神子元島
環境構成
神子元島は、伊豆半島の沖、下田港から約10㎞にある、周囲約4㎞、標高33mの無人島である。樹木は無く、一部にスゲ類などの草本類が茂る。島の中央には、文化財にもなっている神子元島灯台と石垣などの灯台の付属施設がある。周辺海域は岩礁が多く、釣りやダイビングのスポットとして知られる。カンムリウミスズメの繁殖が確認されているが、近年は営巣数が減少していると考えられる。
海鳥の繁殖地の保護指定
繁殖している海鳥
カンムリウミスズメ
海鳥・海洋保全への脅威
- 神子元島で繁殖しているカンムリウミスズメの採餌海域で洋上風力発電の建設計画があり、生息地放棄が懸念される。
- 釣などで訪れる人が残した食べ物や撒き餌などのゴミが、元々は島にいなかったカラス類を誘致し、カンムリウミスズメを捕食、個体数減少の一因となっている。
- カンムリウミスズメの営巣地への人の立ち入りによる繁殖かく乱が懸念される。
保全活動
- 環境管理:実施者(公益財団法人日本野鳥の会)
内容:カンムリウミスズメの営巣環境を回復するため2010年より人工巣の設置に取り組んでいる。
- 環境教育活動:実施者(下田市、公益財団法人日本野鳥の会)
内容:下田市教育委員会が、(公財)日本野鳥の会に依頼し神子元島の自然とカンムリウミスズメの保護活動についての講演を開催
- モニタリング調査:実施者(公益財団法人日本野鳥の会)
内容:カンムリウミスズメの人工巣の利用状況調査、上陸しての繁殖状況調査、洋上での個体数調査を実施