2009.09.30
主催:三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
共催:コーラル・ネットワーク
協力:スナッパー・ダイビングセンター
2009年9月26日、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館とコーラル・ネットワークは共同で、世界共通のサンゴ調査である「リーフチェック」を実施した。実施した場所は三宅島の西側に位置する富賀浜のテーブル状サンゴ群集と、伊ヶ谷沖のカタン崎のサンゴ群集である。調査を実施した結果、富賀浜では昨年と同様に、調査範囲の約60%以上がサンゴに覆われていた。またカタン崎においては多様な種類のサンゴが点在する群集が確認され、2006年の調査よりサンゴが多くなっていた。どちらのサンゴ群集とも良い状態が保たれていることが確認された。
三宅島では1998年より調査を開始し、以後99年、05年、06年、08年と5 回調査が行われ、今回の調査は6回目となる。今回はコーラル・ネットワークのリーフチェックコーディネーター1名、地元のダイビングサービス1名、日本野鳥の会の職員でアカコッコ館のスタッフ2名で地元の漁船の協力を得て、富賀浜と伊ヶ谷沖のカタン崎を調査した。世界共通の調査方法に準じ、サンゴ群集上にメジャーで100mのラインを設置し、ライン上のサンゴの状態を観察した。あわせて、周辺の魚やエビ、ウニなどの決められた生き物の数を記録した。
富賀浜
テーブル状のサンゴを中心に、昨年同様60%以上が造礁サンゴに覆われ、非常に良い状態にあった。昨年同様サンゴ食の巻貝による食害は見られたが、多くは無かった。オニヒトデと思われる食痕も1箇所あったが、姿は見つからなかった。また、今年の夏には台風の接近があったが、それによる被害も見られなかった。
カタン崎
サンゴの種類が多く、同じ箇所で調査した2006年に比べて造礁サンゴが増えている。昨年見られた窪地での砂などの堆積が見られず、サンゴの生育環境としては良好に保たれていた。サンゴ食の巻貝の仲間やオニヒトデ、サンゴの病気等も見られなかった。魚類では2006年にくらべてチョウチョウウオ類が若干少なかった。
今年の三宅島の夏は例年と比べて水温が低かったが富賀浜、カタン崎の造礁サンゴ群集とも良い状態で保たれていた。特に富賀浜のサンゴ群集は依然として伊豆諸島最大のテーブル状サンゴ群集であり、非常に良い状態で保たれていると考えられる。
サンゴ礁の健康度を測るために世界同一基準で用いられているモニタリング調査で1997年に始まった。
アメリカ・カリフォルニアに本部を置く民間団体が推進している。調査は科学者とボランティアダイバーでチームを編成し、サンゴ、魚類、海底の生物など国際基準の調査項目を潜水して調査し、調査結果をインターネットを通じて本部に送る。各地の結果は毎年本部で取りまとめられ、ホームページなどを通じて公表される。
アカコッコ館は、東京都伊豆諸島の三宅島の自然を多くの人に知ってもらうために1993年に設置された、三宅村営の自然観察施設。
93年のオープン時から日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、自然情報の提供、自然観察会の開催、調査・研究などの活動を行っている。
「コーラル・ネットワーク」 http://coralnetwork.jp/
「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」 http://www.wbsj.org/sanctuary/miyake/
「スナッパー・ダイビングセンター」 http://www.snapper-d.com/
印刷される方はこちらをご利用ください
[PDF] 三宅島のサンゴ、今年も良好な状態を確認 ~6回目のリーフチェックを実施~に関するプレスリリース