2025年8月13日
7月30日に石垣リゾート&コミュニティー計画に関する緊急記者会見を行いました。同計画は石垣市の支援を得て株式会社ユニマットプレシャスが進めているゴルフ場付きリゾート施設の建設計画です。
この計画に対しては、約127haという広大な開発用地内にカンムリワシなど絶滅危惧種の生息地やラムサール条約湿地である名蔵アンパルの水源地が含まれ、水系を通じて国立公園の名蔵湾や沿岸のサンゴ礁・マングローブ林にも深刻な影響が懸念されます。そのことから、アンパルの自然を守る会、カンムリワシの里と森を守る会をはじめとする地元団体と日本魚類学会、WWFジャパン、日本野鳥の会などが、事業着手に必要な許可を審査している沖縄県に対して周辺環境に十分な配慮がされることを要請していましたが、5月7日に沖縄県は計画を進めるのに必要な農地転用許可と開発許可を出しました。
今回の緊急記者会見は、沖縄県に対して開示請求を行ってきたこれらの審査資料の一部(一部は、8月に開示決定)が開示されたことを受けて、審査の過程で明らかになった問題点やこれまで我々が指摘してきた問題点への対応が不十分であることを広く知ってもらうために行ったものです。また、JELF(日本環境法律家連盟)のカンムリワシ弁護団が予定している法的措置についても報告が行われました。
※イシガキパイヌキバラヨシノボリ:2022年に新種として記載されたパイヌキバラヨシノボリの石垣島の固有亜種
2015年 | 10月 | 石垣市長・事業者が計画公表(ゴルフリゾート建設は市長の選挙公約) アンパルの自然を守る会が計画の見直しを求める要請を行う |
2019年 | 2月 | 県条例にもとづく環境影響評価方法書に対して意見書 |
2021年 | 2月 | 環境影響評価準備書に対しての知事意見。17項目70件の問題点を指摘 |
9月 | アンパルの自然を守る会、我がーやいまの自然を守る会が共同署名活動開始2022年5月12日時点で計26655名の署名 | |
11月 | 環境影響評価書最終版が縦覧終了。重要項目について知事指摘に対し未対応 | |
12月 | 地元のアンパルの自然を守る会、我がーやいまの自然を守る会、当会やWWFジャパンなど11団体が連名で沖縄県に対して審査を通して計画の見直しを求める要請 1 | |
2022年 | 1月 | 日本魚類学会が計画の見直しを求める要請 |
2月 | 世界湿地の日に計画の問題点と提言を動画配信 2 | |
3月 | 地域未来促進法の「地域経済牽引事業計画」を沖縄県が同意 | |
6月 | 石垣市長の農業振興地域の指定解除案に対して農業従事者10名が異議申立(その後却下) 当会を含む12団体が連名で沖縄県、石垣市、事業者に対して要請 3 |
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10月 | 石垣島でカンムリワシの里と森を守る会結成 | |
2023年 | 4月 | 県知事宛て知事許可事項(農地転用・開発許可等)に対する合同要請(16団体)4 |
2025年 | 3月 | 沖縄県が林地開発許可 |
5月 | 沖縄県が土地計画法に基づく開発許可、農地法に基づく農地転用許可 | |
7月 | 沖縄県による公文書開示 |