風力発電は地球温暖化対策のための自然エネルギー源として、欧米に続いて日本でも、政府が数値目標を掲げて導入が推進されてきています。しかし、欧米では鳥類やコウモリ類等への悪影響が報告されており、わが国でも導入量の増大につれて鳥類が衝突死したと見られる事故例が報告され始め、絶滅のおそれのある種の事故も発見されています。
欧米諸国と異なり,わが国では風力発電事業は環境影響評価法の対象外であり、ガイドラインによって行われる環境影響評価も十分機能しているとは言えません。また事故発生のメカニズムについても系統的な調査・研究はまだ始まっておらず、野生生物への影響の回避については制度的にも方法論的にも手探りの状態と言えます。
そこで、2007年8月に「野鳥と風力発電・ワークショップ」を開催し、風力発電が野鳥に与える影響の調査と評価方法について、海外の調査研究の実例や国内で行われてきた調査事例、また環境影響評価を行うための制度について、各地の皆様からご報告をいただき、また日本におけるあるべき方策について討議を行ないました。この資料集は、ワークショップの資料と記録を元に構成したものです。
●目次●
はじめに
概 論・・・・・5
付・資料集
根室市温根元~珸瑶瑁地区におけるオジロワシの生息状況調査 ・・・・・179
福井県あわら市富津における風力発電施設設置計画と鳥類への影響に関する検討資料・・・・・183