公益財団法人 日本野鳥の会

Toriino(トリーノ)2009年の発行号

第13号 2009年12月発行号

トリーノ表紙
表紙:石踊達哉
「千羽鶴」(部分)2006年

「彩の章」 写真:前田真三
厳冬、白銀の丘に木は鳴き、雪片が舞う。白を縫う許された場所では、時が湧き出すように流れていた。(誌面より)
「憶の章」 写真:岩宮武二
冷たい雨に烟(けぶ)る帰り路。雨を踏む足音に私は消えていく。いつもの石仏は、今日という日を見通したかのように、優しく微笑んだ。(誌面より)
「流の章」 写真・文:藤原新也
木に年輪があるように人にも年輪がある。人の年輪は自らが刻むもの。人に会うて、その年輪の美しさを見る。(誌面より)
「響の章」 写真:岩合光昭
テングザルは三次元の空間を跳び、サイチョウのついばみの下では魚たちが待っている。この森の先には、耕作地が迫っていた。(誌面より)

第12号 2009年9月発行号

トリーノ表紙
表紙:加山又造「雪」(部分)
1978年

「彩の章」 写真:前田真三
嵐は去り、静かなる時が波に乗る。天と地が分かち、紫紺の海が現れた時、天上から「天使の梯子」が下りた。(誌面より)
「憶の章」 写真:奈良原一高 雜賀雄二
生産され、消費され、そして廃棄された島。もの言わぬ大量の廃棄物は、今、静かに何かを語ろうとしている。この星の辿る道は。(誌面より)
「流の章」 写真・文:藤原新也
機械仕掛けのようにスムーズに流れる平和な風景。しかし、その裏側には、もう一つ別の風景がある。今を映す風景。(誌面より)
「響の章」 写真:岩合光昭
南風が吹いた赤い丘陵地に、陽炎が滲む。アロエの蕾が眠りから覚めると、もう一つ緑の宝石が連鎖反応のように花を添えた。(誌面より)

第11号 2009年6月発行号

トリーノ表紙
表紙:加山又造「月」(部分)
1978年

「彩の章」 写真:前田真三
どこまでも透き徹る青い海。海に青い空が落ちると、海の青は鮮やかな変様の色合いを見せる。生命が育まれる色、ブルー。(誌面より)
「憶の章」 写真:臼井 薫
私は私をして生きる。色もなく、音もなく、臭いもない・・・。唯、微笑み。(誌面より)
「流の章」 写真・文:藤原新也
大海原に浮かぶ手のひら大の生命。 消えゆくかも知れぬその姿に、生命の逞しさが見えた。(誌面より)
「響の章」 写真:岩合光昭
紺青の海に、バベルの塔のように巨岩が聳えたつ。辺りにこだまするウミガラスの大合唱は、人を寄せつけぬ聖域の鼓動であった。(誌面より)

第10号 2009年3月発行号

トリーノ表紙
表紙:加山又造
「彌生屏風」(部分)1971年

「彩の章」 写真:前田真三
雲は空にかかり、海は静かに佇んでいた。雲間から漏れる一条の光は、まるで化学反応を起こしたかのように、多彩の海を描き出した。(誌面より)
「憶の章」 写真:植田正治
顔のある私、顔のない私、いずれも同じ私。私はいつも私には届かない。届かない私は、いつも泣いたり笑ったりする私を見つめている。(誌面より)
「流の章」 写真・文:藤原新也
太古より海は生命の源、母なる海である。しかし今、我々は母なる海に背を向けようとしている。寂れゆく舟屋。(誌面より)
「響の章」 写真:岩合光昭
雨を含んだ黒雲が湖面に影を落とす。雲の切れ目から夕陽が差した時、目にも鮮やかなピンクの群れが黒い湖面に浮かび上がった。(誌面より)
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