JP117 琵琶湖(びわこ)
滋賀県:長浜市、米原市、彦根市、東近江市、近江八幡市、野洲市、守山市、草津市、大津市、高島市
位置 |
N 35°15′ E 136°05′ |
面積 |
72,224ha |
環境構成【湖沼】
写真:森田尚
滋賀県の面積の6分の1(670k㎡)を占める日本最大の湖であり、ほぼ県全域を集水域に含む。琵琶湖大橋を境に北湖(面積613k㎡、平均水深43m)と南湖(面積57k㎡、平均水深4m)に分かれるほか、周囲に内湖と呼ばれる浅い沼沢地が点在し、相互につながりをもった生物の住み場所となっている。環境要素は深く広大な沖帯と浅い沿岸帯に分かれ、沿岸帯はヨシ群落などの水生植物帯、砂浜帯、岩礁帯、人工護岸など多様である。周囲の環境も農耕地、森林、都市などと多様で、大小合わせて約460本の河川が流入し、大きな安曇川、姉川、愛知川、野洲川の河口には砂州が発達している。湖内には5つの島(沖島、竹生島、多景島、沖の白石および人工の帰帆島)がある。選定理由のカモ類は冬期に主に沿岸帯を利用し、岸から沖合い1~2kmまでの比較的浅い水域に多く、特に沿岸にヨシなどの水生植物帯が発達した水域に集中した分布が見られる。周囲の内湖もカモ類にとって重要な生息場所である。
選定理由
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国定公園(琵琶湖国定公園)、自然環境保全地域
<その他>
ラムサール条約登録湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地
保全への脅威
- 人口増加や産業活動の増加に伴う湖への汚濁負荷の増加と水質の変化
- 過去に行われた内湖干拓、ヨシ群落の埋め立てと湖岸堤の建設による湖内生態系の変化
- 河川からの砂供給減少などにともなう湖岸侵食、ヨシ群落の衰退
- 林業の衰退に伴う集水域の森林荒廃
- 地球温暖化に伴う湖水温の緩やかな上昇、冬~春季の全循環への影響を通じた深層部への影響
- 梅雨や台風時の大雨に伴う水位の自然上昇と洪水調整のための人為的な水位操作による急激な水位の変動
- 外来種の影響(オオクチバス、ブルーギル、ミシシッピーアカミミガメ、オオカナダモ、コカナダモ、オオバナミズキンバイ、ナガエツルノゲイトウ、オオフサモ、アゾラ等)
- 琵琶湖南湖における沈水植物の過剰な繁茂とそれに伴う底層の貧酸素化による魚類、底生動物の生息環境の悪化。(汚濁負荷削減対策が実行され、湖の透明度は上昇しているが、人為的富栄養化が進行した過去の時代に湖底に蓄積した栄養塩は残っており、沈水植物が過剰繁茂しやすい条件になっている。過剰繁茂した沈水植物は水流を停滞させ、底層の貧酸素化、底質の泥化を引き起こしている。)
- 南湖周辺部での都市化に伴う農地、ため池等の宅地化
- マナーの悪い野鳥カメラマンの増加
- 釣り人による釣針、釣糸の放置
- 水上バイクやバス釣り、水上スキー、ウィンドサーフィン、カヌー、超軽量飛行機、エンジン付パラグライダー等のレジャーの増加
保全活動
- 環境管理:実施者(県、財団法人、漁業者の活動組織等)
内容:過剰繁茂した沈水植物の刈り取り
琵琶湖自然再生事業(ヨシ群落・砂浜再生)(滋賀県)
- 外来種のコントロール:実施者(県、漁業者の活動組織、環境NPO等)
内容:オオクチバス、ブルーギル、オオバナミズキンバイ、ナガエツルノゲイトウの駆除
- 環境教育活動:実施者(県、市町、独立行政法人、環境NPO、日本野鳥の会等)
内容:小学校での環境学習、自然観察会、探鳥会の開催等、各主体がそれぞれに多数開催している
- 保全のための人材育成活動:実施者(県)
内容:マザーレイクフォーラム「びわコミ会議」
- 法律制定、政策、規制:実施者(国、県)
琵琶湖の保全及び再生に関する特別措置法が2015年9月16日に成立
マザーレイク21計画(琵琶湖総合保全整備計画)を2000年3月に策定
- モニタリング調査:
内容:ガンカモ類等生息状況調査(滋賀県)
琵琶湖、内湖、溜池等の一斉水鳥調査(日本野鳥の会滋賀)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 964KB)
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