公益財団法人 日本野鳥の会

渡邊野鳥保護区フレシマ(わたなべやちょうほごくフレシマ)

タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道根室市 203.7ヘクタール

2005年3月、タンチョウ繁殖地の保護を目的として、法的に保護されていない湿原と草原を渡邊士乃武氏からのご寄付を元に買い取った。タンチョウは1970年代から繁殖している。また、オジロワシが繁殖し、越冬期には多数のオオワシ、オジロワシが採食のために飛来する。

この保護区は根室市の太平洋側に位置し、五本松川とホロニタイ川の下流域に広がる湿原と湖沼、草原で形成され、北海道の海岸線の原風景が残されている。保護区周辺も含めると面積規模も大きいことから、根室半島湿原群として、環境省の「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(重要湿地)」にも選定されている。

草原部分にはエゾゴゼンタチバナをはじめとした希少な植物が多く生育しているので、生物多様性を維持するため、クマザサ繁茂の抑制を目的とした馬の放牧による植生管理を継続している。その結果、現在も希少な植物とそれらを利用する昆虫類が多く見られる。また、タンチョウの繁殖状況のモニタリング調査を定期的に実施している。

写真
根室市の海岸線に広がる湿原と湖沼。海岸線に道路がなく、北海道の原風景が残されている。

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