   仏沼野鳥保護区(三沢市) 35,005   21,115,886
   やんばる奥間野鳥保護区(国頭村) 30,648   5,075,986
   別寒辺牛湿原早瀬野鳥保護区(厚岸町) 2,845,947   50,907,900
   渡邊野鳥保護区大別川(厚岸町) 2,350,019   23,000,000
   小鷲頭山野鳥保護区(沼津市) 22,872   665,327
   鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ   土地(鶴居村) 1,073   580,000
   弘前舞鶴荘土地(岩木町) 3,756   30,418
   ゼネラル石油野鳥保護区春国岱(根室市)その1 767,660 (一部持分1/6他) 10,760,482
   ゼネラル石油野鳥保護区春国岱(根室市)その2     333,674 (一部持分6/35他) 1,971,725
   千歳市字祝梅(千歳市) 4,695 (一部持分2/160他) 3,626,200
   ゼネラル石油野鳥保護区イーハトーブ盛岡(盛岡市)    83,795   8,571,780
   渡邊野鳥保護区ソウサンベツ(根室市) 3,680,886   75,165,828
   藤田野鳥保護区酪陽(根室市) 221,247   4,200,000
   持田野鳥保護区  シマフクロウ根室第一(根室市) 129,632   3,087,768  
   渡邊野鳥保護区チャンベツ(標茶町) 2,163,106   20,105,600
   渡邊野鳥保護区フレシマ(根室市) 2,036,774   30,101,250
土地 合計 284,752,208
  2)建物  
ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター
(鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺二階建399.84平方メートル)
74,713,900
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリネイチャーセンター
(鉄筋コンクリート造亜鉛メッキ鋼板葺二階建134.86平方メートル)
29,790,000
鳥と緑の国際センター(WING)
建物(鉄筋コンクリート・木造亜鉛メッキ鋼板葺地下一階付二階建583.64平方メートル)
231,344,200
鳥と緑の国際センター(WING)
二期建物(木・鉄筋コンクリート造ステンレス鋼板・陸屋根平家建226.84平方メートル)
81,648,980
ウトナイ湖サンクチュアリ環境教育センター増築工事等10件
32,564,104
鳥と緑の国際センター(WING)AVシアター壁吸音工事等3件
843,750
   
建物 合計 450,904,934
     
  建物減価償却累計額  
ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター
(鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺二階建399.84平方メートル)
△53,215,462
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリネイチャーセンター
(鉄筋コンクリート造亜鉛メッキ鋼板葺二階建134.86平方メートル)
△17,677,120
鳥と緑の国際センター(WING)
建物(鉄筋コンクリート・木造亜鉛メッキ鋼板葺地下一階付二階建583.64平方メートル)
△88,357,301
鳥と緑の国際センター(WING)
二期建物(木・鉄筋コンクリート造ステンレス鋼板・陸屋根平家建226.84平方メートル)
△7,770,941
ウトナイ湖サンクチュアリ環境教育センター増築工事等10件
△17,328,847
鳥と緑の国際センター(WING)AVシアター壁吸音工事等3件
△87,765
   
建物減価償却累計額 合計 △184,437,436
   
  3)車両運搬具  
   5件 9,554,625
   
  車両運搬具減価償却累計額  
   4件 △7,352,935
   
  4)什器備品  
   パソコン等85件 58,321,670
   
  什器備品減価償却累計額  
   パソコン等85件 △42,339,117  
   
  5)少額固定資産  
   パソコン等84件 12,658,474
   
  少額固定資産減価償却累計額  
   パソコン等91件 △11,762,627
   
  6)電話加入権 2,460,622
   
  7)敷金・保証金  
小田急西新宿ビル(渋谷事務所)敷金等2件
15,908,750  
   
  8)その他無形固定資産  
   給与計算用コンピュータプログラム等8件 4,274,927
   
  9)長期定期預金  
   三菱信託銀行 渋谷支店 定期預金 19,280,000
   
  10)特定預金  
   財政安定基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 12,932,115
         〃 UFJ銀行
西新宿支店
定期預金 10,000,000
         〃 みずほ銀行
初台支店
定期預金 42,067,885
    (財政安定基金特定預金 合計) (65,000,000)
   渡邊基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 51,596,145
   バードソン93特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 19,798,171
   密猟対策特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 150,267
   大坂基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 1,000,000
   村田基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 20,047,032
   持田プロジェクト特定預金 東京三菱銀行
荻窪支店
定期預金 985,127,566
   藤田基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 107,700,000  
   野鳥保護基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 8,180,974
   持田基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 140,000,000
   タンチョウサンクチュアリ基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 89,385,572
   野鳥を科学する基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 42,067,885
ウトナイ湖
サンクチュアリネイチャーセンター
建替え基金特定預金
三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 34,700,682
鳥と緑の国際センター
修繕積立金特定預金
三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 2,925,000
ウトナイ湖
サンクチュアリネイチャーセンター
修繕積立金特定預金
三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 8,740,000
鶴居・伊藤
タンチョウサンクチュアリ ネイチャーセンター
修繕積立金特定預金
三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 2,340,000
   常勤役員退任慰労金積立金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 216,000  
   野鳥保護区基金特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 1,900,000
   70周年記念碑特定預金 三井住友銀行
新宿西口支店
定期預金 3,011,965
   
特定預金 合計 1,583,887,259
   
その他の固定資産 合計 2,196,111,354
   
固定資産 合計   2,206,111,354
 
資産 合計   2,524,350,619
   
II 負債の部      
 1.流動負債    
  1)買掛金  
   (株)ニコンビジョン他 4,894,226
   
  2)短期借入金  
  三井住友銀行
新宿西口支店
  20,000,000
   
  3)未払金  
   三井住友銀行等105件 57,476,561
   未払法人税等 70,000
   未払消費税等 2,587,700
   
未払金 合計 60,134,261
   
 4)その他流動負債  
  1前受金  
   (株)ラモーダヨシダ等6件 1,681,575
   
  2預り金  
   源泉税預り金他 1,590,175
   会費関係預り金 9,735,500  
   千歳川放水路問題対策資金(長期) 1,000,000
   
預り金 合計 (12,325,675)
   
  3仮受金  
   会費関係仮受金他 6,070
   
その他流動負債 合計 14,013,320
     
流動負債 合計   99,041,807
     
負債 合計     99,041,807
正味財産 合計  
2,425,308,812
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計算書類に対する注記
1 重要な会計方針
(1) 棚卸資産の評価方法について
 最終仕入原価法による評価方法を採用している。
(2) 有価証券の評価基準及び評価方法について
 総平均法による原価基準を採用している。
(3) 固定資産の減価償却について
 建物・車両運搬具及び什器備品…定率法による減価償却を実施している。なお、平成10年4月1日以降取得した建物については、税法改正に伴い定額法によっている。
(4)引当金の計上基準について
 計上していない。
(5)資金の範囲について 
 資金の範囲には、現金、預金、売掛金、未収入金、前払金、立替金、仮払金、買掛金、短期借入金、未払金、前受金、預り金、仮受金を含めている。なお、前期末及び当期末残高は、下記3に記載するとおりである。
(6)消費税等の会計処理について
 消費税等の会計処理は税込み方式を採用している。

2 基本財産の増減額及びその残高は、次のとおりである。
科  目
前期末残高
(円)
当期増加額
(円)
当期減少額
(円)
当期末残高
(円)
定期預金 10,000,000 0 0 10,000,000
合計(基本金) 10,000,000 0 0 10,000,000

3 次期繰越収支差額の内容は、下表のとおりである。
科  目
前期末残高
(円)
当期末残高
(円)
現預金
売掛金
未収入金
その他流動資産
94,170,595
12,326,064
179,480,261
679,580
108,028,945
13,235,835
154,801,841
1,362,450
合計 286,656,500 277,429,071
買掛金
短期借入金
未払金
その他流動負債
3,966,904
20,000,000
67,201,985
15,086,857
4,894,226
20,000,000
60,134,261
14,013,320
合計 106,255,746 99,041,807
次期繰越収支差額 180,400,754 178,387,264

4 担保に供している資産はない。
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平成16年度(第35期)収支計算書補足-「その他の財産運用収入」明細
 
名    称
運用収入額
(円)
特定預金の
H16年度期首額(参考)
(円)
特定預金 (1)財政安定基金 18,246 65,000,000
(2)渡邊基金 9,536 46,696,145
(3)バードソン93 4,959 24,614,457
(4)密猟対策 109 552,797
(5)大坂基金 397 3,000,000
(6)村田基金 4,006 20,043,026
(7)持田プロジェクト 2,555,005 990,694,990
(8)藤田基金 12,096 60,500,000
(9)野鳥保護基金 1,634 8,180,974
(10)持田基金 616,000 140,000,000
(11)タンチョウサンクチュアリ基金 393,295 89,385,572
(12)野鳥を科学する基金 185,099 42,067,885
(13)ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター建替え基金 84,718 33,615,964
(14)鳥と緑の国際センター修繕積立金 427 1,425,000
(15)ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター修繕積立金 1,311 4,370,000
(16)鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリネイチャーセンター修繕積立金 342
1,140,000
特定預金 小計 3,887,180 1,531,286,810
その他 その他の普通預金等 17,180  
  合計
3,904,360


平成16年度(第35期)収支計算書補足-「特定預金の増減」明細
名    称
H16年度
期首額
(円)
H16年度中の増減 H16年度
期末額
(円)
特定預金の目的等
積立て額 取崩し額
(円)
(円)
1.財政安定基金 65,000,000 0 0 65,000,000 財政安定上の必要を生じるときに備える
2.渡邊基金 46,696,145 6,400,000 1,500,000 51,596,145 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ運営の一環である渡邊野鳥保護区管理費の一部に充当する
3.バードソン93 24,614,457 4,959 4,821,245 19,798,171 出水のツル越冬地分散化事業費に充当する
4.密猟対策 552,797 0 402,530 150,267 野鳥密猟対策事業費の一部に充当する
5.大坂基金 3,000,000 1,000,000 3,000,000 1,000,000 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ運営の一環である野鳥保護区管理費の一部に充当する
6.村田基金 20,043,026 4,006 0 20,047,032 野鳥保護区購入費等に充当する
7.持田プロジェクト 990,694,990 0 5,567,424 985,127,566 シマフクロウの保護区購入費等に充当する
8.藤田基金 60,500,000 50,000,000 2,800,000 107,700,000 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ運営の一環である野鳥保護区購入・管理費・その他同サンクチュアリ運営費の一部に充当する
9.野鳥保護基金 8,180,974 0 0 8,180,974 一般的な野鳥保護事業もしくは土地の買い上げ、ネイチャーセンターの建設等の特定の野鳥保護事業費に充当する
10.持田基金 140,000,000 0 0 140,000,000 持田勝郎氏からのご寄付を基金として、財政基盤を確立する
11.タンチョウサンクチュアリ基金 89,385,572 0 0 89,385,572 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ運営費の一部に充当する
12.野鳥を科学する基金 42,067,885 0 0 42,067,885 独自の研究活動費を確保する
13.ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター建替え基金 33,615,964 1,084,718 0 34,700,682 ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンターの建替え費用に充当する
14.鳥と緑の国際センター修繕積立金 1,425,000 1,500,000 0 2,925,000 鳥と緑の国際センターの修繕費用に充当する
15.ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター修繕積立金 4,370,000 4,370,000 0 8,740,000 ウトナイ湖サンクチュアリの修繕費用に充当する
16.鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリネイチャーセンター修繕積立金 1,140,000 1,200,000 0 2,340,000 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリの修繕費用に充当する
17.常勤役員退任慰労金積立金 0 648,000 432,000 216,000 常勤役員退任慰労金の支出に充当する
18.野鳥保護区基金 0 1,900,000 0 1,900,000 野鳥保護区購入費等に充当する
19.70周年記念碑 0 3,011,965 0 3,011,965 70周年記念碑を維持・管理・活用するための費用に充当する
合計 1,531,286,810 71,123,648 18,523,199 1,583,887,259  


監査報告書
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