多くの野鳥は、植物の実を食べています。皆さんも、木の実をついばむヒヨドリやメジロ、ムクドリなどに出会ったことがあるのではないでしょうか。しかし本当に野鳥がタネを運び植物が育っているのでしょうか?
都内郊外に所在する日本野鳥の会関連施設でおこなった調査では、確認された植物267種のうち人為的に植えたもの、またはその可能性が高いものが39種あり、残りの228種が自然進入してきた可能性が高い種でした。次に調査地周辺の鳥類ですが、62種(うち外来種3種)が確認されました。
確認された鳥類のうち、40種が木の実を食べる鳥類であり、自然進入の可能性が高い植物228種のうち140種がこれらの鳥類によって種子散布された可能性があることが分かりました。
このように調査では、当初の39種の植栽から18年後には実に228種もの植物が新たに成育しており、その半分以上が鳥類によってこの地にもたらされた可能性が高いことがわかりました。