マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas: 海鳥の重要生息地)は、海洋における食物連鎖の上位に位置する海鳥を指標とすることで、生物多様性や環境保全において重要な海域を選定しています。現在、混獲(漁業で対象とする魚種以外の種が一緒に捕獲されてしまうこと)や繁殖地での捕食圧、海洋汚染などにより海鳥の個体数が激減するなか、海鳥の繁殖地だけでなく、海鳥の生活にとって重要な海域を選定し、保全対策を進めることが早急に求められています。マリーンIBAの選定は、海鳥と海洋双方の保全に貢献することを目的としています。
2004年以降、全世界で3,300ヶ所のマリーンIBAが選ばれています。アジアでは、日本のほか、インドとロシア(極東地域)でマリーンIBAが指定されています。日本では、日本野鳥の会とバードライフ・インターナショナル東京が共同で選定を進め、これまで27ヶ所の海域をマリーンIBAとして指定しています。
2016年に発行された「マリーンIBA白書」は、27ヶ所のマリーンIBAサイトとその選定に使われた海鳥の繁殖コロニーがある44ヶ所の地域のほか、選定方法や選定に使われた海鳥の生態情報、マリーンIBA の現状、海鳥が直面している脅威などをまとめたものです。
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