JP049 三陸海岸南部(さんりくかいがんなんぶ)
宮城県:気仙沼市
位置 |
N 38°49′ E 141°35′ |
面積 |
140ha |
環境構成【浅海域】
写真:竹丸勝朗
リアス式海岸。沈降海岸で溺れ谷型の湾入が一般的。海、岩礁、島、崖、磯浜海岸、砂浜海岸、クロマツ海岸林、落葉広葉樹、二次林、常緑針葉樹、植林、耕作地、市街、集落、漁港。
急峻な崖を伴う岬と急深の、陸に向かって細くなる湾がセットになっている地形が多い。海岸線のほとんどは露岩や岩磯でその前面や間に狭小な礫浜が挟まれているのが普通。比較的大きな川が流入する海岸には水田などに利用されている低平地があり、クロマツの植栽による薄い海岸林を介して砂浜海岸になっている所もある。
気仙沼市には比較的広い湾入になり砂浜海岸と岩磯が交互に現れる地域がある。気仙沼市本吉町大谷、大谷海岸から気仙沼市階上地区に続く御伊勢浜、御伊勢崎にかけて、海沿いの低平地は主に水田などの農耕地として利用され、小高い部分や道路に沿って集落がある。湾内では各種水産物の養殖が盛んで養殖いかだが多数設置され、海沿いの集落近辺には中小の漁港が整備されている。
選定理由
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<保護指定の内容>
国立公園(三陸復興)、都道府県立自然公園(県立自然公園気仙沼)、自然環境保全地域
保全への脅威
- 堤防建設計画(高さ7.2m)
2011年3月の東日本大震災に伴う、地盤沈下と津波による防波堤の破壊があった。(現在、砂浜は消失し、小石の渚になっている。)
*日本野鳥の会宮城県支部では、防災堤防によるコクガン生息への影響を懸念し、堤防位置を陸側に設置すること、堤防前面に砂浜を残すこと、淡水の流れ込みを残存すること、また、工事施工に関して、コクガンの渡来時期に現地工事を行わないこと、コクガンの飲水、上陸行動を阻害する早朝の工事は行わないことの内容で、宮城県知事宛に要望書を提出した。宮城県からは具体的な内容の問い合わせと、要望に添って工事を進めるとの回答があった。
*コクガンは10年以上前から、御伊勢浜だけではなく、気仙沼湾から北上川河口にかけての南三陸海岸に広く分布している。
- 沿岸海上では差し迫った脅威はないと思われる。
- 過去の調査では、コクガンが御伊勢浜に開口する細流から淡水を摂取したり淡水で水浴びする行動が観察されている。この様な淡水の供給が人為的に変更された場合、コクガン越冬地としての機能が低下する可能性がある。
- 現在沿岸養殖漁業が盛んだが、沿岸漁業形態が大きく変化するとコクガン生息にも影響を与える可能性がある。
保全活動
- 環境管理:実施者(牡蠣の森を慕う会(唐桑町))
内容:河川流域での植林など
- 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会宮城県支部)
内容:探鳥会
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 674KB)
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