ウトナイ湖は苫小牧市東部に位置する湖ですが、平均水深が1m以浅であり、低湿地帯の中にあることから、イメージとしては沼に近い様相です。「ウトナイ」とはアイヌ語から名づけられたもので、この湖からの流出河川を「ウッナイ(あばら骨・川)」と呼び、ここを「ウッナイト(ウッナイの沼)」と呼んでいたことに由来するとされています。
1982年に国指定鳥獣保護区に定められ、1991年にラムサール条約湿地となり、2006年に東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップの生息地ネットワークに参加した自然環境の貴重な場所です。1981年に(公財)日本野鳥の会によって、我が国初の野鳥のサンクチュアリ「ウトナイ湖サンクチュアリ」が、ネイチャーセンターも含め設置されました。
湖周辺は湿地から森林へと遷移する場所となっており、そこには木道の遊歩道や東屋、観察小屋などが設けられており、訪れた人が気軽に自然と接する環境が整えられています。
日本野鳥の会苫小牧では、おおよそひと月に一度探鳥会を開催しています。春と秋の湖面ではマガンやヒシクイなどの渡り鳥、周囲の森林では夏鳥、冬鳥、留鳥など多様な鳥を、年間を通して観察することができます。日本を代表する水鳥の中継地であるほか、エナガ(亜種シマエナガ)やオジロワシなど北海道を代表する鳥類などを誰もが身近に観察でき、ネイチャーセンターで知識や情報を得ることができる優れた場所であるため、紹介いたします。
北海道苫小牧市植内
湖、森林
1月、2月、3月、4月、5月、6月、9月、10月、11月、12月
マガンやヒシクイ、オオハクチョウなど渡りの途中の水鳥たちが、湖面にひしめく様子を観察することができます。
エナガ(亜種シマエナガ)、ゴジュウカラ、ダイサギ、アオサギなどのほか、オジロワシの姿も年間を通して観察することができます。ほかにも時期によって、カイツブリ、キビタキ、クロツグミ、カワセミ、オオワシなどさまざまな鳥を観察することができます。
「道の駅ウトナイ湖」は、国道36号線沿いに位置した道の駅で、施設内の窓からはウトナイ湖を眺めることができ、ウトナイ湖を一望できる展望台もあります。また、苫小牧市の銘菓や特産品などを購入することができます。
苫小牧西港フェリーターミナルや新千歳空港からも近いため、地元や札幌圏のほか、道外からの観光客も多く連日にぎわっています。
日本野鳥の会 苫小牧については、以下をご覧ください。