公益財団法人 日本野鳥の会

(仮称)能代・三種・男鹿沖洋上風力発電事業に係る環境影響評価方法書に対する意見書

令和2年9月9日

住友商事株式会社
代表取締役 社長執行役員 CEO
兵頭 誠之 様

日本野鳥の会秋田県支部
支部長 佐々木 均
秋田県横手市前郷一番町1-21

公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル

日本雁を保護する会
会長 呉地正行
宮城県栗原市若柳川南南町16

「(仮称)能代・三種・男鹿沖洋上風力発電事業に係る環境影響評価方法書」に対する意見書

現在、貴社が公告・縦覧および住民意見を募集している(仮称)能代・三種・男鹿沖洋上風力発電事業に係る環境影響評価方法書に対して、鳥類の保全の観点から下記の通り意見を述べる。

対象事業実施区域(以下、計画地という)に設定されている海域(以下、当該海域という)は、海鳥の国際的な重要生息地(マリーンIBAs)の指定海域およびロシア等で繁殖し、東北地方以南で越冬する渡り鳥の重要なフライウエイ(移動経路)と重なっていること、計画地の周辺で繁殖する希少猛禽類であるミサゴの採餌海域となっていることなどから、鳥類の保全の観点から考えて、当該海域は計画地から除外されるべきである。そのため、本事業は環境影響評価準備書の作成に進まずに、現段階をもって事業を中止すべきである。

この海域であえて事業を進めようとするのであれば、当該海域を生息地とする鳥類および海洋生態系に対する影響が回避されていることを確実に証明する国際的責務がある。これを実現するためには、綿密な調査に基づいた環境影響評価を行うことが必要であり、その結果として甚大な影響があることが予想された場合は、ゼロオプションを含めた計画の大幅な見直しを行うべきである。

以下に計画地とその周辺における鳥類等の状況と、現地調査を行う場合の注意点を述べるが、本項以降の意見は、前述の立場に立ったうえで、意見を述べるものであり、準備書の段階に進むことを容認するものではない。

ガン・ハクチョウ類について

カモ類について

カモメ類について

その他の鳥類について

ミサゴについて

その他猛禽類について

ハヤブサについて

その他の重要種について

調査時間と天候について

調査機器について

予測評価と環境保全措置について

協議会の開催について

なお、この意見は概要にまとめる際に原文のまま採用することを希望する。

以上

1)
論文名 Long-term declines in common breeding seabirds in Japan(日本における普通海鳥種の長期的減少)
著者名 先崎理之1,照井 慧2,富田直樹3,佐藤文男3,福田佳弘4,片岡義廣5,綿貫 豊6(1北海道大学大学院地球環境科学研究院,2ノースカロライナ大学グリーンズボロ,3山階鳥類研究所,4知床海鳥研究会,5NPO法人エトピリカ基金,6北海道大学大学院水産科学研究院)
雑誌名 Bird Conservation International(鳥類保全学の専門誌)
DOI 10.1017/S0959270919000352
公表日 2019年8月28日(水)(オンライン公開)

自然保護活動のご支援を お願いします!
  • 入会
  • 寄付