公益財団法人 日本野鳥の会

愛玩飼養廃止要望 -ブロックより-

2010年11月25日

環境大臣 松本 龍 様

日本野鳥の会 近畿ブロック協議会

日本野鳥の会ひょうご 代表 奥野 俊博
日本野鳥の会奈良   代表 川瀬 浩
日本野鳥の会和歌山  代表 阿瀬 誠一郎
日本野鳥の会滋賀   代表 石井 秀憲
日本野鳥の会大阪   代表 平 軍二
日本野鳥の会京都   代表 澤島 哲郎

野生鳥類の愛玩飼養制度廃止の要望について

 平素は、私ども日本野鳥の会及び連携団体の密猟防止活動に、ご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて現在、野鳥の愛玩飼養は、メジロに限り1世帯1羽の飼養が認められていますが、野生生物の愛玩飼養廃止が世界的な趨勢となっている現在、我が国もこの制度を即刻廃止し、密猟の温床ともなっている野鳥の愛玩飼養の歴史に終止符を打つべく特段のご配慮をいただきますようお願い申しあげます。
つきましては、下記の3点について要望します。
(1) 管理小委員会委員に(財)日本野鳥の会の専門家を加えること。
(2) 法律に基づかない違法なメジロの捕獲許可は即刻廃止すること。
(3) 飼養メジロの実態調査をすること。

【理由】

(1) 管理小委員会委員に(財)日本野鳥の会の専門家を加えること。
鳥獣保護管理小委員会の人選に当たっては、現に自然保護のために日本野鳥の会で活動している専門家を加えるのが当然と考えます。

(2) 法律に基づかない違法なメジロの捕獲許可は即刻廃止すること。
私どもは、現行の飼養許可に関し「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則第7条第1項第6号」には違憲の疑いがあり、これによる捕獲許可は無効であると考えています。メジロの捕獲許可は違法なメジロ乱獲の温床となっており、環境大臣は飼養捕獲の根拠法を的確に認識し、メジロの捕獲を即刻廃止する措置をとるべきです。

(3) 飼養メジロの実態調査をすること。
現在、適法に飼養されているとして統計に計上されているメジロの中には、無許可捕獲の個体が相当数混入していることが容易に推定されます。このことは許可をする行政当局に限らず、私どもを含む自然保護側にもよく知られた公然の秘密です。これは大きな問題であり、環境大臣は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第79条」により、都道府県知事に指示・協力をし、直ちに飼養メジロの実態を調査し、無許可捕獲の事例があれば厳正な処罰を科すように努めるべきです。

(4) メジロの飼養数はわずか4,642羽
鳥獣関係統計(環境省)によると、平成18年度の全国のメジロ飼養登録数は4,642羽で、過去に愛玩飼養目的の捕獲許可対象から外れた鳥類と比べて大幅に少なくなっています。すなわち、捕獲許可を打ち切る前年の飼養数は、ヤマガラが6,048羽(昭和53年)、ウグイスが14,565羽(昭和54年)で、いずれも現在のメジロよりもずっと飼養数が多い時点で、捕獲許可対象から外しています。

【参考資料】

(1) 平成10年度~平成18年度 都道府県別メジロ捕獲数と飼養数
(2) 平成10年度~平成18年度 メジロ捕獲数と飼養数の推移

連絡先:日本野鳥の会京都 事務局


2010年12月25日

環境大臣 松本 龍 様

日本野鳥の会 中四国ブロック
(高知、愛媛、徳島、香川、
鳥取、島根、岡山、山口、広島)

野生鳥類の愛玩飼養制度廃止の要望について

 平素は、私ども日本野鳥の会及び連携団体の密猟防止活動に、ご理解とご支援を賜り、厚く御礼申しあげます。
さて先般、本会中四国ブロックを構成している9連携団体が、メジロの愛玩飼養を廃止すべきであることを決議しました。つきましては、下記のとおり要望いたします。野生鳥類メジロを愛玩飼養することに終止符を打つため、特段のご配慮をいただきますよう、お願い申しあげます。

要望:メジロを愛玩飼養に供するための捕獲ならびに愛玩飼養を廃止すること。

【理由】

(1) 現在日本では、野鳥メジロの愛玩飼養が1世帯1羽認められ、その前提の野外捕獲が認められています。しかしながら適正な野外捕獲が行われず、野生生物の生息に悪影響を与え、かつ、密猟の温床になっている状況は、広く知られているところです。
(2) 野生のメジロを捕獲し愛玩飼養することでは、自然環境保全・生物多様性維持や、次世代を担う国民の情操向上に資す等々の効用は得られず、役目を終えていると考えます。一方的に日本の野生自然環境からメジロを捕獲し消費するだけの、個人的な楽しみに供する愛玩飼養を続けることは、今日的に認められない行為と言わざるをえません。
(3) 飼養許可が更新された飼養登録票を所持しながら、足環の装着されていない複数のメジロを違法に飼養していた事例が報告されており、愛玩飼養制度の運用そのものにも問題があると考えます。飼養登録されているメジロ全てを実際に確認し、メジロに足環を装着する実務を担う市町村職員の負担は大きく、一定の知識と技能が必要であり、愛玩飼養制度を適正に運用することは極めて困難です。
(4) 1世帯1羽の飼養許可制度の下に届けられたメジロの愛玩飼養数は、4,642羽(鳥獣関係統計環境省・平成18年度)で、過去に飼養が廃止されたほかの野鳥の事例から、ただちに廃止しても問題と考えられる数ではありません。
過去の愛玩飼養目的の捕獲許可対象種の捕獲許可打ち切り前年の飼養数は、ヤマガラ6,048羽(昭和53年)、ウグイス14,565羽(昭和54年)で、いずれも現在のメジロより飼養数が多い時点で、捕獲許可対象から外されています。

連絡先:中四国ブロック理事 日比野政彦(所属先:日本野鳥の会ひろしま)


2011年2月14日

環境大臣 松本 龍 様

日本野鳥の会 九州沖縄ブロック協議会
(福岡、北九州、筑豊、筑後、佐賀、長崎、大分、
熊本、宮崎、鹿児島、やんばる、石垣、西表)

野生鳥類(メジロ)の愛玩飼養制度廃止の要望について

 平素は、私ども日本野鳥の会及び連携団体の密猟防止活動に、ご理解とご支援を賜り、厚く御礼申しあげます。
さて先般、本会九州沖縄ブロック協議会を構成している13連携団体が、メジロの愛玩飼養を廃止すべきであることを決議しました。つきましては、下記のとおり要望いたします。野生鳥類メジロを愛玩飼養することに終止符を打つため、特段のご配慮をいただきますよう、お願い申しあげます。

メジロを愛玩飼養に供するための捕獲ならびに愛玩飼養を廃止すること。

【理由】

(1) 現在日本では、野鳥メジロの愛玩飼養が1世帯1羽認められ、その前提の野外捕獲が認められています。しかしながら、声のよいメジロは高値で売買されるとあって、適正な野外捕獲が行われず、違法なメジロ乱獲の温床となっています。野生生物の生息に悪影響を与え、かつ、密猟の温床になっている状況は、広く知られているところです。
(2) 野生のメジロを捕獲し愛玩飼養することでは、自然環境保全・生物多様性維持や次世代を担う国民の情操向上に資す等々の効用は得られず、役目を終えていると考えます。環境省の資料によると「野生鳥獣の愛玩飼養は、鳥獣は本来自然のままに保護すべきであるという理念にもとるのみならず、鳥獣の乱獲を助長する恐れもあるので、飼養のための捕獲又は採取の規制の強化に努めるものとする」とあります。
(3) メジロの愛玩飼養については、全国47都道府県のうちすでに24県が愛玩飼養目的の新たな捕獲を認めていません。事実上の禁止となっています。
(4) 飼養許可が更新された飼養登録票を所持しながら、足環の装着されていない複数のメジロを違法に飼養していたいわゆる大量飼養や密売事例が報告されており、愛玩飼養制度の運用そのものにも問題があると考えます。飼養登録されているメジロ全てを実際に確認し、メジロに足環を装着する実務を担う市町村職員の負担は大きく、一定の知識と技能が必要であり、愛玩飼養制度を適正に運用することは極めて困難です。
(5) 1世帯1羽の飼養許可制度の下に届けられたメジロの愛玩飼養数は、4,642羽(鳥獣関係統計環境省・平成18年度)で、過去に飼養が廃止されたほかの野鳥の事例から、ただちに廃止しても問題と考えられる数ではありません。
過去の愛玩飼養目的の捕獲許可対象種の捕獲許可打ち切り前年の飼養数は、ヤマガラ6,048羽(昭和53年)、ウグイス14,565羽(昭和54年)で、いずれも現在のメジロより飼養数が多い時点で、捕獲許可対象から外されています。

連絡先:九州・沖縄ブロック理事 高野茂樹(所属先:日本野鳥の会熊本県支部)

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