2018年9月23日~10月3日まで、風力発電と野鳥保護の問題等に関して累積的影響評価手法を中心とする最新知識を勉強するために、自然保護室の浦主任研究員が英国を視察訪問しました。
9月23日はグレートヤーマス沖のScroby Sands、26日はスケッグネス沖のLynnやInner Dowsing、27日はミドルズブラ沖のTeesside洋上風力発電所を視察しました。Scroby Sandsでは多くのコアジサシが風車に衝突死し、繁殖コロニーが消失、また発電所内にカモメ類やアザラシが集まっていることをボートに乗船して確認してきました。Teessideは海岸から1.5~4km沖にあり、遠浅な海域が少ない日本で今後建設されるのと同様の光景を見れました。
9月24日はケンブリッジ大学内にあるバードライフ・インターナショナル本部でセンシティビティマップや累積的影響評価、戦略アセスについて、9月25日はセットフォードの英国鳥類学協会で累積的影響や風力発電が鳥類の個体群に与える影響の評価手法、カモメ類の洋上風力発電所内での行動について、10月1日は英国本土最北端の町サーソにあるハイランズ&アイランズ大学の環境調査研究所で累積的影響評価手法、海洋エネルギー発電や海洋プラスチックゴミが海鳥に与える影響について学びました。
特に海プラゴミは海鳥が最初に生体への影響を受ける生物ということで、野鳥保護の分野でも今後さらに大きな問題になると考えられます。10月3日はエディンバラにある英国鳥類保護協会のスコットランド事務所を訪問し、海鳥の長期モニタリング手法や風力発電がハイイロチュウヒに与える影響について学びました。