公益財団法人 日本野鳥の会

ヒナを見つけた

よくある質問と回答「ヒナを見つけた」

鳥や自然について知ろう(手を出す前に)

ヒナがすぐに巣立つわけ

自然界での命の原則は、他の生物の食物になること。野鳥の世界も毎日命がけですが、わずかでも生きのびれば1年で大人になって子育てを始め、毎年繰り返します。つまり、生き残る方が少ないので、野鳥はたくさんの卵を産み、その多くは、大人になる前に他の生き物に食べられてしまいます。そのため、いかに短期間でヒナを成長させ巣立たせるかということが重要です。

スズメは5個くらい卵を生み、かえったヒナは約2週間で巣立ち、その後1週間くらいを親子で過ごしてからひとり立ちし、親鳥はまた卵を産むというサイクルを、春から夏にかけて繰り返すようです。なお、巣立ちまでの期間は、メジロやヒヨドリでは10日ほどしかなく、シジュウカラ・ツバメ・ムクドリなど3週間ほどかかるものもいます。

ヒナの成長を支える虫

鳥も私たち人間と同じで、他の命を食べなくては生きていけません。体重15グラムほどのシジュウカラでも、1年間に必要な虫は10万匹を超えるという試算もあるほどです。

秋冬に虫が少なくなると、木の実などの植物質も食べるようになる小鳥も少なくありません。しかし、子育てには高栄養で消化しやすい虫が必要なので、虫が多い春から夏を子育てシーズンとするのが普通です。スズメでは、ヒナを巣立たせる2週間に親鳥が虫を運ぶ回数は、4千回を超えるといわれています。

自然の仕組みから学ぼう

小鳥は虫を食べることによって、虫が増えすぎることを抑え、その結果、植物が食べつくされることを防いでいます。また、小鳥のヒナは、その大部分が大人になるまでの間に、他の生き物に食べられることで、その生き物の命を支えています。ヒナの命のみに目を奪われることなく、大きな自然の仕組みに目を向けて、学ぶ姿勢が大切です。

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