公益財団法人 日本野鳥の会

投稿規程

2024年11月11日改訂

投稿する人のために

Strix(野外鳥類学論文集)は鳥類の生態、探鳥会の記録、支部による調査研究活動、定期的な鳥のカウント、繁殖や飛来、行動など個人による観察記録、総説、自然や野鳥保護活動の事例紹介等を掲載する和文誌であり、過去に他誌へ掲載されていないオリジナルな内容のものを掲載する。原稿は、専門家による論文作成指導や学術的評価を伴う検討を行なうこととし、内容及び長さにより原著論文、短報、総説、論説(自然保護レポートを含む)に分けられる。原著論文と短報はすべて2名以上の匿名査読者により査読が行なわれる。なお原著論文及び短報において、観察記録にあたる原稿は、日本および地域(たとえば東北地方、関東などといった程度の範囲)での初記録や分布の拡大を示唆する内容については掲載するが、それ以外については掲載しないことがある。観察記録にあたる内容について投稿される場合は、事前に編集者に相談いただきたい。

【投稿資格】

原則として、第一著者ではなくとも投稿者に最低1名の日本野鳥の会会員を含み、個人名で投稿する。団体名で投稿する場合は、原稿執筆の責任者を少なくとも1名は記載する。

【原稿の書き方】

原稿はパソコンを用いてMS-Word等のワープロソフトを使用して作成する。英文はダブルスペースで印字する。原稿は、最終的にPDFファイルの形で印刷所に送るため、投稿原稿はMS-Wordなどテキスト形式でファイルを保存できるソフトおよび機器を使用して作成すること。

手書原稿は原則として認めないが、パソコンによる作成が困難な場合は、著者による費用負担で編集部に原稿の電子化を依頼することができる(要相談)。

原稿の第1枚目は表紙とし、次の事項を記入する。上半分に表題、キーワード、本文の原稿枚数、表、図(写真含む)の枚数、下半分に投稿者(2名以上の場合は投稿責任者)の氏名、住所、電話番号、あればFax番号とEメールアドレスを記入する。そして、原稿の2枚目以降からあらためて、下に示した構成にしたがって書き進める。(※編集部で準備した投稿論文用に書式設定したワードファイルを利用されたい方は、(公財)日本野鳥の会自然保護室[email protected]までご連絡ください。)

【原稿の種類】

1~3は原則として2名以上の査読者による査読を受けるものとする。4~6は査読者をつけず、編集部による校閲のみを行なう。

  1. 原著論文…野外における鳥類の生態およびその関連分野の調査研究や活動において、独創性のある論文。本文の他に、図、表、写真、参考文献を含み、摘要(200~300字程度)があるもの。表題、著者名、所属および住所、本文、謝辞、和文摘要、引用文献、英文表題、英文著者名、英文所属および住所、英文摘要、英文キーワードをつけること。各ページの各行に番号を振ること。※英文の場合:表題、著者名、所属および住所、本文、謝辞、英文摘要、引用文献、和文表題、和文著者名、和文所属および住所、和文摘要、和文キーワードを記すものとする。
  2. 短報…論文の内容については、探鳥会の記録、支部または会員による調査研究活動報告、定期的な鳥のカウント、観察記録などを短報とする。また、論文の長さでは刷り上がり10ページ以内を目安とする。原稿の構成は原著論文に従う。表題、著者名、所属および住所、本文、引用文献、英文表題、英文著者名、英文所属および住所、英文摘要、英文キーワードとする。和文摘要はつけない。
  3. 総説…あるテーマについて既存の研究を整理し、新しい視点や未解明の問題の発掘や解決方法を提案するもの。原稿の構成は原著論文に従うが、調査方法や結果の代わりに、既存の研究結果の整理などを書き進める。
  4. 論説(自然保護レポートを含む)…自然や野鳥保護活動の事例紹介、鳥類保護上の課題の分析、その解決策の提起などについての論文。構成は原著論文に準じる。
  5. 観察会報告…支部単位で行なっている探鳥会・観察会のデータを報告する。1年1回の調査地であれば5年分以上、毎月またはシーズンごとに調査している場所であれば3年以上のデータをまとめる。報告の構成は規定の書式(フォーマット、末尾に掲載)にしたがう。ただし、フォーマットにある要件を満たしていれば、さらに解析やグラフ、考察を自由に追加してかまわない。1つの調査地につき、1つの論文とし、同じ団体であっても2か所の調査を行なっている場合は別の報告とする。2年連続で同じ調査地の報告は掲載しない。観察会報告については、査読は行なわないが、編集部による校閲は行なう。
  6. 書評…主に鳥学に関連した書籍、図鑑等を評する記事。1700字程度(印刷で1ページ分を超えない文量)を目安とする。

【論文・短報の構成】

本文は、「はじめに」「調査方法」「結果」「考察」(もしくは「結果および考察」)の順に書き進める。短報の場合は必ずしも項目をわける必要はないが、内容はこの順序にしたがう。段落分け等をもちいてわかりやすく述べる。

「はじめに」では、その研究にどのような意義があるのか、どうしてそのような研究を行なったのかなどについて書く。もし同様の研究がすでに行なわれている場合は、今までどのようなことが明らかになっていて、どのようなことがわかっていないのかについて概説する。「調査方法」では、調査を行なった場所がどのような環境なのか、いつからいつまで、どれくらいの頻度で調査を行なったのか、どのような方法で調査を行なったのかについて書く。「結果」「考察」では、調査でわかったことを簡潔に書き、その結果と文献資料から考えられることを考察する。重要な調査結果については図や表で示す。副詞は平仮名で記す。

なお、図表は受理後のレイアウトの過程で、編集部が編集を行なうことがある。

【生物名、単位など】

動植物の和名は原則として片仮名書きとし、学名はイタリック体を指定する。鳥類の和名・学名・英名は日本鳥類目録改訂第8版(日本鳥学会 2024)に準拠する(鳥類の種名リストはこちら)。学名は1回目にその種が出てきたときに書き、2回目以降は書かない。また、同じ属名の種が続く場合は、2種目以降は属名を省略する(例:マナヅル Grus vipio,ナベヅル G. monacha)。植物の学名については、Y-list等(推奨、http://ylist.info/)を参照し、属名と種小名を記す。さらに、「Y-listに準拠した(URLと参照年月日)」の表現を必ず方法の箇所に入れる。
計量の単位は、km、m、cm、ha、m2、mlなど国際単位系をもちいる。

【引用文献】

本文中における文献の引用は、「著者名(年号)」あるいは「(著者名年号)」で示す。引用文献リストには、本文中に使用されたものをすべてを記載する。可能な限り原典にあたり、孫引きはさける。文献の配列は著者名のアルファベット順とし、同一著者については発表の年代順とする。
各文献のリストへの記載は下記の例に従う。雑誌名で短縮形があるものは短縮形を用いる(参考:https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=2000001224&page=man_view)。

雑誌の場合

著者名. 発表年. 論文表題. 掲載雑誌名 巻: ページ.
(例)
Ueda, K. 1993. Effect of neighbours: costs of polyterritoriality in the Fan-tailed Warbler Cisticola juncidis. Ecol. Ethol. Evol. 5: 177–180.
上田恵介. 1996. ヨシゴイはなぜ集団で繁殖するのか:巣場所選びと繁殖成功. Strix 14: 55–63.

オンラインジャーナルまたはdoi を用いて学術雑誌を記述する場合

(例)
Mikami, K., Morimoto, G., Ueno, Y., & Mikami, O. K. 2022. Vertical space utilization by urban birds and their relationship to electric poles and wires. LEE. https://doi.org/10.1007/s11355-021-00479-2

単行本の場合

著者名. 発表年. 表題. 発行所, 発行地.
(例)
上田恵介. 1987. 一夫一妻の神話 鳥の結婚社会学. 蒼樹書房, 東京.

単行本内の特定の章の引用

三上かつら. 2019. EPC今昔物語. 上田恵介(編). 遺伝子から解き明かす鳥の不思議な世界. pp.92–114. 一色出版, 東京.

【オンラインドキュメント】

インターネット情報については、永続性に問題があるので、公的な情報およびやむを得ない場合を除き、原則として引用しないのが望ましい。
公的機関の記録や最新のチェックリスト、観察記録など、インターネット上でしか入手困難な情報については、本文中では「著者・機関名(オンライン*1)」と表記し、引用元についての情報を引用文献リストと分けて「オンラインドキュメント」のリストとして記す。

著者・機関名. (必要に応じて)資料・記事の更新年月日. 表題. <入手先URL>, 参照年月日.
(例)
*1) Gill, F. & Donsker, D. (eds). 2019. IOC world bird list (v 9.1). doi : 10.14344/IOC.ML.9.1., accessed on 17 June 2019.
*2) 気象庁. 過去の気象データ検索. <https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php>.参照2019年6月17日.
*3) 日本野鳥の会東京・研究部. 2017年5月26日. 日本野鳥の会東京 研究部ブログ「自然教育園と新宿御苑、ヤマガラの繁殖確認・ウグイスは?」. <https://tokyo-birdstudy.blogspot.com/2017/05/blog-post.
html>, 参照2023年2月3日.

【図および表】

図および表は、1枚にMS-Excelや図表作成ソフトで作成する。図は直ちに印刷できるような状態で作図する。質の悪い手書きなどの図は使用できない。図は縮小されて印刷されることが多いので、線や文字は太く大きく作図する。図表の説明は、和文と英文の並記あるいは英文のみとする。表の説明は、表の上の欄に書くが、図の説明は別紙にまとめて書く。Webサイトでの閲覧を前提とした動画ファイルの投稿も可能だが、ファイル形式およびファイルサイズについては、事前に編集部に相談されたい。

【図表の英文、及び英文要約】

英文(要約・図表の説明等)については、プロの研究者および学生、英語の得意な方以外は、和文の原稿の翻訳を編集部に依頼することができる。投稿時に気軽に編集部まで相談されたい。

【原稿の部数】

MS-Word等のテキストエディタ(ワープロソフト)、MSExcel、PowerPoint、Adobeイラストレータ等を用いて本文と図表を作成し、写真等も含め原稿一式を準備したのち、

【別刷】

論文が掲載された場合、著者に別刷用のPDFファイルを贈呈する。著者が複数の場合は、投稿責任者に贈呈する。印刷・製本された別刷については、50部単位でつくることができる。ただし、作成に必要な費用、送料は著者が負担する。別刷の希望部数は、受理後に確認する。

【校正】

原則として受理後の初校の校正は著者が行ない、再校以降は編集者が行なう。著者校正は印刷上の誤りについてだけ行ない、内容や図表の変更は認められない。

【原稿の送り先】

〒141-0031 東京都品川区西五反田3‐9‐23 丸和ビル(公財)日本野鳥の会自然保護室、または[email protected]

【原稿の受け付けおよび受理】

原稿は、投稿規程に従って構成されている状態の場合に限って受け付ける。それ以外の場合は、事前に編集者に相談すること。論文の内容は編集者および専門家によって校閲され、修正の必要がある場合には著者に原稿の訂正を依頼する。受け付け後、校閲と著者による修正の過程を経て、編集者が掲載を認めた段階で原稿を受理する。受理の日付は、編集者が論文の掲載を認めた日とする。

【原稿の締め切り】

特に定めないが、論文としての構成がしっかりしているものであれば、目安としては8月31日までに受け付けたものは次巻に掲載できる。

【著作権】

論文の著作権は、投稿を受け付けた時点で著者から当会へ移譲される。


「観察会報告」のフォーマット

原稿の表紙(1ページ目)に次の項目を記す。

原稿の2ページ目から本文を記す。

【調査地の概要】

【確認された種】

【結果と考察】

【引用文献】

【日本語の要約】

【英文要約】

【キーワード】

【図表】

仮に、年2回(4月と10月)に探鳥会を実施している場所だとして例を示します。

表1.参加者の推移
参加人数 備考
2010 4月 5人  
10月 13人  
2011 4月 15人 近隣の大学のサークルが参加
10月 8人 堀の工事
2012 4月 4人  
10月 25人 調査地の近くで標識調査を見学

参加者氏名(敬称略あいうえお順):~,~,~,~,~,~,

表2.確認された種
種名 学名 4月 10月
2010 2011 2012 2010 2011 2012
ゴイサギ Nycticorax nycticorax          
ハシブトガラス Corvus macrorhynchos  
ハシボソガラス Corvus corone  
シジュウカラ Parus minor    

※可能であれば日本鳥類目録改訂第8版の順に上から並べてください。

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