JP126 児島湖・阿部池(こじまこ・あべいけ)
岡山県:岡山市、玉野市
位置 |
N 34°35′ E 133°57′ |
面積 |
1,000ha |
環境構成【人工干潟】
写真:岡山市デジタルミュージアム
岡山市と玉野市にまたがる児島湖は面積約10.88㎢、最大水深5.4m、平均水深1.9m、締切堤防の総延長 1,558mである。1962年に児島湾の一部を締切堤防によって海水を遮断して淡水化した人工湖である。ダム湖を除いた人造湖としてはオランダのアイセル湖に次ぐ世界で2番目の広さを持つ。1975年当時は生活排水などの問題でCOD(化学的酸素要求量)値が11~12ppm程まで悪化した。流域の下水道整備を行うと共に、人工ヨシ原を作り、湖底のヘドロ浚渫工事などを行い、2008年にはCOD値が8.1ppm程度まで下がった。それでもまだ、湖水の環境基準値であるCOD値5ppmを大きく上回っている。地域住民を含め水質改善に取り組んでいる。冬期のカモ渡来数は20,000羽を数え、岡山県下最大の渡来地である。
選定理由
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
保全への脅威
- 児島湖へ流入する河川の水質悪化問題
流域面積543.7k㎡(岡山県の1/13の面積)、流域内の人口62.6万人(岡山県の1/3の人口)が関与する湖の水質問題である。
- カワウによる生息魚類への影響が懸念される(繁殖地が近接)
冬季には2,000羽を超えるカワウが近くにねぐらを構えている。
漁業への影響が多大である。
- 児島湖・阿部池の中で阿部池の西側の水面全体に水上ソーラーパネルが設置された。
保全活動
- 環境管理:実施者(岡山県)
内容:児島湖流域水質保全基金を設け「児島湖畔環境保全アダプト制度」で17団体が参加して、草刈や浮遊ゴミの回収、湖岸にハナショウブやヨシの植栽等を行っている。
- 外来種のコントロール:実施者(岡山県)
内容:岡山県の外来種対策として、ブルーギルやオオクチバスのリリース禁止等のパンフレットを作成して広報に努めている。また、ヌートリア捕獲チームを編成して捕獲に努めている。
- 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会岡山県支部、児島湖流域エコウェブ)
内容:地域の皆さんや学校教育の中で探鳥会を開催して野鳥の生息状況を説明している。エコウェブは、清掃活動や水質検査調査などを地域の子供たちと行う。
- 保全のための人材育成活動:実施者(日本野鳥の会岡山県支部、児島湖流域エコウェブ)
内容:地域の方々と共に自然環境を観察し、状況について考える機会を作っている
- 法律制定、政策、規制:実施者(岡山県、岡山市)
内容:平成3年に岡山県児島湖環境保全条例を制定。平成19年に「児島湖の長期ビジョン」を制定。第6期湖沼水質保全計画(平成23年から27年)」を制定
「児島湖水辺環境整備基本計画」を策定
- モニタリング調査:実施者(日本野鳥の会岡山県支部、児島湖流域エコウェブ)
内容:日本野鳥の会によるガンカモ生息調査年2回実施。エコウェブによる水質監視活動
- その他:
内容:児島湖周辺に4,000本を超す河津桜を植樹して花回廊を作っている。春には多くの市民が訪れる。(児島湖花回廊事務局)
- 児島湖クリーン基金の助成(岡山市)
- 水質浄化活動などの環境改善問題への取り組み(児島湖21県民の会)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 605KB)
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