公益財団法人 日本野鳥の会

プレスリリース 2018.03.23

2018年03月23日

新しい野鳥保護区が誕生

日本野鳥の会がタンチョウとシマフクロウの生息地、約300haを購入

 (公財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博、会員・サポーター数5万人)は、タンチョウ(絶滅危惧Ⅱ類)の生息地保全のため野付郡別海町内、風蓮川河口部に広がる257.1haの湿原と、シマフクロウ(絶滅危惧ⅠA類)の生息地保全のため釧路管内の37.7haの森林を購入しました。当会では、購入地をそれぞれ、「村田野鳥保護区風蓮川」(139.1ha)、「横澤野鳥保護区風蓮川」(118.0ha)、「持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第4」(37.7ha)と名付け、絶滅危惧種の生息地の自然環境を恒久的に保全します。

1.タンチョウ4つがいが繁殖する湿原を新たに守る―村田野鳥保護区風蓮川、横澤野鳥保護区風蓮川

 ラムサール条約登録湿地である風蓮湖に流れ込む風蓮川河口には、6つがいのタンチョウが繁殖する湿原が広がっています。この湿原には、国指定鳥獣保護区の特別保護区に含まれない民有地が残されており、開発行為に対しては法的規制が弱い区域でした。そこで当会では、会員の村田陽子(むらたようこ・故人)氏他からの寄付金をもとに、257.1ha(2,571,497㎡)の土地を購入し、野鳥保護区を設置して保全することにしました。これにより風蓮川河口部を利用する4つがいのタンチョウの繁殖地が守られます。

村田野鳥保護区風蓮川、横澤野鳥保護区風蓮川
購入した風蓮湖岸の湿原。風蓮川河口部の左岸側(写真奥)に2つの野鳥保護区を設置した。

2.シマフクロウ1つがいが繁殖する森林の保全を強化―持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第4

 釧路管内に広がるこの森林には、2011年から2つがいのシマフクロウの生息が確認されています。ミズナラ等の巨木が林立する豊かな河畔林が残されていますが、その大部分が民有林のため、森林伐採をはじめとする開発の恐れがある地域でもありました。そこで当会では、2014年に1つがいが繁殖する森林135.0haを購入し、「杉本野鳥保護区シマフクロウ釧路第2」を設置しましたが、依然として周辺森林の開発の恐れがありました。そのため、持田勝郎(もちだかつろう・故人)氏からの寄付金をもとに、隣接する土地37.7ha(376,607㎡)を購入し、野鳥保護区を設置して保全することにしました。これにより、当森林で繁殖するシマフクロウの生息地保全を強化することができます。なお、詳細な場所や地名は、シマフクロウの生息かく乱の恐れがあるため公表していません。

持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第4
購入した釧路管内の森林。シマフクロウの生息する河畔林と針広混交林を恒久的に保全した。

<配布先> 環境省記者クラブ(霞が関)、道政記者クラブ(札幌)、釧路総合振興局記者クラブ、根室市役所記者クラブ


【問い合わせ先】 (公財)日本野鳥の会 野鳥保護区事業所 http://www.wbsj.org/
北海道根室市東梅115-1 TEL&FAX:0153-25-8911 担当:松本/080-1179-2786

自然保護活動のご支援を お願いします!
  • 入会
  • 寄付