ツバメやシジュウカラなどの野鳥への放射性物質の顕著な影響は見られなかったが、帰還困難区域では、人々の生活が失われたことによって鳥類相に変化が見られた。
20年にわたる東京支部の保全活動から、葛西臨海公園でのカヌー・スラローム会場建設計画が他所へ変更された。同公園は、2018年にラムサール条約湿地に登録された。
カンムリウミスズメは世界でも日本の近海にのみ生息している、絶滅の恐れが高い海鳥。一生のほとんどを洋上で暮らすため観察が難しく、その生態はわかってないことも多くある。日本野鳥の会では、創立75周年を迎えた2009年から保護活動を拡大し活動を続けています。
当会では繁殖成功率を増やすために独自のU字溝製の人工巣を開発。2016年には、世界初、人工巣での繁殖が成功した。写真は、人工巣に向かうカンムリウミスズメ。(無人のセンサーカメラで撮影)
シマフクロウが抱卵や雛を育てる巣として利用する大木の樹洞の減少を補うため、人工の巣箱を設置。この後、2017年、2023年に当会設置の巣箱から、各1羽計2羽のヒナが誕生している。
当会の野鳥保護区の総面積が3,700haを超え、日本最大の民間自然保護区を所有する団体に。
「eBird」は、米国コーネル大学鳥類学研究室が運営する市民参加型の鳥類調査のプラットフォームであり、世界的な野鳥観察情報データベース。その日本語版「eBird Japan」の運営を開始。
衛星追跡により、オオジシギの北海道からオーストラリアの越冬地までの渡りルートを解明。
オオジシギは、夏は主に北海道の草地や本州の山地の草地、ロシアの一部で繁殖し、冬にはオーストラリア周辺で過ごす渡り鳥。環境省版レッドリストでは、本州中部で生息地が減少しているという理由から準絶滅危惧種(NT)。
撮影/髙﨑成人
環境省の「自然共生サイト」に認定された当会の野鳥保護区「渡邊野鳥保護区フレシマ」。
環境省で、渡邊野鳥保護区フレシマの「自然環境サイト」の認定証を受けとる上田恵介会長。(写真/古山隆)
これまで、日本野鳥の会会員と各支部のみなさま、ご寄付をいただいているみなさま、技術面や協定等で協働していただいてる企業のみなさま、各地で自然環境保護にたずさわるみなさまのおかげで、90周年を迎えることができました。誠にありがとうございました。これからも「野鳥も人も地球のなかま」を合言葉に、野鳥と人が健やかにくらせる社会をめざして、活動を続けてまいります。