現在、世界的に海洋における生物多様性の危機が課題となっています。海は、海洋汚染、地球温暖化、乱獲などによって傷つき、海の生物多様性が失われています。
海鳥であるカンムリウミスズメもまた、推定個体数は5000羽程度と極めて少なく絶滅危惧2種に指定されています。カンムリウミスズメの減少の要因には、釣り人が残したゴミに誘われたカラスやネズミ類による卵やヒナの捕食、また油の流出事故などの海洋汚染があります。
そこで、カンムリウミスズメ保護の取り組みをテーマにしたロゴマークを制作し、コピーは海に思いを寄せ、母なる海を大切にということから、「Amour de la mer」(アムール・ドゥ・ラ・メール「海に愛を」)にしました。イラストは、『野鳥』誌のエッセイのコーナーでお馴染みの絵本作家の村上康成さんの作品です。
個人で楽しむ場合ほか、営利を目的としない場合において媒体を問わず、ご自由にダウンロードしてお使いいただけます。
ロゴをそのまま、又は二次加工したものを再配布・販売することは禁止します。
ロゴマークに続き、この度、ポスターが完成しました。デザインは、国際グラフィック連盟(AGI)会員の松井桂三さんの作品です。
カンムリウミスズメは日本近海の限られた離島にしか生息しないため、一般の人がその姿に接する機会はほとんどありません。
知らぬ間に絶滅してしまう恐れがあることから、カンムリウミスズメという存在を知ってほしいという思いをポスターで表現しました。
巣立ち後、広い海に旅立っていくカンムリウムスズメの親子。私たちが保護の手を差し伸べることができなかったら、消えてしまうかもしれない。デザインにはそのようなメッセージをこめています。
松井桂三(まつい・けいぞう)
1946年広島市出身。大阪芸術大学大学院教授。ドラマティカ有限会社アートディレクター。東京アートディレクターズクラブ会員。日本を代表するグラフィックデザイナー。広告、パッケージなどのデザインにとまらず、彫刻をはじめ幅広い分野で活躍。日本パッケージデザイン大賞金賞など、受賞多数。www.keizomatsui.com