英名 Hooded Crane
学名 Grus monacha
体長約100cm。中国東北部とロシアの境を流れるアムール川流域や、それより北の地域で繁殖し、秋・冬は西南日本や韓国南部、中国揚子江流域などで過ごします。世界の生息数は1万4千~6千羽程度と推定されており、鹿児島県の出水地域ではその8割から9割にあたる1万3千羽程度が越冬しています。
繁殖地は山沿いや谷部にあるコケの多い湿原で、そういった小規模の湿原は広い山地帯に点々とあるために、繁殖地の分布や生態はあまりわかっていません。
越冬地は里地に飛来し、主に水田で、落穂や草の種子や根茎、小動物を食べます。本来は、やや乾いた湿地や湿田を利用しますが、現在はそのような場所は開発や圃場整備により、ほとんど見られなくなっています。
繁殖期は最大2個の卵を産みます。基本的に繁殖期も越冬期もつがいや家族(つがいとその年に生まれた子ども)で過ごします。環境条件によっては、越冬期は数十羽の群れを形成します。夜間は、河川の中州や河口干潟、ため池の浅瀬など、ある程度開けた環境の水辺でねぐらをとります。
日本には10月中下旬から飛来しはじめ、3月まで越冬します。
英名 White-Naped Crane
学名 Grus vipio
体長約130cm。分布や生態はナベヅルと似ていて、アムール川流域やモンゴル北東部で繁殖し、朝鮮半島や西南日本、中国揚子江流域などで越冬しています。世界の生息数は6千~7千羽程度と推定されており、出水ではその5割前後にあたる3千羽程度が越冬しています。
繁殖地はヨシなどが茂る大規模な湿原で、越冬環境はナベヅルよりも湿った湿地を好みます。また、ナベヅルよりも開けた環境を好むため、干拓地のように広い水田地帯を利用します。
日本には11月から飛来しはじめ、2月まで越冬します。