公益財団法人 日本野鳥の会

プレスリリース 2006.04.27

帰島後一年余、三宅島の自然がお茶の間で。日本野鳥の会は、三宅島のアカコッコなどの生息地にインターネットカメラを設置。

2006.4.27

(財)日本野鳥の会(本部:東京、会長:柳生博、会員・サポーター数5万2千人)は、 1993年より「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」(三宅村立)にレンジャ ーを配置し、三宅島に生息する野鳥の保護に取り組んでいるが、今回、日本の固有種で国 の天然記念物にも指定されているアカコッコなどが生息する「三宅島自然ふれあいセンタ ー・アカコッコ館」(東京都三宅島三宅村)に、(社)昭和会館(東京、理事長:岩村和 俊、会員数2百人)の援助を得て、インターネットカメラ2台を設置した。これにより、 インターネットに常時接続できるパソコン端末から、日本野鳥の会のホームページを開く だけで、水浴びするアカコッコや2000年の大噴火により影響を受けた自然の様子をラ イブ映像で閲覧できるようになった。
閲覧に際しては、アクセス順ながらパソコン端末から、カメラを上下左右、ズームなどの 遠隔操作ができ、音声も聞ける。
日本野鳥の会では、昨年、タンチョウの生息地「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」 にライブカメラを設置したが、今回はその第2弾。今後も引き続き、サンクチュアリや野 鳥保護区などにインターネットカメラを設置して、野鳥や自然の魅力をお茶の間に伝えて いく。
【日本野鳥の会のホームページ】
http://www.wbsj.org

【(社)昭和会館】

■沿革

「社団法人 昭和会館」は、華族制度と貴族院が存在していた時代に、貴族院男爵議員中心の政治会派である「公正会」が国会に貢献する目的をもって昭和2年9月7日に設立した団体であ ります。その後、昭和22 年5 月3 日憲法が改正され、華族制度および貴族院が廃止され、本来の 任務が終了したのを期に、あらためて定款を改定し『公益法人』として出発することになり、昭 和23 年5 月12 日、東京都よりこれが認可されました。以来、公益法人として社会・公益のため に貢献する団体等に対する援助を主体とし、その他講演会・談話会・会員相互啓発等の活動を続 け今日に至っております。 なお、現在昭和会館は、約200 名の会員で構成されております。

■事業目的

 昭和会館の事業目的は、定款で下記のように定められております。

  1. 社会、公益のために貢献する団体等に対する援助
  2. 講演会、談話会、研究会、その他の集会の開催
  3. 会館の維持運営
  4. その他この法人の目的を達成するために必要な事業

■所在地

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞ヶ関ビル20F
TEL:03-3581-1621(代)

【三宅島の自然と日本野鳥の会の活動】

三宅島は、東京から南南西へ約180kmの太平洋上にある、周囲約38km、面積は55km2 ほど のほぼ円形をした火山島です。温暖な気候が育くんだ照葉樹林に覆われており、国の天然記念物の アカコッコ、イイジマムシクイ、カラスバト、固有亜種のオーストンヤマガラやミヤケコゲラなど 三宅島ならではの野鳥が生息しています。野鳥の生息密度が高く、別名”バードアイランド”とも 呼ばれています。 当会では、三宅島の豊かな自然と野鳥の保護、三宅村の振興の両立を目的に、「三宅島自然ふれ あいセンター・アカコッコ館(以下、アカコッコ館)」を拠点に活動をしています。 現在、三宅島では、2000 年6月に始まった火山活動により、照葉樹林が大きくダメージを受け、 野鳥の生息環境の激変が起きています。住民の生活も5年ぶりに全島避難からの帰島とはなりまし たが、未だに高濃度地区などで活動が制限されている場所もあります。 当会ではこうした状況の中で、科学的な調査方法に基づいた野鳥の生息状況の把握、島民と自然 が共存する復興のあり方への支援、特色ある三宅島の自然を活かした島の経済復興を応援いたします。そのため、2005 年2月の避難指示解除後には、アカコッコ館の運営を復旧するとともに、みやけ エコネット等による自然情報の発信、自然ガイドの養成などの活動を行っています。 今回のインターネットカメラの設置は、三宅島復興の一助として、2000 年噴火災害によって影響 を受けた自然や戻ってきた野鳥の様子を、多くの方に知っていただくきっかけとなることを願って 実施するものです。

【三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館】

アカコッコ館は、特色ある三宅島の自然を将来へと受け継ぎ、自然にふれあうための拠点として、 三宅村が1993 年に開設した施設です。火山活動のために2000 年9月から休館していましたが、昨 年7月より約5年ぶりに運営を再開しました。日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、来訪者への自 然解説や自然環境の調査、自然情報の発信、自然ガイドの養成などの活動を行っています。

〒100-1211
東京都三宅島三宅村坪田4188
TEL:04994-6-0410 FAX:04994-6-0458
開館時間 午前9時~午後4時30 分
休館日 月曜日(祝日の場合はその翌日)年末年始(12 月29 日~1月3日)
利用料金 一般200 円(15 人以上の団体:2割引)中学生以下・65 才以上:無料
アカコッコ館http://www.wbsj.org/sanctuary/miyake/
みやけエコネットhttp://www.miyake-eco.net

【アカコッコ(国・天然記念物、環境省RDB 絶滅危惧II類)について】

アカコッコ館の名称にもなっている野鳥・アカコッコは、伊豆諸島とトカラ列島でのみ繁殖する 日本固有のツグミの仲間です。伊豆諸島では、大島から青ヶ島にかけて生息し、北部より南部の島 で多く見られます。三宅島は本種の代表的な生息地で、三宅村の鳥にも選定されています。自然林 から二次林までのさまざまな環境で暮らし、中でも照葉樹林の低木層があまり発達していない場所 で多くみられます。また、林のふちで餌を探し、主にミミズやムカデ、昆虫類などを食べています。 季節によってはハチジョウグワやタブノキなどの実も食べます。子育ての時期は4月から7月にか けてで、木の根や草の茎、コケなどを土で固めたお椀状の巣を樹上に作ります。卵の数は2~5個 で、雌雄共同で雛を育てます。

【インターネットカメラ】

■設置場所

「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」
〒100-1211 東京都三宅島三宅村坪田4188 TEL:04994-6-0410

■稼働時期と時間帯

 稼働期間は通年。時間帯は6時~18時の間

この件に関するお問い合わせは
財団法人 日本野鳥の会
〒151-0061
東京都渋谷区初台1-47-1 小田急西新宿ビル1F (担当:会員室 室長代理 安藤康弘)
TEL:03-5358-3512 FAX:03-5358-3608 http://www.wbsj.org
現地:「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」
〒100-1211 東京都三宅島三宅村坪田4188 (担当:チーフレンジャー 山本裕)
TEL:04994-6-0410 FAX:04994-6-0458

参考写真


三宅島遠景


アカコッコ館本館


本館に設置したインターネットカメラ


当該カメラから見えるアカコッコの水浴び


当該カメラから見えるメジロの水浴び


遠景が見える位置に設置したインターネットカメラ


当該カメラから見える雄山の雲煙と枯死した木々


当該カメラから見える大路池と海


当該カメラから見える大路池と残る照葉樹林(アップ)


国の天然記念物アカコッコ


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PDF 三宅島ライブカメラ設置に関するプレスリリース
PDF 三宅島ライブカメラ設置に関するプレスリリース(写真)

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