

2026年10月20日
日本野鳥の会が運営管理する各サンクチュアリでは、野鳥図鑑画家・谷口高司氏のご厚意によって製作されたオリジナルミニタオルを販売しています。谷口氏は、野鳥図鑑一冊を描き切るイラストレーターとして活躍され、当会発行の図鑑『新・山野の鳥』『新・水辺の鳥』の図版も手掛けています。
それぞれのミニタオルのデザインは、各地の当会レンジャーの声をもとに谷口氏がイラストにしてくださり、ウトナイ湖サンクチュアリ、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ、根室市春国岱原生野鳥公園、横浜自然観察の森、都立東京港野鳥公園、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館の各サンクチュアリならではの自然環境や野鳥が描かれています。すべて各サンクチュアリだけで販売する限定アイテムです。サンクチュアリに訪れた際は、ぜひお手に取ってご覧ください。


初代レンジャー安西英明さんは彼の学生時代からの親しい友人で、サンクチュアリ構想が提言されたときから、ここの建物ができ、活動を深めていく様子を、時に気をもみながら応援してきました。あれから半世紀近く。いまでは女性も多くふくむ若いスタッフたちが、笑顔を絶やさずに来館者の案内、さらに地域に根差した保護活動にも邁進。その姿はとても心強く、希望に満ち、この地が永遠に野鳥の聖地で居続けることを確信させます。

1981年に全国の皆さまのご寄付により日本最初のサンクチュアリとして開設されました。チュウヒやタンチョウ等の希少鳥類が生息するウトナイ湖や流域の河川・湿地群の保全を進めています。
直営のネイチャーセンターや野生鳥獣保護センターの受託事業を通じ環境保全の大切さを伝えており、サポーター等の地域の方、周辺企業、行政、学識者とともに、産官学民で力をあわせて活動を実施しています。


コウノトリも、トキも、そしてここのタンチョウも。それぞれ必死で守り、復活への道を模索してきた人がいたことを、忘れてはいけないと思っています。日本の国鳥がキジに決まったとき、一番人気だったタンチョウは風前の灯で、それが理由で候補から排除されたとのこと。故・伊藤良孝さんが長年タンチョウに給餌をしたこの地に開設されたサンクチュアリ。タンチョウが穏やかに暮らし続けられるように、祈っています。

鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは、タンチョウ保護の拠点として1987年に開設されました。開設当時は383羽だった個体数も、今は2,000羽を超え、レッドリストのランクも準絶滅危惧になるまでに回復しました。
しかし、個体数の増加に伴い、農業被害や交通事故、集中過密化による伝染病の蔓延などの問題に直面しています。給餌に頼らない越冬、分散と分散先での理解に向け、関係者と協力しながら、適切な給餌や冬期自然採食地の整備、普及啓発活動に取り組んでいます。



初めて道東を訪れたのが19才の冬。観る鳥すべてが新鮮で、寒さも忘れるほど興奮しました。特に一瞬の出会いだった落石岬でのチシマウガラスは忘れられません。この美しい羽色を、もし自分が描くことができたら……という思いが、いつしか野鳥図鑑画家を目指すきっかけになりました。道東は訪れるごとに、半世紀以上も前の自分に立ち戻れる大事な場所で、この聖域を守るみなさんの笑顔に逢う度に、心から感謝をせずにいられません。

春国岱は巨大地震と海流による砂の漂着によってできた細長い島です。この砂でできた島の上に、森林、草原、湿原、塩性湿地などの多様な環境が広がり、隣接する風蓮湖を含めるとこれまでに約340種類もの野鳥が記録されています。春国岱と風蓮湖は、特に渡りをする多くの水鳥にとって大事な渡りの中継地となっており、ラムサール条約湿地にも登録されています。
ネイチャーセンターでは、春国岱と風蓮湖での野鳥の調査や、来訪者への自然情報の提供を行っています。


珍鳥を追いかけるというのは好きではないのですが、人生でぜひ会ってみたいと思っていたウタツグミが飛来したと聞き、生まれたばかりの長男をバギーに乗せ、こちらに。美しい鳥を観ることができてとても心弾みました。まさかその第一発見者が、いまはこの地でチーフレンジャーを務める古南さんだったとは。長いお付き合いなのにそれを知ったのはつい数年前。彼のリクエストで、ウタツグミがいた頃の景色を真ん中に配してみました。

横浜自然観察の森は、横浜市で最も大きな緑地の一角にあります。森や湿地、池など多様な自然環境があり、現在記録されている生物は3,500種以上にもなる、生きもののにぎわいのある森です。レンジャーが常駐する自然観察センターでは、今見られる生物の情報提供や、見つけた生物の名前調べなど、自然観察を楽しむためのサポートを行っています。また、センター主催のクイズラリーやボランティアにより毎月開催している野鳥観察会などのイベントもあります。


半世紀近く前の埋め立て地時代、大田市場と野鳥のパラダイスの共存を図るため、日本野鳥の会の委託で2年間、月2回カウントを担当。その時、周りを走り質問攻めにしてきた小学生の内の一人が、大阪市立大学准教授を経て今は北海道大学教授の髙木昌興さん。その事実を立教大学での世界鳥類学会議で知り、不覚にも涙が出ました。鳥を観ることは鳥への興味という種をまき続けること。ここの木々が力強く繁るほどに思いが強くなります。

東京湾の埋め立て地にある東京港野鳥公園は、都市公園ながら多様な自然環境があり、年間120種類ほどの野鳥が見られます。
谷口さんに描いていただいたのは、園内の拠点となるネイチャーセンターとその前に広がる汽水池と干潟です。春や秋にはシギ・チドリなどの干潟の渡り鳥、夏にはコアジサシやコチドリ、冬にはカモや猛禽類が見られます。ネイチャーセンターにはレンジャーが常駐しておりますので、園内の生きもの情報など、お気軽にお尋ねください。


船旅の気分も味わえて、島ならではの野鳥も堪能できる、奇跡の島が三宅島と思っています。ここのレンジャーたちは、野鳥のみならず、島全体の自然も見守りながら活動を重ね、島民の方々からも信頼を得ていることを、伺うたびに感じています。見どころも多いので、できれば宿泊しながら、探鳥や島の観光を楽しみたいものです。来島者が島のさまざまな場所でお金を使うことも、レンジャーたちの活動を支えていく一端になっていきます。

アカコッコやイイジマムシクイなどの希少な野鳥が多く生息する三宅島。周辺の海にも色とりどりの海水魚やサンゴなど多くの生きものが生息しています。三宅村村営のアカコッコ館は三宅島の自然を多くの人に知ってもらうために1993年に設立されました。陸や海の生きもの調査や観察会を通して、その自然の素晴らしさを多くの人へ伝えています。また、島民の皆さんとも協力しながらアカコッコの保護活動も重点的に行っています。

谷口高司(たにぐち・たかし)
1947年東京都生まれ。早大卒。野鳥図鑑を一冊全て描く画家として国内外で活躍。(公財)日本野鳥の会編『新 山野の鳥』『新 水辺の鳥』をはじめ絵本や野鳥観察を楽しむための本、シート・手帖など50を超える著作物を執筆。全国での講演会、観察会、年複数回の個展開催、また図鑑作成のノウハウを活かした “タマゴ式”鳥絵塾講座なども全国で開講、広く野鳥の保護を訴える活動も展開中。
谷口高司氏デザイン 日本野鳥の会サンクチュアリ・オリジナルミニタオル
イラスト:谷口高司
サイズ:20×20cm
素材:ポリエステル100%
価格:800円(税別)