2003年の夏には国内の14ヶ所で越夏する個体が見られ、重複が無いと考えられる最大数で約26羽が確認されました。このことから越夏する個体についても調査が必要であると考えられたため、日本クロツラヘラサギネットワークと合同で情報収集を始めました。
この結果は以下の図にある通りですが、2003年、2004年には少なくとも20羽の越夏個体が見られたのですが、2005年には6羽しか見られませんでした。はっきりした理由は分かりませんが、越夏する個体には若齢個体が多いこと、また若齢個体は渡りの途中の中継地で越夏することが知られていることから(Ueta 2002)、繁殖能力の無い若齢個体がたまたま日本を越夏地として選んだのか、もしくは2003年および2004年に繁殖成績が良かった可能性も考えられます。
このように越冬情報だけではなく、越夏情報を集めることでクロツラヘラサギの生態をより深く理解することが可能となります。しかしながら全国の情報をすべて集めるのは難しく、ここにある情報がすべてではないと思います。
ここにある情報以外に情報をお持ちでしたら、自然保護室( E-mail:[email protected] )までご連絡ください。