公益財団法人 日本野鳥の会

“酒田市十里塚風力発電事業”の計画について(要望)

日野鳥発第45号
2015年8月26日

山形県知事 吉村 美栄子 殿

日本野鳥の会山形県支部
支部長 簗川 堅治

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 佐藤 仁志

“酒田市十里塚風力発電事業”の計画について(要望)

拝啓 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。日頃より大変お世話になっております。
 さて、表題の件については、2013年にも要望書を提出いたしました。その後更に多くの知見が得られてきましたので、再度、本計画について下記の通り要望致します。
 なお、本件に関する貴職のお考えを、9月末日までにお知らせいただきますようお願い申し上げます。

敬具

<要望>
酒田市十里塚地区に計画されている県の風力発電事業に関しては、下記の理由により中止とすべきです。必要であれば、他に適地がないかなど代替案を考えるべきであることを、再度要望致します。

<理由>
1. 本地区は、長年に亘って育成されたクロマツ砂防林故に、「庄内海浜県立自然公園」にもなっている庄内地区を代表する自然です。このような景観に、風車はそぐいません。

2. 本地区は、「国指定最上川河口鳥獣保護区」に指定されており、最上川河口周辺に渡来するガンカモ類の渡りのルートにもなっています。本計画は、そのような渡りの行動を阻害する可能性があります。

3. 風力発電の構造物は野鳥、特に猛禽類の障害物となっており、風力発電施設を建設するにあたっては、生態系の保全・生物多様性の保全を大前提とするべきです。以下の事項からも、施設の建設はそれを脅かす事になると考えます。

4. 本地区の海浜部には、コアジサシのコロニー(集団営巣地)があり、本邦の北限に当たります。本営巣地については、山形県の協力を得ながら、かねてより本会が保護活動を行ってきました。このコアジサシは、山形県のレッドリストでは、絶滅危惧I B類(EN)からより深刻なI A類(CR)に引き上げられる予定と聞いております。そのような状況の中で本施設の建設により、その営巣地の消滅の可能性があります。これだけでも、本施設の計画を中止する理由としては十分と考えております。

5. 本会が要望書を提出した2013年以降に得られた本地区に関する知見からも、本計画は不適当であると考えます。その知見は以下の通りです。

  1. 当該地区において、県のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類からより深刻な絶滅危惧I B類(EN)に引き上げられる予定の猛禽類のオオタカの繁殖が確認されています。
  2. 当該地区の近くの同様な環境で、準絶滅危惧(NT)に指定されている猛禽類のミサゴの繁殖が確認されています。
  3. 当該地区の近くの同様な環境で、絶滅危惧I A類(CR)に指定されているチゴモズの繁殖が確認されています。

このような生態系の比較的高位にある鳥類も含め、生物多様性を損なう恐れがあります。

以上

問合せ先:
①日本野鳥の会山形県支部事務局
〒990-0406
東村山郡中山町柳沢62 今野研一方
Tel;023-663-1077
Fax;023-606-5351
E-mail;[email protected]

②(公財)日本野鳥の会 自然保護室
〒141-0031
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
Tel;03-5436-2633
Fax;03-5436-2635
E-mail;[email protected]

日野鳥発第46号
2015年8月26日

酒田市総務部長(酒田市長職務代理者) 本間 匡志 殿

日本野鳥の会山形県支部
支部長 簗川 堅治

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 佐藤 仁志

“酒田市十里塚風力発電事業”の計画について(要望)

拝啓 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。日頃より大変お世話になっております。
 さて、表題の件については、2013年にも要望書を提出いたしました。その後更に多くの知見が得られてきましたので、再度、本計画について下記の通り要望致します。
 なお、本件に関する貴職のお考えを、9月末日までにお知らせいただきますようお願い申し上げます。

敬具

<要望>
酒田市十里塚地区に計画されている市の風力発電事業に関しては、下記の理由により中止とすべきです。必要であれば、他に適地がないかなど代替案を考えるべきであることを、再度要望致します。

<理由>
1. 本地区は、長年に亘って育成されたクロマツ砂防林故に、「庄内海浜県立自然公園」にもなっている庄内地区を代表する自然です。このような景観に、風車はそぐいません。

2. 本地区は、「国指定最上川河口鳥獣保護区」に指定されており、最上川河口周辺に渡来するガンカモ類の渡りのルートにもなっています。本計画は、そのような渡りの行動を阻害する可能性があります。

3. 風力発電の構造物は野鳥、特に猛禽類の障害物となっており、風力発電施設を建設するにあたっては、生態系の保全・生物多様性の保全を大前提とするべきです。以下の事項よりからも、施設の建設はそれを脅かす事になると考えます。

4. 本地区の海浜部には、コアジサシのコロニー(集団営巣地)があり、本邦の北限に当たります。本営巣地については、山形県の協力を得ながら、かねてより本会が保護活動を行ってきました。このコアジサシは、山形県のレッドリストでは、絶滅危惧I B類(EN)からより深刻なI A類(CR)に引き上げられる予定と聞いております。そのような状況の中で本施設の建設により、その営巣地の消滅の可能性があります。これだけでも、本施設の計画を中止する理由としては十分と考えております。

5. 本会が要望書を提出した2013年以降に得られた本地区に関する知見からも、本計画は不適当であると考えます。その知見は以下の通りです。

  1. 当該地区において、県のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類からより深刻な絶滅危惧I B類(EN)に引き上げられる予定の猛禽類のオオタカの繁殖が確認されています。
  2. 当該地区の近くの同様な環境で、準絶滅危惧(NT)に指定されている猛禽類のミサゴの繁殖が確認されています。
  3. 当該地区の近くの同様な環境で、絶滅危惧I A類(CR)に指定されているチゴモズの繁殖が確認されています。

このような生態系の比較的高位にある鳥類も含め、生物多様性を損なう恐れがあります。

以上

問合せ先:
①日本野鳥の会山形県支部事務局
〒990-0406
東村山郡中山町柳沢62 今野研一方
Tel;023-663-1077
Fax;023-606-5351
E-mail;[email protected]

②(公財)日本野鳥の会 自然保護室
〒141-0031
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
Tel;03-5436-2633
Fax;03-5436-2635
E-mail;[email protected]

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