「バードウィーク全国一斉野鳥販売実態調査2003」 結果報告 追跡!売られる野鳥たちの実態
 
大空の下で羽ばたき、さえずる野鳥たち。
その愛らしく、何ものにも縛られない自由な姿は私たちに
安らぎと感動を与えてくれます。
けれども国内には、カゴの中に飼われ、売られている野鳥たちがたくさんいます。
4年目となる今回の調査結果と過去3年間の調査結果から、
国内の野鳥販売の実態がさらに明らかになりました。
 
調査の目的など
詳しい調査結果はこちら



 
ご協力ありがとうございました。
152名の方のご参加により、32都道府県で468店を調査
 
  ●調査主催/ (財)日本野鳥の会
全国野鳥密猟対策連絡会
  ●調査期間/ 2003年5月10日〜6月30日
※一部期間外のデータも含む
  1.調査参加者/152名
2.報告された店数/468店舗(32都道府県)
※うち野鳥を販売していた店数/166店舗
3.報告された野鳥の数/3,515羽・333種類
 
図表 報告された野鳥の数(2000年から2003年)と、2003年の都道府県別調査店数
 
 
販売店数・羽数とも4年連続メジロがNO.1

ホオジロも4年連続、メジロに続き販売数が上位に。
 国内の法律「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」においては、日本の野鳥は、原則許可なく捕獲・販売・飼養することが禁じられているが、外国から輸入された野鳥の売買、飼養については特別に定める種類以外には規制がない。
 
報告されたメジロの販売店数と合計羽数
  販売店数 合計羽数
2000年
  108 (店)
  735 (羽)
2001年
  132  
  707  
2002年
  108  
  1,066  
2003年
  92  
  494  

報告されたホオジロの販売店数と合計羽数
  販売店数 合計羽数
2000年
  72 (店)
  239 (羽)
2001年
  70  
  218  
2002年
  78  
  346  
2003年
  62  
  267  

 
写真
 メジロ、ホオジロの2種は、許可を得れば1世帯あたりどちらか1羽までペットとして飼うことが認められている。メジロについては、鳴き声を競わせる「鳴き合わせ会」というものがあり、市場での需要が多いようである。
猛禽類のペット人気 !?

 調査報告では、猛禽類(※1)の販売報告がここ2〜3年増えており、中には「種の保存法」の対象種であるオオタカやハヤブサ、イヌワシ、ワシミミズクなどの猛禽類が販売されているケースもあった。「種の保存法」では対象種の販売は禁止されているが、これは日本産亜種(※2)のみで、外国産の亜種については規制がないため、輸入品である限り違法とは言えない。
(※1) 猛禽類/タカ科、ハヤブサ科フクロウ科の総称。
(※2) 亜種/同じ種の中で繁殖する地方によって形態的な違いがあって区別する場合の分類単位。
(例)オオタカは北米大陸〜ユーラシア大陸に分布し、9つの亜種に分けられている。日本にいるのはそのうち1つの亜種。
 
報告された猛禽類の販売店数と合計羽数
  2000年 2001年 2002年 2003年
タカ・ハヤブサ科(種数) 4種 8種 6種 8種
合計羽数 7羽 23羽 30羽 15羽
フクロウ科(種数) 5種 8種 9種 4種
合計羽数 7羽 19羽 27羽 15羽
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こんな店を調査しました

 2002年3月に、これまでの3年間に得られた調査結果をもとに、全国野鳥密猟対策連絡会と連名で販売店業界団体(日本小売業協会、日本チェーンストア協会、(社)日本DIY協会、全国ペット小売業協会、日本百貨店協会)へ野鳥販売の自粛を求める要望書を提出し、その際、販売店業界から本会の活動にできるだけ協力し、加盟販売店へ通達を出すとの約束を得たが、今回の調査結果ではその成果は、あまり見られない。

日本産鳥類と同種の鳥を売っていた店のタイプ別店数と1店あたりの平均種数・羽数
イラスト ペットショップ
  店数 羽数 種数
2000年
  100 (店)
  25.8 (羽)
  10.4 (種)
2001年
  123  
  12.9  
  5.1  
2002年
  124  
  12.6  
  3.9  
2003年
  120  
  12.5  
  3.9  

イラスト スーパー
  店数 羽数 種数
2000年
  -  
  -  
  -  
2001年
  12  
  7.3  
  4.8  
2002年
  5  
  4.7  
  3.2  
2003年
  5  
  8.4  
  3.2  
※2000年調査では「スーパー」は「その他」に含む。

  その他
  店数 羽数 種数
2000年
  100  
  25.8  
  10.4  
2001年
  10  
  8.0  
  4.0  
2002年
  10  
  8.0  
  3.2  
2003年
  5  
  5.4  
  2.6  

 
イラスト ホームセンター
  店数 羽数 種数
2000年
  57  
  12.1  
  4.9  
2001年
  59  
  12.4  
  5.2  
2002年
  36  
  6.5  
  3.1  
2003年
  37  
  5.7  
  3.1  

イラスト 百貨店
  店数 羽数 種数
2000年
  8  
  6.5  
  2.8  
2001年
  6  
  8.2  
  5.2  
2002年
  2  
  2.5  
  2.0  
2003年
  3  
  2.0  
  1.7  

イラスト
 
 
「輸入証明書」のある店?ない店?
 
 日本産鳥類と同種の鳥を売る場合に、輸入した野鳥であることを示すために「輸入証明書」が付けられていることが多いが、これは輸入業者の組合が任意で発行しているもので、輸入されたことを法的に示すものではない。調査報告では、販売されている野鳥のカゴに証明書は添付されておらず、「輸入証明書有ります」といった札が別に揚げられている場合が多く、実際に「輸入証明書」があるかどうかは調査では確認することは難しくなっている。
 いまだに公的に輸入したものと証明する仕組みはなく、しばしば国内で密猟された野鳥にこの「輸入証明書」が添付されているなど、証明書のすり替えが起き、問題となっている。
 
日本産鳥類と同種の鳥が販売されている場合の「輸入証明書」の有無
「輸入証明書」の有無を表した円グラフと「輸入証明書」の見本
あなたのお力を貸してください!
 
野鳥の輸入・販売禁止、密猟の根絶を求める日本野鳥の会の活動を
さらにすすめるため、皆さまのご寄付やご協力をお願いします。
 
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※郵便局振替用紙のご記入方法
郵便局振替用紙記入例
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