公益財団法人 日本野鳥の会

(仮称)北海道石狩湾沖洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書を提出しました

令和元年9月30日

(仮称)北海道石狩湾沖洋上風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書

ご住所
①札幌市中央区南1条西17丁目1-14-203
②東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル

ご氏名
①日本野鳥の会札幌支部
 支部長 山田 三夫
②公益財団法人日本野鳥の会
 理事長 遠藤 孝一  (公印省略)

貴社が計画されている「「(仮称)北海道石狩湾沖洋上風力発電事業境配慮書」(以下、配慮書)に記載されている事業実施想定区域の位置に関し、鳥類の生息地としての石狩湾の重要性とその保護を鑑みて以下の理由から、全面的に見直すよう意見を提出いたします。

  • 事業実施想定区域が設定されている海域にはオジロワシ(天然記念物・国内希少種)が周年、オオワシ(天然記念物・国内希少種)の一部も周年で生息しており、また、渡り経路となっている。さらに、石狩川や新川の河口部は海ワシ類の採食場所として重要であり、これら2つの河口部を交互に繰り返して行き来をする、越冬海域も存在する。それら飛行経路上に風力発電施設を建設すると、海ワシ類のバードストライクや障壁影響が発生する可能性が非常に高い。
  • 事業実施想定区域が設定されている海域には、ウミガラス(絶滅危惧種・国内希少種)やハシブトウミガラスの渡り経路および越冬海域が存在する。渡り経路および越冬海域上に風力発電施設を建設すると、バードストライクや障壁影響および生息地放棄が発生する可能性が非常に高い。
  • 事業実施想定区域が設定されている海域には、マガンやヒシクイ(天然記念物)・ハクチョウ類をはじめとする多くの鳥類の渡り経路が存在する。それらの渡り経路上に風力発電施設を建設すると、バードストライクや障壁影響が発生する可能性が非常に高い。
  • 事業実施想定区域が接する海岸域には多くのミサゴ(準絶滅危惧種)が繁殖しており、繁殖期は頻繁に海上に餌を獲りに行くことから、洋上風力発電施設を建設するとバードストライクを引き起こす可能性が高い。
  • 事業実施想定区域が設定されている海域は、アビ類の渡り経路や越冬海域等が存在することから、洋上風力発電施設を建設するとこれら鳥類の生息地放棄を引き起こす可能性が高い。
  • 事業実施想定区域の周辺には、オオセグロカモメ・ウミネコの繁殖コロニーが数か所存在する。カモメ類は普段行動している飛行高度から、洋上風力発電施設に衝突死するバードストライクが多く発生することが世界的に知られている。そのことから、事業実施想定区域に施設を建設すると、これらのコロニーのカモメ類の繁殖に影響を与えるものと考える。特にウミネコは世界的に個体数が減少している可能性があり、事業実施想定区域での洋上風力発電の建設でウミネコの個体数を減少させることがあってはならない。

以上

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