都内で撮影されたオオタカ(都市鳥研究会提供)
2014年3月9日(日)、都市鳥研究会、日本野鳥の会東京、立教大学理学部の共催、(公財)日本野鳥の会後援で「東京オオタカ・シンポジウム」を開催しました。
オオタカは、絶滅の恐れのある野生生物を保全する「種の保存法」で国内希少野生動植物種に指定されていますが、第4次環境省版レッドリストで、第3次に引き続き準絶滅危惧種(VU)とされたことから、環境省では指定解除に向けての検討にとりかかっています。
このシンポジウムでは、首都圏各地のオオタカの実態を報告していただき、今後予定されているオオタカの指定解除の動きやパブリックコメントについて考えるための情報を明らかにしようというものでした。
シンポジウムでは、東京都、埼玉県、神奈川県の行政担当者や調査に関わっている方から、それぞれの地域での繁殖状況について報告をいただきました。オオタカはかつて密猟が横行していた時代があり、また写真愛好家のターゲットにもなりやすいことから、その情報の多くは伏せられてきましたが、今回のシンポジウムでは、位置の情報は伏せながらも各地での繁殖の状況を共有することができました。
またこれらの自治体では、種の保存法に対応して、それぞれ条例などで保護の取り組みを行なっていることが紹介されました。それぞれの地域で、地域の状況を把握し、保護を実現させる条例等の活用がなされて行くことの重要さを実感できました。
現在、環境省では引き続き解除についての検討を進めていますが、会場からの声では、オオタカが各地の開発行為の抑制に果たしている役割や生態系の保全の視点から、解除は慎重にとの意見が多く出されました。日本野鳥の会では、環境省の方針が固まる今年の秋に公開での議論の場を設ける予定です。
東京都内でのオオタカの繁殖状況について
山口 孝 氏(東京都環境局多摩環境事務所)(PDF 676KB)
埼玉県におけるオオタカの生息状況と保護対策
野澤 裕子 氏(埼玉県環境部みどり自然課)(PDF 237KB)
神奈川県におけるオオタカ保護の現状と課題
川手 隆生 氏(神奈川野生生物研究会)(PDF 441KB)
西多摩地区:御手洗 望 氏(青梅自然誌研究グループ)(PDF 180KB)
西多摩地区:境原 達也氏(東京オオタカ保護連絡会)(PDF 116KB)
北多摩地区:板谷 浩男 氏(㈱ 緑生研究所)(PDF 120KB)
東京23区:高橋 嘉明 氏(日本野鳥の会東京)(PDF 123KB)
パネリスト(敬称略)
川手 隆生(神奈川野生生物研究会)
金 井 裕(日本野鳥の会 参与)
辻村 千尋(日本自然保護協会 保護・研究部主任)
葉山 政治(日本野鳥の会 自然保護室長)
上田 恵介(立教大学 理学部教授)
司会:川 内 博(都市鳥研究会 代表)
平成25年6月3日
オオタカの国内希少野生動植物種(種の保存法)からの指定解除の検討に関する意見の募集について(パブリックコメント)
平成25年7月17日
オオタカの国内希少野生動植物種(種の保存法)からの指定解除の検討に関するパブリックコメントの結果概要(中央環境審議会自然環境部会 野生生物小委員会資料)
6/3付パブリックコメントへの意見(PDF 150KB)
6/3付パブリックコメントへの意見(PDF 234KB)
7/2付パブリックコメントへの意見(PDF 166KB)