公益財団法人 日本野鳥の会

チュウヒに会いたい:マナーを守って観察撮影しよう

チュウヒは、冬になると全国のヨシ原に渡来し、また開けた環境に生息することから観察がしやすいタカの1種です。ただし、チュウヒは個体数が少ないだけでなく大変神経質なため、極力影響を与えない観察が推奨されます。

会いに行く前にマナーを確認

チュウヒの観察の際に問題になるのは、チュウヒを近くで見たいがために、巣やねぐらのあるヨシ原や草原に近づきすぎてしまうことです。ただでさえ個体数の少ないチュウヒですので、人による妨害の結果、個体数をさらに減らしてしまう事態は絶対に避けなればなりません。

チュウヒの越冬地のひとつ諫早干拓
チュウヒの越冬地のひとつ諫早干拓。周辺には農耕地や民家がある。

当会の調査風景写真
当会の調査風景写真

チュウヒは、農耕地や河川敷の公園など人の生活圏の近くで見られることもあります。このような場所で観察する際、私有地や立入禁止区域などに無断で進入したり、農道を痛めてしまうなどの恐れがあります。必ず観察する場所がどのようなところか確認し、さらに地域住民の方々に迷惑をかけないように観察を楽しんでいただきたいと思います。

当会のチュウヒ繁殖状況調査では、基本的に車内から観察を行います。場合によっては、車の窓にカーテンを張ってその隙間から観察し、観察者の姿がチュウヒに視認されないよう努力をしています。また、観察中は、チュウヒが利用する草原から十分な距離をとり、短時間で行います。もちろん、チュウヒの警戒行動(急に飛行の向きを変えるまたは警戒声を発する等)が見られた場合は、すぐに観察を中断し立ち去るようにしています。

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【コラム】観察・撮影圧によるチュウヒの繁殖放棄

とあるチュウヒの繁殖地で、連日居並ぶ写真撮影者の影響により、チュウヒが繁殖を放棄してしまった事例を確認しました。

このチュウヒのつがいは、道路からの距離が割と近い場所の草原で繁殖を始めたのですが、それが発見されるとすぐに写真撮影者たちが周辺都市などからも通ってくるようになり、連日のようにカメラの放列が朝から晩まで並ぶ事態となりました。

そうなってからは、オスがエサを巣にもち帰る頻度が徐々に下がり、さらにカメラマンが増えると、とうとうエサを運んでこなくなりました。これは雛が餓死するなどで繁殖放棄が生じたのだと考えられます。

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