当会がIBA(重要野鳥生息地)保全事業の一環として、2000年度より取り組んできたウトナイ湖サンクチュアリを含む勇払原野の保全構想がまとまりました。
現在残されている勇払原野の大半は、国の大規模工業基地として計画されながら頓挫し、未利用地域が多い苫小牧東部開発地域です。この地域は鳥類の良好な生息地となっており、3年間の鳥類相調査で276種が記録されました。国内での記録種数の約半数を占め、環境も多様性に富んでいることが分かりました。さらに15種の希少種が確認され、特にシマアオジとチュウヒにとって重要な繁殖地であること、ガン類やオオジシギについてはラムサール条約湿地の登録基準を満たしていることが明らかになりました。勇払原野の法令等による保護指定は断片的で、鳥類生息地の分断化が進んでいます。こ
?Rままでは開発が進み、原野の特性が失われてしまうおそれがあります。報告書では、原野の特性を保つコアエリアの環境を維持することを軸に、広域的に保全・再生していく構想を提唱しました。結びでは、さまざまな立場の利害関係者が参加して、生態学的な観点から保全計画を協議する場の設置を提案しています。
●目次●
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・ 1
概要・・・・・・・・・・・・・・・ 2
背景
保全について
添付資料