カラスは昔から人々によく知られている身近な鳥です。一方で、人々とのあつれきもあり、農村部では農作物への被害、都市部ではごみを散らかす、繁殖期に人を威嚇や攻撃するなどの被害が発生しています。ねぐらの近くでは、たくさんのカラスが集まるために鳴き声や糞による被害もあります。人とカラスの生活空間が重なることで起こる摩擦と考えられます。当会ではカラス問題について、さまざまな取り組みを行ってきました。
ここでは、カラス問題とは何か、カラスとの共存に向けて私たちが留意すべきこと、そして、カラスとその仲間について紹介します。
当会では都市部でのカラスの被害(ごみを散らかす・うるさい・襲われるなど)に対して、支部と協力し、カラスの生態やごみ散乱などの被害との関係を調べ、生態系の中でのカラスの役割を把握につとめています。シンポジウムの開催や『自治体担当者のためのカラス対策マニュアル』の作成など、人と共存を図るためには何が必要なのかを考えつつ、この問題に取り組んできました。
当会は、2001年9月に東京都が臨時に編成した「カラス対策プロジェクトチーム」が施策のための報告書をまとめた際に、プロジェクトチームメンバーに対して専門的な立場から講義を行いました。
また報告書に対して、提言をまとめて申し入れました。