西岡水源池と取水塔
西岡水源池は、1909年(明治42年)に旧陸軍が軍用水道施設として月寒川(つきさむがわ)を堰き止めて造ったダム湖です。1971年(昭和46年)に札幌市に移管され、都市公園としての利用が開始されました。それまで人が入ることがほとんどなかったため、豊かな自然環境がそのまま残されました。住宅地に隣接する貴重な場所といえます。ところが1984年(昭和59年)、ここに貸しボート場を作る案が浮上しました。しかし、計画は地域住民、自然保護団体などの反対により中止されました。トンボやホタル(ヘイケボタル)が棲む豊かな自然が残された場所として、1989年(平成元年)に環境省「ふるさといきものの里100選」に選定されました。
春、池の氷が落ちる4月上旬、ほどなくカワセミが渡ってきます。コバルトブルーの姿を、池のあちらこちらで見ることができます。初夏の野鳥繁殖期にはハシブトガラ、シジュウカラなどのカラ類、森のピッコロ奏者と言われるキビタキ、瑠璃色の美しいオオルリ、ほか にクロツグミやアオジなどの夏鳥も加わって、多くの鳥の歌う姿を間近で観察することができます。7月中旬以降は、ハリオアマツバメの群舞も見られます。
池の上流部には湿原とシラカバ林が広がり、車いすも通れる木道が整備されており、鳥の姿や声を楽しみながら巡ることができます。実のなる樹々も多いため、秋冬にはツグミ、ウソ、マヒワなどのほかにエナガの群れもしばしば観察できます。アカゲラ、オオアカゲラ、コゲラに天然記念物のクマゲラも通年で見ることができます。
毎月第1日曜日の午前9時から、日本野鳥の会札幌支部が定例探鳥会を開催しており、一年間で約60~70種の野鳥を記録しています。
札幌市豊平区西岡487-2
川/河原、池、森林、草地
4月、5月、6月、10月、11月
カワセミ、マヒワ、ベニヒワ、イカル、アオジ、ウグイス、オオルリ、キビタキ、センダイムシクイ、ヤブサメ、アカハラ、クロツグミ、コサメビタキ、ニュウナイスズメ、ツツドリ、ハリオアマツバメ、アオバト、ヤマセミ、クマゲラ、カイツブリ
オシドリ、エナガ、カケス、キレンジャク、ヒレンジャク、マヒワ、ウソ、アオシギ
クマゲラ、シジュウカラ、ハシブトガラ、ゴジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラ、キバシリ、アカゲラ、コゲラ、オオアカゲラ、ヒヨドリ、シメ、マガモ
公園の中心部を流れる真駒内(まこまない)川には「さけ科学館」が隣接されており、サケの稚魚放流体験などの催しを開催しています。園内ではカワセミ、ヤマセミやオオルリ、キビタキのほか、キセキレイ、カワガラス、ニュウナイスズメが見られます。南側の山麓沿いには、5月初旬頃に満開のカタクリの花の大きな群落が見られます。遊歩道が多数用意されており、クマゲラやオオアカゲラ、アカゲラ、コゲラなどキツツキ類、ウグイス、センダイムシクイ、エゾムシクイ、ヤブサメやカラ類も見られ、バードウォッチングには最適の場所です。
日本野鳥の会 札幌支部については、以下をご覧ください。