公益財団法人 日本野鳥の会

西予市の小学校で「ツル・コウノトリから学ぶ地域学習 ~田んぼ編~」を実施しました(愛媛県 西予市)

2019/08/05

梅雨が明けて、本格的な夏がやってきました。田園地帯では、田んぼの緑がますます濃くなっています。

さて、田んぼがお米を作るための場所であることはみなさんご存知かと思いますが、他にもさまざまな役割や機能をもっています。その一つが、「生きものの生息地である」ことです。トンボやカエル、ドジョウなどさまざまな生きものがいますが、ナベヅルやマナヅル、コウノトリといった鳥類もその一つです。先月末、ツル・コウノトリの保全活動の一環として、これらの野鳥が飛来する愛媛県西予(せいよ)市の小学校で、6月末に田んぼの生きものすみかとしての機能について授業を行ないました。

『今日はコウノトリも食べるオタマジャクシとタニシについて勉強します』と言うと、『ふーん・・(フツー)』という顔をする子どもたち。しかし、絵を描いてもらうと、自信をもって描いている子はおらず、身近な生きものでも意外と知らないことに気がつきます。

そこで、田んぼに行って実物を観察しました。オタマジャクシと一口にいってもいろいろな種類があって「アマガエルのオタマジャクシは離れ目だけど、ヌマガエルのオタマジャクシは寄り目」とか、「在来種のマルタニシに比べて、外来種のスクミリンゴガイ(通称:ジャンボタニシ)は、殻の巻の幅が大きい(リンゴみたい)」など、『へぇー』がいっぱい。

田んぼで実物観察
タニシとオタマジャクシ以外にも、カブトエビやドジョウ、ヤゴ(トンボ)などもいました。

違いが分かると、色んな生きものが暮らしていること(生物多様性)が見えてきます。また、興味がぐっと湧いてくるので、観察後のスケッチは、みんな真剣。スケッチも観察前とは違って、しっかり特徴をとらえたものになっていました。

ジャンボタニシ
スクミリンゴガイ(左)とマルタニシ(右)。学校周辺の地域では、まだスクミリンゴガイは確認されていません。

スケッチをするこども

この小学校では、毎年、当会や市役所、日本野鳥の会愛媛が共同で、「ツル・コウノトリから学ぶ地域学習」を実施しています。今年度は1~6年生を対象に、あと8回程度行う予定です。

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