公益財団法人 日本野鳥の会

受講者の声

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2011年度「解説編」受講
小池 彩
(豊田市自然観察の森)
「人に何かを伝えること」
 人に何かを伝えることはむずかしいこと。でも、簡単なこと――。「レンジャー養成講座」を受講して感じたのは、そんな矛盾でした。私は身近な自然の素晴らしさを日々感じながらすごしていますが、それを人に伝えるのは苦手だと思っていたからです。
しかし、「レンジャー養成講座」でトレーナーに丁寧な指導をしていただき、他の受講者の皆さんと話し合い、試行錯誤しながら、調査したり、発表したり、といった過程の中で、むずかしく考える必要はなく、自分の持っている言葉でありのままを伝えればいいんだ! と気づきました。
もちろん、そこからよりたくさんの人の理解を得ようと思えば、さらなる研究・研鑽は必要です。でも、最初の一歩をためらうより、まずは踏みだしてみることの大切さを学びました。好きなだけでくわしくはない、人に何かを伝えることは苦手、そんな風に考えている方にこそ、受講していただきたいです。


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2009年度「解説編」受講
青山英生
(豊田市自然観察の森)
「夢の仕事へ・・・」
 私が「自然の中で、生きものと触れ合いながら仕事がしたい!」そう思いはじめたときにはすでに40歳を過ぎていました。自然にかかわる仕事をいろいろ探したものの、年齢制限があったりして、“仕事”として成立するところはなかなか見つからず半分あきらめかけていました。そんなとき何気なく見ていたインターネットサイトでレンジャー養成講座の案内を目にしました。仕事探しと並行して約20年間勤めた前の会社を辞める手続きを進めていたこともあり、仕事になるかどうかはかりませんでしたが、覚悟を決めて、講座を受講することにしました。
 思いがけず、講座の進路相談コーナーでトレーナーの方に想いを伝えたことがきっかけとなり、夢の仕事への第一歩を踏みだしました。今、私と同じような境遇で迷っている方は、ぜひこのレンジャー養成講座を受講してみてください。何か良いきっかけがつかめるかもしれません。


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2007年「調査編」/2010年「解説編」受講
大久保香苗
(横浜自然観察の森)
「地域の自然をまるごと見る目が必要」
 自然や生きものに関わる仕事がしたい。ただ、野鳥も昆虫も植物にも、さらに地質や天文現象にも関心はあるけれど、一つに絞ることができない。一分野の研究者でなければならないのかと、大学入学1年目にして悩んだころに受講しました。会場は小学生のころから通い親しんだ森で、そこを初めて自然保護の場として向かい合った視点は新鮮でした。
じつは身近にありながら、わかっていなかった「レンジャー」という仕事。その専門性は地域という単位で自然・生きもののつながりを研究し守ることだと学びました。どんな生きもののことも知りたい、その身近さやおもしろさも人に伝えたい、とワガママな想いを抱えていた私にとって、「地域の自然をまるごと見る」専門家が必要とされていたことは大発見でした。また、動植物の知識以外にも、人の気持ちを動かすために科学的なデータが取得できること、対象にあった解説を組み立てる技術が必要なことにも気づき、大学生活を通して学ぶべきことを得た講座でした。
大学卒業後まもなく日本野鳥の会に入局。インターンとして横浜自然観察の森で2年間のトレーニングを受け、絶滅危惧種カンムリウミスズメやアカコッコ保護事業、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館に携わりました。現在は再び横浜自然観察の森に戻り、ふるさとの自然を守る環を広げるべく活動に取り組んでいます。


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2006年度「解説編」受講
大熊千晶
(豊田市自然観察の森)
「夢を形に」
 幼い頃からの夢を叶えたい! 生きものが大好きで、自然に関わる仕事に就きたいとずっと考えていた私の夢に一つの形を与えてくれた、それが「レンジャー養成講座」でした。
 年齢も考え方も違う人達と過ごす3日間。ただ自然相手に仕事をしたいという気持ち一つで飛び込んだ私にとって、多くの人達との出会いは刺激的なものでした。互いの想いを伝え合い、チームで想いを共有し、一つの形にまとめていく作業はとても苦労を伴うものでしたが、同時に目標を達成したときの喜びとやりがいの大きさを感じました。「レンジャーという仕事がしたい」、漠然と抱いていた夢がはっきりとした形と熱を持った瞬間でした。
 最初の赴任地である北海道の大地でのインターンレンジャーを経て数年、私は今、職員として、愛知県の豊田市自然観察の森でレンジャーをしています。さまざまな場所、さまざまな自然、そしてそこに暮らす多くの人たち。素晴らしい自然との出会いが宝ならば、それを取り巻く人との出会いもまた宝。さまざまな人との繋がりが、今だけでなく、未来への大きな力を生み出していくことを強く実感しています。
 すべての始まりは「レンジャー養成講座」。レンジャーとなった今も、まだまだ夢の途中です。


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2003年度「解説編」受講
松本潤慶
(保全プロジェクト推進室 野鳥保護区事業所)
「最前線で活きる」
 レンジャーになって自然保護の最前線で働きたい。自然の大切さ、おもしろさを多くの人に伝えたい。でも、どうすれば上手く伝えられるのだろうか。そんな想いを抱いていた時に受講したのが、レンジャー養成講座でした。
講座では、レクチャーを受けるだけでなく、対象に合わせた伝え方をグループで考え、作成したプログラムを他の参加者を相手に実践しました。これらの活動を通して人に伝えることの難しさを学び、そして対象に伝えられた時の喜びとおもしろさを体感しました。
受講後は、ウトナイ湖サンクチュアリと加賀市鴨池観察館でレンジャーを務め、現在では、チーフレンジャーとして、北海道で絶滅危惧種のシマフクロウやタンチョウの生息地を保全する仕事に携わっています。主な仕事は、土地の売買や管理、調査などであり、いずれの業務も、人との会話を通して想いを伝え、共感していただくことが重要です。自然保護の最前線で働く今も、講座で学んだ、人に上手く伝える方法は、現在の仕事にも活かされています。自然保護に携わりたい方。自然の楽しみ方を伝えたい方はぜひ、レンジャー養成講座を体験してください。


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2000年度「解説編」受講
猪俣 寛
(豊田市自然観察の森)
「コミュニケーションの力」
会社を辞めて、環境教育の大学院に入りなおした私にとって、レンジャー養成講座の内容は意外なものでした。解説をするために、コンセプトを決め、グループの中で合意形成し、プレゼンする。自然のことを知るというより、人間同士のコミュニケーションに重点がおかれていました。
15年がたち、紆余曲折の末、レンジャーになった現在、じつはこのコミュニケーションの力がレンジャーにとって最も重要なものであるということを身にしみて実感しています。レンジャーが自然を知り、守り、伝えること全てにコミュニケーションの力が必要とされます。そういう意味で、あの日レンジャーとしての第1歩が始まったのだと思います。

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