自然保護の観点から平成時代をふり返る
文=葉山政治(自然保護室長)
高度経済成長と開発の時代だった昭和時代の反省をもとに、スタートした平成時代。里山の衰退とともに、身近な生きものが絶滅危惧種に指定されるようになるなど、新たな危機が懸念されています。バブル経済崩壊後から、環境保護・持続可能な社会を目指す方向へと潮流が変化していった平成の30年間を振り返ります。
海洋プラスチックゴミから海鳥を守ろう
文=山本裕(自然保護室)
私たちの暮らしのなかで、大量に消費され廃棄されているプラスチック。そのプラスチックが、年間800万トンも海に流入し続けています。プラスチックゴミによる海洋汚染はとても深刻で、多くの海鳥、海棲哺乳類、ウミガメ、魚類が、プラスチックを食べることなどによって死んでいます。当会では今後、海洋プラスチック問題に積極的に関わっていきます。
野鳥保護区の設置で、日本最大のナショナルトラスト団体に
文=保全プロジェクト推進室
日本野鳥の会では、野鳥の生息地の保全を目的として「野鳥保護区」の設置に取り組んでいます。全国で42か所ある保護区の面積は3千994haで、民間の自然保護区としては国内最大規模。日本の自然保護において大きな役割を担っています。これらの保護区の設置は、シマフクロウやタンチョウといった絶滅危惧種の生息数が回復にも繋がっており、今後も保護区の設置を進めていく計画です。