JP145 氷川河口・不知火(ひかわかこう・しらぬい)
熊本県:宇城市、八代市、氷川町
位置 |
N 32°37′ E 130°37′ |
面積 |
1300ha |
環境構成【干潟】
写真:高野茂樹
熊本県央から少し西にあたる宇土半島の基部に位置し、北は大野川と砂川が流れ込む干潟であり、南は氷川が流れ込む干潟となっている。その間の不知火干拓は畑地が主で、以前には他に水田やハス田、牧草地、クリーク等があり、水田では稲やイグサが栽培されていた。しかし、近年は牧草地が消滅し、イグサ田も減り、不耕作田が増えている。干拓地には目立つ立ち木はなく、河口部にも林と言えるほどのものはない。干潮時には、各河川の河口部に広い干潟が出現し、シギ・チドリ類の他、カモ類、カモメ類、サギ類、カイツブリ類、ウ類、タカ類、ハヤブサ類の採餌や休息の場所となっている。
選定理由
A1 |
クロツラヘラサギ・ズグロカモメ |
A4i |
クロツラヘラサギ・キアシシギ・チュウシャクシギ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
保全への脅威
- 氷川河口から3km上流の中洲は越冬するクロツラヘラサギのねぐらとなっていたが、100mほど下流に鉄橋が造られ九州新幹線が営業運転を行っている。その為、緊急避難時を除いて平時の越冬数は減少している。
- 大野川河口域で外来植物スパルティナ・アルテルニフロラが増殖しており、群落が25ヶ所ほどに増えて面積も広がっている。
保全活動
- 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会熊本県支部、八代野鳥愛好会)
内容:探鳥会
- 外来種のコントロール:実施者(熊本県)
内容:今後において、スパルティナ・アルテルニフロラ群落の除去作業を検討中
- 法律制定、政策、規制:実施者(熊本県)
内容:鳥獣保護区の解除
- モニタリング調査:
内容:モニタリングサイト1000調査(シギ・チドリ、クロツラヘラサギ、ズグロカモメ、ツクシガモ)、ガンカモ調査(八代野鳥愛好会、 日本野鳥の会熊本県支部)
クロツラヘラサギ・ズグロカモメの一斉調査(日本野鳥の会熊本県支部、八代野鳥愛好会)
- その他:
植生試験が行われている対岸のヒルギ群落は以前に霜害で大半が枯死したが、その後に実生なのか新たに植え付けられたものなのか、僅かに生育が見られていた。近年になりその生育面積は少し拡大している。(熊本県立芦北高校林業課)
クロツラヘラサギの休憩地である氷川の中洲にデコイ3体を設置し、以前のような利用を促している。(日本野鳥の会熊本県支部)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 717KB)
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