風力発電の導入推進側と野鳥保護側とで協議を重ねながら、双方が活用できるような風力発電と野鳥のセンシティビティマップを作成するために、東京都内に12名の専門家委員を招聘し、2016年3月14日に第1回・風力発電と野鳥の脆弱性マップ作り検討会を実施しました。
検討会では、マップ作りのモデル地域を稚内市・豊富町・幌延町とし、マップ作りの海外事例等を紹介し、マップ作りの方針や手順、考慮すべき生息地情報、配慮対象鳥種の選定方針、バッファーゾーンの設定方法、風況データの反映方法、地域合意形成の在り方等について議論しました。
2016年8月21日、北海道北部で風力発電に対する野鳥の脆弱性マップの作成を目指し、12名の専門家委員を招聘して検討会を北海道大学で開催しました。第1回に続きこの検討会では、自然保護側、行政、事業者、専門家の間で野鳥への影響を回避できる立地選定について合意可能なマップ作りを目指すとの方針が固まり、これまでの調査結果やマップ作成の手順を報告しました。
・脆弱性マップ作成の方向性や目標
・脆弱性マップ作成対象地の選定およびエリアサイズ
・洋上風力発電向けの脆弱性マップ作成の必要性
・バードストライク発生確率の脆弱性マップでの取り扱い方針
・脆弱性マップ作成に向けた対象鳥種の絞り込み方法
・バッファーゾーンを脆弱性マップに取り入れる必要性の有無
・風況データとの整合性
・導入目標値との整合性
東京都内に11名の専門家委員を招聘し、2017年3月2日に第3回・風力発電と野鳥の脆弱性マップ作り検討会を実施しました。
第1~2回検討会では、マップ作りの対象地を風力発電計画が集中する稚内市・豊富町・幌延町・天塩町の一部とし、一定の科学的根拠をもって野鳥への影響を考慮した風力発電の不適地の選定を促し、利害関係者間の合意の取りやすさおよび第三者機関による適正立地の可否の判断材料となるマップ作りを行っていくことが決まりました。続く第3回では、マップ作りの対象鳥種の選定方針、鳥類データがない場所での生息分布予測手法、マップ上での脆弱性の表現方法について議論されました。
北海道豊富町に9名の専門家委員を招聘し、2017年11月14日に第4回・風力発電と野鳥の脆弱性マップ作り検討会を開催しました。
第1~3回検討会では、マップ作りの対象地を風力発電計画が集中する北海道北部日本海側とし、利害関係者間の合意の取りやすさや立地選定の良し悪しの判断材料となるマップ作りを行うこと、また、マップ作りの対象鳥種の選定方針等について議論しました。第4回となる今回は、具体的にマップ作りの対象鳥種を選定(チュウヒ、オジロワシ、オオワシ、マキノセンニュウ、ツメナガセキレイ、マガン、ヒシクイ、コハクチョウ等)し、マップ上でどのように脆弱性を表現するかについて議論されました。
東京都内に11名の専門家委員を招き、2018年3月22日に「第5回・風力発電と野鳥の脆弱性マップ作り検討会」を開催しました。
第1~4回検討会では、マップ作りを北海道北部で行い、野鳥保護の視点からみた立地選定の良し悪しを判断できるマップをチュウヒ、オジロワシ、シマアオジなどの重要種および風車に脆弱な種、マガン、ヒシクイ、コハクチョウなどの集団飛来種、アンケートにより選出されたミコアイサ、ユキホオジロ、ノゴマなどの地域重要種の分布情報をもとに作成することが決まりました。
第5回となる今回は、実際に作成したマップを委員に確認いただき、最終的にどのようなマップに仕上げていくかについて議論しました。