公益財団法人 日本野鳥の会

2010年度ツル越冬地整備

長浜干拓地ではデコイの設置だけでなく、以下のような越冬地整備が今年度も行われています。当会はこうした活動にアドバイスを行い、サポートしています。

(1)なわばり争い防止のためのネット設置
過去の観察結果から長浜干拓地へ飛来したツルが、後から飛来したツルを追出す行動が多く観察されたため、長浜干拓地の中央にネットを設置しました。これはツルがお互いの姿を常時見ることを防ぎ、なわばり争いを軽減させる目的で設置します。
今年度は昨年度より高くし、色を黒くして、よりお互いを見えにくくするようにしました。


(2)監視小屋の設置
干拓地の入り口には、伊万里市により監視小屋が設置されています。ここは伊万里鶴の会の皆さんのツルの観察や訪問者への案内などの活動の拠点になっています。また来訪者の案内のために、当会の寄贈した望遠鏡が役立てられています。これは当会会員からご寄付いただいたものです。


(3)ねぐら整備
水田に水をはって、ツルたちが夜を過ごすためのねぐらをつくっています。ツルたちは回りが見渡せる、浅い水の中にねぐらをとります。越冬したツルだけでなく、渡りの途中で立ち寄ったツルもこの水田でねぐらをとります。また、カモやガンなどの野鳥も数多く飛来しています。


(4)稲の刈り残し
ツルのエサとなるように、刈り残した水田を長浜干拓地内に設けています。


(5)音声装置の設置
上空を通過していくツルたちに、長浜干拓地の安全性をアピールするため、ツルの鳴き声を再生するスピーカーシステムを設置しています。このスピーカーシステムは伊万里西ロータリークラブが伊万里市にご寄贈くださったものです。今年度は設置前にツルが飛来したため、音声を流すか検討中です。


(6)遮光ネットの設置
ツルが夜間、自動車のヘッドライトに驚かされず安心してねぐらを利用できるように、遮光用の寒冷紗(かんれいしゃ)を設置しています。


(7)立入り制限と銃猟規制
ツルたちが安心して越冬できるように、長浜干拓地は、2004年11月から特定猟具使用禁止区域(銃猟禁止区域)になりました。
また、長浜干拓地の地権者の皆さんの協力を得て、ツル飛来時には干拓地への立入りを極力しないよう制限しています。
立入り制限期間は 11月1日から2月28日(バリケード設置は11月15日)です。皆様もご協力をお願いします。


(8)伊万里市上空の飛行制限のお願い
伊万里市上空を飛行するヘリコプター等の音を怖がって越冬中のツルが飛び立ったことがあったため、上空を飛行する関係機関・団体に対し、緊急な場合を除き、冬期はなるべく伊万里市上空を避けて飛行していただくよう、伊万里市からお願いしています。

自然保護活動のご支援を お願いします!
  • 入会
  • 寄付