日野鳥発第2020-009号
令和2年6月25日
Daigasガスアンドパワーソリューション株式会社
代表 後藤 暢茂 様
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
日本野鳥の会 苫小牧支部
支部長 鷲田 善幸
(公印省略)
ネイチャー研究会inむかわ
会長 小山内 恵子
(公印省略)
(仮称)苫東厚真風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する意見書
環境影響評価法第3条の7に基づき、希少鳥類の保護および環境保全の見地から下記の通り意見を述べる。
記
1.全体についての意見
1)本事業における事業実施想定区域(以下、計画地という)を含む勇払原野は、これまでに277種の鳥類が観察されるなど豊かな鳥類相を有する地域であるが(石城 1987)、マガン、タンチョウ、シマクイナ、ヘラシギ、オジロワシ、オオワシ、チュウヒ、ハヤブサといった国内希少野生動植物種および天然記念物に指定されている鳥類が、また、ウズラ、サンカノゴイ、シロチドリ、オオジシギ、ウミネコ、ハイタカ、トラフズク、アカモズなど準絶滅危惧種を含め環境省および北海道のレッドリスト掲載種が計画地内で生息していることが近年においても確認されている(日本野鳥の会 未発表)。計画地での風力発電施設(以下、風車という)の建設はこれらの鳥類に対しバードストライクおよび障壁影響を含む生息地放棄といった影響を生じさせる可能性が高いことから(浦 2015)、計画地として選定するには不適切な場所であり、環境影響評価方法書の作成に進まず、現段階で事業を中止すべきである。
なお、本項以外についてもすべて前述の立場に立ったうえで配慮書の記載内容について意見を述べるものであり、項目によって事業の中止を求める記載がないとしても、本事業が方法書作成の段階に進むことを容認するものでは一切ない。
2)計画地がある苫小牧市東部から厚真町およびむかわ町にまたがる勇払原野は、ラムサール条約湿地であるウトナイ湖を有し、また、ウトナイ湖・弁天沼を含む計画地の西側と入鹿別川から鵡川流域に至る計画地の東側の二区域はバードライフ・インターナショナルが基準を定め、(公財)日本野鳥の会が基準A4iとして指定する重要野鳥生息地(IBAs)(日本野鳥の会 2010)および生物多様性の保全の鍵になる重要な地域(KBA)に選定され、また、計画地は当会が勇払原野の環境を後世に残し、広域にわたる保全を実現するために提案している勇払原野保全構想の対象エリアに含まれている(日本野鳥の会 2006)。これらの選定区域は、希少種を中心とした野生動植物の重要な生息地として世界中に認知されており(日本野鳥の会 2010)、また、自然度が高い湿原、草原、湖沼等がまとまって存在することから、その隣接地域は選定区域と連続する多様な動植物の生息地となっていることが知られている。
計画地は勇払原野保全構想の対象エリアに含まれ、ラムサール条約湿地、IBAsおよびKBAに隣接および囲まれる状況となっているが、計画地で風車を建設することはこのような自然保護、希少種保全上の重要な場所または空間のまとまりに大きな影響を及ぼすことになる。1960年代に始まった土地造成工事後に長年放置されてきたことで発達し保たれてきた、市街地に隣接する地域としては非常に豊かな動植物相(石城 2015)とそれを育む自然環境に対し及ぼす影響が極めて大きいと予測されることから、計画地として選定されるのには不適切な場所であり、環境影響評価方法書の作成に進まず、現段階で事業を中止すべきである。
2.計画地で確認されている希少鳥類の生息状況からみた意見
1)チュウヒ
貴社は配慮書において、環境省による環境アセスメントデータベースのセンシティビティマップにある情報から計画地周辺においてチュウヒ(絶滅危惧IB類・国内希少野生動植物)が生息している可能性があることを確認されているが、当会などがこれまでに行なった現地調査等では、年によってその数は違うものの最大で7つがいのチュウヒが同じ年に計画地内で繁殖していたことを確認している(日本野鳥の会 2006、日本野鳥の会 未発表)。例えば、これまでに当会が行なった調査では、計画地の西部、中央部、海岸部およびその近傍の複数の湿原で毎年平均6.75つがいのチュウヒが繁殖をし、また、毎年平均5.25羽の雛が巣立っていることを確認している(日本野鳥の会 未発表)。これらの数値は、計画地に隣接するIBA・KBAはもとより国内でも他に類をみないほど高い繁殖数、繁殖成功率を誇り、計画地が国内における本種の最重要繁殖地の一つであることを示している。一方、近年は計画地のうち厚真町からむかわ町にかけての海岸域で繁殖するチュウヒの繁殖成功率が計画地の西部と比べると低下している可能性があり(日本野鳥の会 未発表)、これ以上の繁殖阻害要因が増えることで、さらに繁殖成功率を低減させる可能性が高い状況である。
これまでに国内ではチュウヒでバードストライクが生じている事例は報告されていないものの、生態が近いヨーロッパチュウヒやハイイロチュウヒ、ヒメハイイロチュウヒではスペインやアメリカ(日本野鳥の会 2016)、アイルランド(Wilson et al. 2015)でバードストライクが確認されている。また、浦ほか(2020)ではチュウヒがオジロワシ等の外敵を追い払う時、繁殖期に行なうディスプレイフライト時、日の出後しばらく経ってからの旋回上昇時、雌雄ペアでの飛翔時に風車に衝突する可能性が高くなる高度で飛翔することが多く、繁殖期のなわばりの範囲内に風車が建設されている場合、チュウヒがこれらの行動をとることで、バードストライクが発生する危険性が高くなることを指摘している。そのため、現時点ではチュウヒは風車への衝突リスクが低い種とは言えない。
計画地ではチュウヒが過去最大で7つがい繁殖しているほか、隣接するIBA・KBAの中で繁殖するチュウヒの採餌場所にもなっている。計画地の西側にあるIBA・KBAと計画地との最短距離は2㎞未満であるが、チュウヒの行動圏は営巣地から半径2㎞より優に大きく(浦ほか 2019)、また、Senzaki(2017)は、チュウヒの営巣地から半径500m以内の草地・湿地面積の大きさが繁殖初期のつがいの定着率に正の、また、2km以内の人工構造物の多さが巣立ち雛数の多さに負の影響を示すとしている。そして、最近において計画地内でチュウヒの繁殖がもっとも多かった2018年の営巣確認地点(日本野鳥の会 未発表)から2㎞の範囲で円形バッファーを配置したところ、計画地のすべてがバッファーゾーンで埋まる状況となったことから、計画地のどこに風車を配置しても、チュウヒに対しバードストライクまたは生息および繁殖の放棄を引き起こす可能性が高いことが分かった。
チュウヒは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の国内希少野生動植物種であるが、同法第三十四条にある「土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、国内希少野生動植物種の保存に留意しなければならない。」ということに鑑みても、計画地での風車の建設がチュウヒの繁殖に影響を与えるべきではない。
以上のことから考えて、貴社はチュウヒが利用する可能性のある場所での風車の建設を避け影響を回避するべきであり、また、ここは計画地として選定されるのには不適切な場所であることから、環境影響評価方法書の作成に進まず、現段階で事業を中止すべきである。
2)タンチョウ
貴社は配慮書作成における文献調査により計画地周辺にタンチョウ(国内希少野生動植物種・特別天然記念物・絶滅危惧Ⅱ類)が生息していることを把握されているが、当会が2015~2020年に行なった調査においても、1家族のタンチョウが計画地内のうち厚真川河口域から浜厚真湿地にかけて繁殖期に生息していることを確認している(日本野鳥の会 未発表)。タンチョウは北海道東部を中心に生息し、国内の生息数は2009年時点で1,300羽以上であるが(正富ほか 2009)、近年は道東における個体数の増加による繁殖適地の減少により、道央圏にも繁殖地を広げるようになっており(正富 2019)、計画地内に生息するものは道央圏で繁殖地を広げつつある数少ないタンチョウと考えられる。
タンチョウを含むツル科の鳥類は世界的にみて風車によるバードストライクが起きやすい種とは言えないが(日本野鳥の会 2016)、生息地放棄の一つである障壁影響が起きやすい種であるとされ(Hötker et al.2006)、実際にタンチョウと同属のナベヅルおよびマナヅルの渡りの時期に障壁影響が発生したことが長崎県で確認されている(浦 2015)。障壁影響を起こしやすい鳥類のねぐらと採餌場所の間など日常的に利用する空間に風車建設地が存在すると、その周辺で以前は利用していた好適地を利用しなくなり、ときには従来の生息地とは離れた質の劣る生息地まで移動してしまうことにつながり(Drewitt & Langston 2006)、あるいは障壁影響が日常的に生じると飛行に係るエネルギー消費が増え、結果的に繁殖成功率や生残率を低下させる可能性がある(Masden et al. 2010)。
チュウヒと同様にタンチョウは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の国内希少野生動植物種であり、同法第三十四条にある「土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、国内希少野生動植物種の保存に留意しなければならない。」ということに鑑みても、計画地での風車の建設がタンチョウの生息に影響を与えるべきではない。
以上のことから考えて、貴社は営巣地を中心とする3~4km2の範囲(正富ほか 2009)や移動経路などタンチョウが利用する可能性のある場所での風車の建設を避け影響を回避するべきである。
3)オジロワシ
貴社は配慮書作成における文献調査により計画地周辺にオジロワシ(国内希少野生動植物種・国の特別天然記念物・絶滅危惧Ⅱ類)が生息していることを把握されているが、当会は2019年に行った調査で、1つがいのオジロワシが計画地東部の北側で繁殖し、計画地の東側を採餌場所として利用していることを確認している。
国内外の事例をみても、オジロワシは風車への衝突リスクが非常に高い種であり(浦 2015)、日本や欧州各国でオジロワシのバードストライク対策が講じられている状況である。
オジロワシは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の国内希少野生動植物種であるが、同法第三十四条にある「土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、国内希少野生動植物種の保存に留意しなければならない。」という土地所有者の義務や文化財保護法における天然記念物の保存への配慮義務に鑑みても、計画地での風車の建設がオジロワシの生息に影響を与えるべきではない。
以上のことから考えて、計画地においてオジロワシが利用する場所、特に繁殖期については営巣地から半径3,000m以内での風車建設を避け(LAG-VSW 2007、MUGV 2012)、オジロワシに対する影響を回避すべきである。
4)マガン
貴社は配慮書作成における文献調査により計画地周辺にマガン(天然記念物・準絶滅危惧)が生息していることを把握されているが、当会はこれまでに行なってきた調査で計画地にマガンのねぐら、採餌場所、ねぐらと採餌場所の間の移動経路があることを確認している(日本野鳥の会 未発表)。
マガンなどの大型鳥類は、翼面荷重の問題で空中での飛行操作性が低いことから悪天候時は風車を避けるような行動を取りがたく、風車への衝突リスクが高い種である(Gove et al. 2013)。実際に海外ではマガンを含むガン類で多くのバードストライクが発生しており(Rees 2012)、また、風車建設地では風車から半径で平均 373m(146–559m)の範囲で生息地放棄が起き(Hötker et al.2006)、さらに障壁影響も生じやすいことが知られており(Hötker et al.2006)、風車の建設による影響が大きい鳥類だと考えられる。また、ねぐらや採餌場所などマガンが着地地点から飛び立って、一般的な大きさの風車のローター高である高度120mを超えるのに、距離にして4,000m程度かかることが知られており(環境省 2010)、マガンのねぐらや採餌場所がある場所から半径4,000m以内に風車を建設すると、バードストライクまたは障壁影響が発生する可能性が高いことを意味している。
これらに鑑みると、計画地に風車を建てるとマガンのバードストライクが少なからず発生すること、また、生息地放棄や障壁影響が頻発することで計画地東側の餌場を放棄し、また、移動経路が変わることが予測され、これらが長年に渡り繰り返されることで、計画地周辺を利用するマガンの個体群の存続に対し少なからざる影響を与える可能性がある。
文化財保護法における天然記念物の保存への配慮義務に鑑みても、計画地での風車の建設がマガンの生息に影響を与えるべきではないことから、計画地においてはマガンがねぐらや採餌場所として利用する場所から半径4,000m以内での風車建設を避け、マガンに対する影響を回避すべきである。
5)オオジシギ
貴社は配慮書作成における文献調査により計画地周辺にオオジシギ(準絶滅危惧)が生息していることを把握されているが、当会がこれまでに行なってきた調査で計画地ではオオジシギが数多く繁殖していること(日本野鳥の会 2006)や勇払原野においてはこの15年間で約30%の個体数が減少していることを把握している(浦ほか 2017)。
オオジシギは繁殖期にオスが上空を旋回しながら急降下を伴うディスプレイフライト(誇示飛翔)を行うことが知られているが(Ura et al. 2005)、その旋回高度が50~100mであること、また、誇示飛翔中にオオジシギ同士で追いかけ合いが生じること、さらに、実際に国内でオオジシギのバードストライクが発生していることから(浦 2015)、オオジシギは風車に衝突しやすい鳥類であると考える。
勇払原野では生息環境の樹林化や耕作地・道路・太陽光発電等の各種開発行為による生息地の消失によりオオジシギの個体数が減少しているが(浦ほか 2017)、貴社による風車建設によりさらに勇払原野のオオジシギの個体数を減少させるべきではないと考え、計画地においてオオジシギが利用する場所での風車建設を避け、オオジシギに対する影響を回避すべきである。
6)その他の希少鳥類
上記以外にもシマクイナ、ヘラシギ、オオワシ、ハヤブサといった国内希少野生動植物種に指定されている鳥類が、また、サンカノゴイ(EN)、アカモズ(EN)、ウズラ(VU)、シロチドリ(VU)、ハイタカ(NT)など環境省のレッドリスト掲載種やウミネコ(NT)、トラフズク(NT)など北海道のレッドリスト掲載種が計画地内で生息していることを当会が近年行った調査等で確認している(日本野鳥の会 未発表)。
貴社による風車建設により勇払原野におけるこれらの鳥類の個体数を減少させるべきではないと考え、計画地においてこれら鳥類が利用する場所での風車建設を避け、影響を回避すべきである。
3.個別の項目について
1)3.1-28(59)~3.1-29(60)
文献その他の資料による調査範囲(動物)について、表3.1-21(1)および(2)に掲載されている文献以外にも、鳥類について下記の文献からも情報収集を行ったうえで配慮書を作成し直すべきである。
・石城謙吉.1987.勇払原野一帯の鳥類相.北海道大學農學部 演習林研究報告, 44(2):689-713.
・川崎慎二・大畑孝二. 2005. 勇払原野‐ウトナイ湖・美々川. 北海道新聞社, 札幌.
・日本野鳥の会. 2006. 野鳥保護資料集第19集 ‐ウトナイ湖・勇払原野保全構想報告書‐. 日本野鳥の会, 東京.
・Senzaki M., Yamaura Y. and Nakamura F. 2015. The usefulness of top predators as biodiversity surrogates indicated by the relationship between the reproductive outputs of raptors and other bird species. Biological Conservation 191:460–468.
2)3.1-32(63)
表3.1-22(2)動物相の概要のうち鳥類について、主な確認種としてチュウヒなど希少種を中心にサンカノゴイ、アカモズ、シマアオジなど希少種を中心にして記載すべきである。私たちの目からは、計画の進行上で保全上の問題になりそうな種の掲載を避けているようにみえる。
3)3.1-27(68)
表3.1-23ではガン・カモ類の飛来数が示されているが、計画地には海岸および湿地環境が含まれているので、シギ・チドリ類の飛来数も示したうえで、影響を評価すべきである。
4)3.1-86(117)
(2)生態系の概要について、最上位の消費者として鳥類ではオオタカやハイタカ等の猛禽類やタンチョウが挙げられているが、ここに計画地内でもっとも多く繁殖するチュウヒも含めるべきである。また、含められない場合は、その理由を明確に述べるべきである。
5)4.1-2(211)
表4.1-1の計画段階配慮事項の選定について、動物および生態系が造成等の施工による一時的な影響に項目として選定されていないため、これを選定し直したうえで配慮書を作成し直すべきである。また、もし選定すべきでない理由があれば、その理由を明確に述べるべきである。
6)4.3-16(231)
表4.3-6(1)および(2)の動物の重要な種の選定基準について、勇払原野で生息が確認されている鳥類の種のうち、近年個体数の減少が著しい種も重要種に指定し、影響を評価すべきである。例;ウズラ、アカモズ、シマアオジ、シマクイナなど。
7)4.3-40(255)
表4.3-15(1)の動物の重要な種への影響の予測結果について、記載される多くの鳥類でバードストライクへの影響が生じる可能性があると予測しているが、このうち少なくとも国内希少野生動植物種や天然記念物に指定される種については、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の第三十四条にある「土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、国内希少野生動植物種の保存に留意しなければならない。」という土地所有者の義務や文化財保護法における天然記念物の保存への配慮義務に鑑みても、バードストライクが起きてはいけないと考える。
貴社による風車建設によって勇払原野における希少鳥類の個体数を減少させるべきではないと考え、計画地において希少鳥類が利用する場所での風車建設を避け、影響を回避すべきである。
8)4.3-40(255)
表4.3-15(1)の動物の重要な種への影響の予測結果について、水域(海域)にマダラウミスズメが含まれているが、この種は内陸にある樹洞で営巣することが知られていることから、採餌海域と営巣地を往復する際に海岸線を横切ることに留意したうえで影響を評価すべきである。
9)4.3-46(261)
評価結果について、重要な種及び動物の注目すべき生息地においては、(中略)事業実施想定区域を可能な限り絞り込み風力発電機の設置対象外を設定することにより、重大な影響が実行可能な範囲内でできる限り回避、又は低減されていると評価しているが、これまで述べてきたように計画地内は希少鳥類の生息が多く、影響を回避・低減可能な事業実施想定区域の限り絞り込みや風車の建設はできないものと考える。そのため、ここは計画地として選定されるのには不適切な場所であることから、環境影響評価方法書の作成に進まず、現段階で事業を中止すべきである。
【引用文献(アルファベット順)】
Drewitt A. L. & Langston D. H. R. 2006. Assessing of the impacts of wind farms on birds. Ibis 148: 29–42.
Gove B., Langston R. H. W., McCluskie A. Pullan J. D. & Scrase I. 2013. Wind farms and birds:an updated analysis of the effects of wind farms on birds, and best practice guidance on integrated planning and impact assessment. Royal Society of Protection for Birds and BirdLife International.
Hötker H, Thomsen K. M. & Jeromin H. 2006. Impacts on biodiversity of exploitation of renewable energy resources: the example of birds and batsfacts, gaps in knowledge, demands of further research, and ornithological guidelines for the development of renewable energy exploitation. Michael-Otto-Institut im NABU, Bergenhusen.
石城謙吉.1987.勇払原野一帯の鳥類相.北海道大學農學部 演習林研究報告, 44(2):689-713.
石城謙吉.2015.勇払原野の自然と歴史.野鳥2015年4月号:22-23.
環境省.2010.平成21年度渡り集結地衝突影響分析業務報告書.環境省自然環境局、東京.
LAG-VSW. 2007. Abstandsregelungen für Windenergieanlagen zu bedeutsamen Vogellebensräumen sowie Brutplätzen ausgewählter Vogelarten. Berichte zum Vogelschutz 44:151–153.
正富 宏之・正富 欣之.2009.タンチョウと共存するためにこれから何をすべきか.保全生態学研究14:223-242.
正富宏之.2019.タンチョウは道央へ来るのに、どこを通るか?. 北海道野鳥だより197:2-4.
Masden E.A., Haydon D.T., Fox A.D. & Furness R.W. 2010. Barriers to movement: Modeling energetic costs of avoiding marine wind farms amongst breeding seabirds. Marine Pollution Bulletin 60:1085–1091.
MUGV Brandenburg. 2012. Tierökologische Abstandskriterien für die Errichtung von Windenergieanlagen in Brandenburg (TAK).
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日本野鳥の会.2010.野鳥保護資料集第27集‐IBA白書2010.(公財)日本野鳥の会、東京.
日本野鳥の会.2016.野鳥保護資料集第30集‐これからの風力発電と環境影響評価.(公財)日本野鳥の会、東京.
日本野鳥の会.未発表.(公財)日本野鳥の会 勇払原野保全構想に係る対象範囲南部・重要鳥類生息データベース.(公財)日本野鳥の会、東京.
Rees E. C. 2012. Impacts of wind farms on swans and geese: A Review. Wildfowl 62:37–72.
Senzaki M., Yamaura Y. & Nakamura F. 2017. Predicting Off-Site Impacts on Breeding Success of the Marsh Harrier. The Journal of Wildlife Management 81(6):973-981.
Ura T., Azuma N., Hayama S. & Higashi S. 2005. Sexual dimorphism of Latham’s snipe (Gallinago hardwickii). Emu 105:259-262.
浦 達也.2015.風力発電が鳥類に与える影響の国内事例.Strix 31:3-30.
浦 達也・西林直哉・田尻浩伸・竹前朝子・中村 聡・葉山政治・大畑孝二・富岡辰先.2017.北海道勇払原野におけるオオジシギの繁 殖個体数の変化.日本鳥学会2017年度大会講演要旨集.
浦 達也・酒井すみれ・中山文仁・北村 亘.2019.勇払原野・弁天沼の周辺で繁殖するチュウヒの環境選択と行動圏の季節変化.日本鳥学会2019年度大会講演要旨集.
浦 達也・長谷部 真・平井千晶・北村 亘・葉山政治.2020.繁殖期のチュウヒが風力発電施設の建設により受ける影響とその行動‐日本野鳥の会サロベツ湿原チュウヒ研究グループ.自然保護助成基金助成成果報告書28:50-57.
Wilson M., Fernández-Bellon D., Irwin S. & O’Halloran J. 2015. The interactions between Hen Harriers and wind turbines. WINDHARRIER FINAL PROJECT REPORT.
■アカモズ
(カテゴリー)絶滅危惧ⅠB類(環境省、北海道)
(確認時期)繁殖期
(最新確認年)2020年
(確認内容)生息、繁殖
■ウズラ
(カテゴリー)絶滅危惧Ⅱ類(環境省)、準絶滅危惧(北海道)
(確認時期)繁殖期
(最新確認年)2019
(確認内容)さえずり
■ウミネコ
(カテゴリー)準絶滅危惧(北海道)
(確認時期)秋
(最新確認年)2019年
(確認内容)最大3,000羽程度の大群が計画地内を利用
■オオジシギ
(カテゴリー)準絶滅危惧(環境省、北海道)
(確認時期)繁殖期
(最新確認年)2020年
(確認内容)ディスプレイフライト、繁殖
■オオワシ
(カテゴリー)国内希少種、天然記念物、絶滅危惧Ⅱ類(環境省、北海道)
(確認時期)越冬期
(最新確認年)2019年
(確認内容)冬季ねぐら・採餌場所
■オジロワシ
(カテゴリー)国内希少種、天然記念物、絶滅危惧Ⅱ類(環境省、北海道)
(確認時期)繁殖期、越冬期
(最新確認年)2020年
(確認内容)営巣、冬季ねぐら、採餌場所
■サンカノゴイ
(カテゴリー)絶滅危惧ⅠB類(環境省、北海道)
(確認時期)繁殖期
(最新確認年)2015年
(確認内容)さえずり、飛翔
■シロチドリ
(カテゴリー)絶滅危惧Ⅱ類(環境省)、準絶滅危惧(北海道)
(確認時期)繁殖期
(最新確認年)2019年
(確認内容)繁殖行動
■シマクイナ
(カテゴリー)国内希少種、絶滅危惧ⅠB類(環境省、北海道)
(確認時期)分散期
(最新確認年)2018年
(確認内容)繁殖行動(声)
■タンチョウ
(カテゴリー)国内希少種、特別天然記念物、絶滅危惧Ⅱ類(環境省、北海道)
(確認時期)繁殖期
(最新確認年)2020年
(確認内容)繁殖行動、巣立ち雛
■チュウヒ
(カテゴリー)国内希少種、絶滅危惧ⅠB類(環境省、北海道)
(確認時期)繁殖期
(最新確認年)2020年
(確認内容)繁殖行動(餌運び、餌渡し等)、巣立ち雛
■トラフズク
(カテゴリー)準絶滅危惧(北海道)
(確認時期)冬
(最新確認年)2019年
(確認内容)12月頃に頻繁に観察、繁殖期にも確認
■ハイタカ
(カテゴリー)準絶滅危惧(環境省、北海道)
(確認時期)繁殖期
(最新確認年)2020年
(確認内容)メスの飛翔、古巣確認
■ハヤブサ
(カテゴリー)国内希少種、絶滅危惧Ⅱ類(環境省、北海道)
(確認時期)一年中
(最新確認年)2019年
(確認内容)厚真の海岸で一年中、探餌等の行動がみられる
■ヘラシギ
(カテゴリー)国内希少種、絶滅危惧ⅠA類(環境省、北海道)
(確認時期)春及び秋の渡り期
(最新確認年)2018年
(確認内容)成鳥および幼鳥
■マガン
(カテゴリー)天然記念物、準絶滅危惧(環境省)、留意種(北海道)
(確認時期)春の渡り期
(最新確認年)2020年
(確認内容)計画地内に3月下旬に2000羽のねぐらを形成。数千羽の採餌場所にもなっており、ねぐら⇔採餌場所の間の移動経路も計画地内に存在している