隠岐諸島は島根半島の北、約40㎞から80㎞沖にあり、島後島、知夫里島、西ノ島、中ノ島の4つの有人島と多数の無人島からなる。オオミズナギドリの集団繁殖地として、星神島(西ノ島町)と沖ノ島(隠岐の島町)が国指定、大波加島(知夫村)が県指定の天然記念物になっている。また、白島、松島、二股島、大森島でもオオミズナギドリが繁殖している。急峻な星神島では、カンムリウミスズメ、ヒメクロウミツバメの繁殖も確認されている。
周辺海域は、対馬暖流とリマン寒流が流れ、好漁場として知られ、イワシ、アジ、サバ類など回遊魚を対象としたまき網漁業を中心に、カニ類、イカ類、定置網漁等が行なわれている。磯釣りや船釣りに多くの人が訪れるほか、ヒオウギ貝、イワガキなどの養殖が行なわれている。
大陸の一部であった時代から、海の底や湖の底にあった時代、火山活動による隆起、本州と陸続きになった時代を経て、現在は本州(島根半島)と隔離されており、オキサンショウウオなどの固有種が生息し、北方系のオキシャクナゲやオオイワカガミ、大陸から入ったトウテイランやチョウジガマズミ、南方系のナゴランやヒトモトススキなど地域を特徴づける植物が見られる。特徴ある自然景観や地形をもとに、2012年には世界ジオパークの一つ「隠岐世界ジオパーク」として登録された。
カンムリウミスズメ、ヒメクロウミツバメ、オオミズナギドリ