公益財団法人 日本野鳥の会

2022~2023年 越冬期における高病原性鳥インフルエンザの発生について

例年にない発生のペース

今年の冬は例年にないペースで、高病原性鳥インフルエンザ(以下、鳥インフルエンザ)が野鳥において発生しています。回収される野鳥が多い場合、5羽から10羽に1羽の割合で検査が行なわれているため、実際の発症事例は不明ですが、発生状況は北海道から鹿児島にかけての12道県で、14種の野鳥において219個体が回収されています。(11月21日 10時AM現在:検査中を含む)

状況は日々更新されますので、最新の状況は環境省のサイトでご確認ください。

鹿児島県出水市でのナベヅルの状況

特に回収が多いのは、鹿児島県出水市のナベヅルです。11月1日からナベヅルの回収が連日発生しており、11月16日現在で197羽にのぼっています。また、鹿児島県の発表では、11月18日には1日でナベヅル90羽、マナヅル2羽が回収されています。

鹿児島大学共同獣医学部の小澤真准教授は、南日本新聞のインタビューに「これまで回収したツルを簡易検査すると、陽性率は5割以下だった。今季は9割を超えている。消化管のウイルス量も例年より多く、体外に放出されやすい。今まではねぐらの水を共有するカモ類からツルに感染するのが主流とみられていたが、今季はツル同士の飛沫(ひまつ)感染が起きている可能性がある。」と答えています。例年以上に深刻な状況のようです。今回の鳥インフルエンザの流行はこれまでと違った状況かもしれません。

早期発見が重要です

昨シーズンには、イスラエルでクロヅル、ギリシャでニシハイイロペリカンの大量死が起きています。また、大西洋側では海鳥のコロニーでも鳥インフルエンザによる大量死が起きています。これらの教訓から、鳥が集まる場所で鳥インフルエンザが起きた場合は、早期に発見して、罹患した個体を取り除くことが重要と言われています。また、そうした場所へのウイルスを持ち込むことのないようにする配慮が必要とも言われています。
なお、早期発見は畜産業への警戒の発信にもなります。

インフルエンザをむやみに恐れることはありませんが、以下のことに留意してください

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