
2010.01.14
日本野鳥の会(会長:柳生 博)と明治乳業株式会社(社長:浅野 茂太郎)は、2007年に野鳥保護などを目的に協定を結び設定した「明治乳業野鳥保護区牧の内」(北海道根室市)に隣接する市有地に、根室市(市長:長谷川俊輔)およびNTT東日本(社長:江部 努)の協力を得て、同野鳥保護区の情景を配信するライブカメラを設置しました。
1月15日午前6時より、インターネットに接続できるパソコン端末から、日本野鳥の会、根室市、明治乳業の夫々のホームページから同野鳥保護区の自然の様子をライブ映像で閲覧できるようになります。
これにより、タンチョウやオジロワシ、オオワシなどの野鳥をはじめ、エゾシカ等の哺乳類、湿原に咲く花々など、季節ごとに様々な自然の姿を見ることができます。また、閲覧に際しては、パソコン端末上でカメラを遠隔操作(ズーム、水平・垂直方向)することができ、音声も楽しめます。
今年は「生物多様性条約締約国会議(COP10)」が名古屋で開催されることから、自治体や企業、NGO等の積極的な参画が求められております。今回、根室の野鳥保護区における活動の一つとして、ライブカメラを設置することができました。ライブカメラの映像を通し、様々な野生生物の姿や根室の雄大な自然を伝え、当該地における生物多様性保全の意義を広く社会に訴えて行きたいと思います。そして、これからも希少な野鳥の生息地の保全活動を推進してまいります。
明治乳業は、創立90周年にあたり、社有地の中で、特に自然環境を保全する価値を持つ土地を自然環境保全区とする制度を設けた。未来の世代のために貴重な自然環境を永く保全することにより、生物多様性の維持に努めるとともに、環境配慮型経営の象徴として、様々な情報を発信してゆきたいと考えている。
「明治乳業野鳥保護区牧の内」は、根室市街地の東側に位置し、南側でオンネ沼およびタンネ沼に接する湿原を含む235.5ha の野鳥保護区である。絶滅危惧種のタンチョウやオジロワシが生息している。日本野鳥の会との保全協定締結により協同で管理している。
ライブカメラは根室市タンネ沼の南側(根室市有地)に同市の協力を得て設置。その場所は野鳥保護区の南側対岸に当たり、根室市の取水施設に隣接している。
ライブカメラの映像は、NTT東日本の光ファイバーを通じて配信されている。同社にはライブカメラまでの長距離ケーブル敷設の設置に協力を頂いた。
日本野鳥の会では、タンチョウやシマフクロウなどの希少な野鳥の生息地保全を目的として1987 年から「野鳥保護区」を設置している。開発や環境改変の恐れの高い民有地を対象にした買い取り等による野鳥保護区の設置は、対象生物の保全だけでなく、その土地に住む多様な生き物の生息地を確保し、生物多様性の保全に貢献することができる。これまでに北海道東部のタンチョウやシマフクロウの生息地を中心に29ヶ所、2671.2ha を買い取りや協定により確保した。この面積は、東京ディズニーランドが53 個入る大きさで、国内の自然保護団体が設置した保護区としては最大の面積である。
野鳥保護区設置後は、生息地の生物多様性を維持するため、調査や巡回監視、森林育成等の環境管理活動も実施している。
以上
本件に関するお問い合わせ
財団法人日本野鳥の会 野鳥保護区事業所(現地)
〒086-0074 北海道根室市東梅115-1
TEL:0153-25-8911
明治乳業株式会社 広報室
〒136-8908 東京都江東区新砂1-2-10
TEL:03-5653-0300

設置したライブカメラ(キヤノン製 VB-C50iR)
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| (左)ライブカメラの操作画面と保護区を訪れたオオワシ (右)明治乳業野鳥保護区牧の内の風景 |
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[PDF] 明治乳業野鳥保護区牧の内に設置したライブカメラに関するプレスリリース