浜名湖は、静岡県西部、浜松市と湖西市にまたがる国内十番目の広さの大きな湖で、遠州灘から海水が流れ込む汽水湖となります。全国的には浜名湖といえばウナギの養殖をイメージされる方が多いかと思いますが、汽水湖であるがゆえに水中にはたくさんの種類の生き物が生息しており<静岡県のホームページによれば平成29年まで842種を確認>、野鳥のみならず地域における生物多様性の象徴と言えます。
日本野鳥の会遠江の「遠江(とおとうみ)」とは静岡県の西部地区を指しますが、もともとは浜名湖のことでした。いにしえの時代には、京の都から近い湖である琵琶湖(近江)に対し、遠い湖(遠江)が浜名湖だったという訳です。
広大な湖ゆえに探鳥地があちこちに点在し、冬に訪れる何千羽ものスズガモの群れ、夏には塩水を飲みに来るアオバトとそれを狙ってやって来るハヤブサ、秋には渡り途中のタカやシギ類などなど、四季折々にさまざまな野鳥が観察できます。
日本野鳥の会遠江ではこの浜名湖において、村櫛(むらくし)海岸や細江湖(ほそえこ)<浜名湖北部>での定例探鳥会開催のほか、近隣にある「県営公園浜名湖ガーデンパーク」でのバードウォッチングイベントや写真展への協力、コアジサシの調査や営巣保護活動、年1回の静岡県より委託されるガンカモ・ウ類の個体数調査、年3回の会独自のモニタリング調査を行なっています。
日本野鳥の会遠江は、自然の宝庫であり四季折々でそれぞれ美しい顔を見せてくれる浜名湖を、「未来に残したい探鳥地」として推薦いたします。
※浜名湖周辺で確認された野鳥は205種(日本野鳥の会遠江調べ「バードウォッチングガイドⅡ」より)、うち環境省または静岡県指定の絶滅危惧種は約50種
静岡県浜松市中央区、浜名区、湖西市
湖
1月、2月、5月、8月、9月、10月、11月、12月
ハヤブサ、ミサゴ、オオタカ、アオゲラ、アカゲラ
スズガモの群れ ホオジロガモ、ホシハジロ、オナガガモ、カワアイサ、ミコアイサ、ユリカモメ、セグロカモメ
アオバト、コアジサシ、キアシシギ、キョウジョシギ
浜名湖の周辺には、「はままつフラワーパーク」と「浜名湖ガーデンパーク」の2つの大きな緑花木公園があります。いずれも花や緑を楽しみながら野鳥観察ができます。また同じ浜松市西部には外周約6㎞の小さな湖、佐鳴湖(さなるこ)があり、市民の憩いの場となっています。こちらも年間を通じて100種を超える水辺の鳥や野山の鳥が観察できます。
日本野鳥の会 遠江については、以下をご覧ください。