ドイツ最大の自然保護団体であるドイツ自然保護連合(NABU)のミヒャエル・オットー研究所は2006年、ヨーロッパとアメリカで発表された風力発電施設が鳥類およびコウモリ類に与える影響についての論文や報告書を概観した書籍、「Impacts on biodiversity of exploitation of renewable energy sources :example of birds and bats」(英文)を出版しました。
翌2007年、小会職員が風力発電施設と自然環境の保全に関する研究の一環で政府の視察団に加わってドイツに訪問した際に、この資料を手にし、著者であるヘルマン・ヘトカーさんから直接、講義を受ける機会を得ました。
この資料は今まで英文で紹介されたことのないドイツ国内のデータを多く含んでおり、さらに著者らの分析が加えられ、これまで出された英文の概論資料としては最も包括的で分かりやすいものです。そこで、これを和訳して国内で流布することができれば非常に価値が高いと考え、帰国後、すぐさまドイツ自然保護連合と連絡を取り、翻訳と発行の許可をいただきました。
序 文 ・・・・・4
要 約・・・・・5
3.1 鳥類に及ぼす間接的な影響(生息妨害、生息地放棄、生息地喪失)・・・・・15
3.1.1 風力発電に起因する分布の変化 ・・・・・15
3.1.2 鳥類が風車を避ける最小距離 ・・・・・19
3.1.3 風車が鳥類に与える障壁効果 ・・・・・31
3.2 哺乳類に及ぼす間接的な影響(生息妨害、生息地放棄、生息地喪失)・・・・・36
3.3 鳥類とコウモリ類による風車への衝突 ・・・・・ 36
3.3.1 鳥類による風車への衝突・・・・・ 36
3.3.2 コウモリ類による風車への衝突 ・・・・・46
4.1 個体群シミュレーションモデルの適用 ・・・・・ 50
4.2 個体群シミュレーションの結果 ・・・・・ 55
4.3 シミュレーションの予測結果に関する考察 ・・・・・57
5.1 立地の選択 ・・・・・59
5.2 風車周辺の環境対策・・・・・60
5.3 風車の配置 ・・・・・61
5.4 風車の稼動規制 ・・・・・61
5.5 風車の形態 ・・・・・61
5.6 ドイツ国内の風力発電所で応用可能な影響緩和策 ・・・・・63
6.1 風車の大型化と鳥類に対する生息妨害 ・・・・・64
6.2 風車の大型化と鳥類およびコウモリ類の衝突 ・・・・・65
6.3 風車の大型化が及ぼす影響評価の要約 ・・・・・68