奥の院御廟
高野山は信仰上の聖地として、世界文化遺産に登録されている山上の宗教都市。その背景となる自然豊かな森は、開山1,200年以上の歴史とともに信仰上の保護林として守られてきたものです。標高900m前後の山岳盆地にあり、地形にともなう寒冷な気候は県下でも特有。山内はスギ、モミ、ツガなどの高木の森林に覆われ、下層の豊かな植物層とともに野鳥の良い生息環境となっており、県下でも有数の多様性豊かな貴重な自然環境として国定公園にも指定されています。
和歌山県伊都郡高野町
森林、山地
4月、5月、6月、7月
高木の多い森林性山地のために、さえずりが盛んな繁殖期の早朝がおすすめ。アオバト、ホトトギス、ツツドリ、カッコウ、アカショウビン、アオゲラ、キクイタダキ、コガラ、ヒガラ、ウグイス、センダイムシクイ、ゴジュウカラ、キバシリ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、イカルなど。
ミズキやカナクギノキなどの実のなる樹には、秋の渡りのツグミやヒタキ類が集まります。トラツグミ、クロツグミ、ツグミ、シロハラ、エゾビタキなど。
高木の針葉樹が多いために、樹幹を飛び廻るマヒワやアトリの群が見られ、ウソやキバシリなども見られますが、寒冷地のために春~夏がおすすめの探鳥シーズン。
高野山の南30kmに位置する「護摩壇山(ごまだんざん)」は「高野龍神国定公園」の一画にあり、ブナ、ミズナラの落葉樹林に覆われた自然豊かな山岳地帯。国定公園の中を縦貫する見晴らしのよいスカイラインを利用して1時間ほどです。和歌山県内の最高峰(龍神岳1,382m)の山項からは、紀伊半島の屋根と称される山々が一望できる、素晴らしい展望場となっています。散策道は縦横にあり、野鳥だけでなく植物や昆虫の宝庫として生物多様性や自然保護の観点からも、大変重要なエリアです。コルリやオオアカゲラ、クマタカなど県内では希少な鳥種が生息しています。
奥の院御廟付近は聖地として撮影は禁止。奥の院周辺は参拝者が多いので、通行の妨げにならないようにしましょう。また、聖地として周辺には立ち入り禁止区域があり、注意が必要です。
日本野鳥の会 和歌山県支部については、以下をご覧ください。