JP116 大峰山脈・台高山脈(おおみねさんみゃく・だいこうさんみゃく)
三重県:松阪市、尾鷲市、熊野市、紀北町、大台町
奈良県:五條市、川上村、天川村、十津川村、下北山村、上北山村、東吉野村
位置 |
N 34°11′ E136°07′ |
面積 |
40,000ha |
環境構成【森林】
写真:福田和夫
主に古生代、中生代の水成岩などから成る関西を代表する山岳地帯。
大峰山脈は、山上ケ岳~大普賢岳~弥山~釈迦ケ岳~涅槃岳と連なり、峻険な峰々と深い谷からなる。亜高山帯の針葉樹林や切り立った岩場もみられる稜線は,古くから修験道の道場として有名。
台高山脈は、大台ケ原一帯から国見山に連なる。大台ケ原は、標高1,500m前後に広がる非火山性の隆起準平原で,広大なブナやトウヒなどの原生的な樹林が残っている。(参考:吉野熊野国立公園の概要)
選定理由
保護指定
サイトの大部分(50~90%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(大台山系)、県指定鳥獣保護区(白川又)、国立公園(吉野熊野)、国定公園(室生赤目青山国定公園)、自然環境保全地域、保護林
保全への脅威
- 観光によるオーバーユース問題。踏み込みによる植生への影響
シカの食害による樹木の枯死が目立つ。三重県では今年度から5年間特定鳥獣保護管理計画(ニホンジカ)を策定し、県内全域でオス、メスが狩猟できることになった。
- 台風など自然災害による倒木、土砂崩壊(林道)
- ソウシチョウが増え、ウグイスとほぼ同数の場所もある
- 地球温暖化による積雪量の減少や狩猟圧減により、ニホンジカが激増するという現象が近年起こっている。シカの食害が下層植生の消滅という事態を招き、繁殖地をスズタケ植生地に依存しているコマドリが繁殖出来なくなっており、その生息数の減少が顕著となっている。
保全活動
- 環境管理:実施者(環境省)
内容:「大台ケ原自然再生事業」
吉野熊野国立公園大台ケ原地区特別保護地区703haを対象に、平成14年から大台ケ原自然再生事業を実施。具体的には下層植生回復の為に防鹿柵63haの設置やニホンジカの捕獲を行っている。
立ち入らないようにロープを張る、日の出ヶ岳~正木ヶ丘の木道整備(環境省、奈良県)
- 法律制定、政策、規制:実施者(環境省)
内容:特別保護地区703haのうち約450haの西大台を利用調整地区として指定し、平成19年から立ち入り人数の制限を行っている。
- モニタリング調査:
内容:平成17年制定の「大台ケ原自然再生推進計画」に基づき、自然再生事業に必要な植物・動物の詳細なモニタリング調査を実施中。特にニホンジカの生息数調査を綿密に行い捕獲数の把握に役立たせている。(環境省)
随時調査(自然史の会 三重県)
- 外来種(および問題ある在来種)のコントロール:実施者(奈良県)
内容:特定鳥獣保護管理計画によるニホンジカの個体数管理
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 810KB)
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