公益財団法人 日本野鳥の会

水田の生物多様性を保全する取り組み -ナベヅルのえさばづくり-(徳島県 阿南市・小松島市)

2019/11/17

先日、徳島県での「生きもの“も”すみやすい田んぼづくり」をご紹介しましたが、この冬は、ナベヅルが食べものを取りやすいよう、稲刈り後の田起こしを一部、春まで延期することにしました。

秋に日本に渡ってきて、里地で冬を過ごすナベヅルは、「落穂」(稲を刈ったときに圃場におちる稲)や「二番穂」(稲刈り後にもう一度実る稲)を食べます。

この地域では、毎年稲刈りが終わるとすぐにトラクターで田んぼを起こして、稲わらを田んぼの土の中にすきこむのですが、そうすると「落穂」もすきこまれてしまい、「二番穂」も実りません。

農法や田んぼの管理は農家の方々が長年、試行錯誤して決めた方法なので、そう簡単に変えることはできません。ですから、当初は「田んぼ1、2枚でもやっていただければいいな」と思っていたのですが、なんと60枚(大きさは大小さまざま)も取り組んでいただきました!

まだツルはやってきていませんが、アトリやホオジロなど他の鳥や生きものも使えるかもしれません。これから様子を見てみたいと思います。

田んぼの真ん中に数列残す方もいれば、虎刈りのように残した方も。ちょっと遊び心を出して田んぼアートにしてもいいかも?(画像提供:太田川土地改良区)

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